2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

ひとこと通信欄

  • (2017/6/11夜) 「火の鳥」を印刷所さんに入稿する準備をしていたら、ブログの更新間隔が空いてしまいましたー。すこーしお待ちくださーい。

ランキング参加中!

  • 記事がお気に召したらクリックしていただけると、作者の励みになります。(1日1回まで)

    (投票せずに順位を確認したい方はこちらから。)

読者アンケート実施中♪

  • 所要時間は5分くらい?
    個人情報の入力はありません。
    よろしくお願いいたします。
    こちらから。

SF「夜景都市」(未完)

最近のトラックバック

プロフィール

  • 城

    雪村月路
    snow.moon.rainbow☆gmail.com
    (☆を@に変えてください)
    Twitter: @ariadne_maze
    ブログ更新量について
    愛読書100冊

    うちの子同盟 うちの子同盟

無料ブログはココログ

« (幼きもの)(07) | トップページ | (幼きもの)(09) »

(幼きもの)(08)

 マシュモッシュ博士は、予定どおりに帰ることにした。研究に戻りたいこともあるが、気候的にも、これから寒くなるリーデベルクは、南国生まれの博士にはつらい。
 登城する最後の日。マシュモッシュ博士は、夜になったらドゥーイット博士に自分の所見を述べようと思っていた。頭の中で、述べるべき内容はだいたい固まっていたが、自信があるかと言われるとそうでもなく、どことなくモヤモヤする気分のまま、博士は王子の部屋を訪ねた。
 王子はずいぶん別れを惜しんでくれた。それから、机の引き出しから笛を取り出して、
「先生のために吹きます。こっそり練習していました」
 そう言って、曲を奏でてくれた。
 子供の手習いだから、たいしたことはあるまい、と踏んでいた博士は、すぐに驚かされることになった。どうやら昨日今日に始めた楽器ではないらしく、上手に音をつなげていく。
 曲の内容も、素晴らしかった。空に歌うヒバリのように始まった曲は、やがて異国の雰囲気へと変わって行き、はっきりと、マシュモッシュ博士の冒険談をイメージしていた。そこに歌われているのは、冒険への憧憬、だった。
 曲が終わると、博士は大きく拍手した。
「初めて聞いた曲ですが、素晴らしかったです! なんという曲ですかな」
「あっ、まだ名前がなかった」
 ひるんだ王子の言葉に、思わず目を見張る。
「なんと、フルート様がお作りになったのですか」
「うん」
「笛はいつから始められたのですか」
「5才から。ドゥーイット先生がね、なるべく歌に近い楽器がいいでしょうって、勧めてくれたのです」
 マシュモッシュ博士は、ドゥーイット博士に感謝した。この曲のおかげで、胸の中のモヤモヤは、すっかり晴れ渡っていた。
 王子のほうは、あまり元気がなかった。
「ぼくも先生といっしょに行けたらいいのに・・・」
「もう少し大きくなったら、いらっしゃればいい」
 博士はにっこり笑った。
「ボンダバンの王家にも、ヒズサ殿下という、フルート様より少し年上の王子殿下がいらっしゃいます。大変まっすぐな方ですから、きっとフルート様と気が合うと思いますよ」
「そうなのですか? お会いしてみたいです」
「お伝えしておきましょう」
 博士は約束し、心をこめて、深くお辞儀した。
「それでは、また会う日まで、ごきげんよう、フルート様」

人気ブログランキングへ

« (幼きもの)(07) | トップページ | (幼きもの)(09) »

コメント

どうもおはようございます、雪村さん。芝臣です。

「幼きもの」(08)、拝読させていただきました。

うーん、ここまで読んできて思ったのは、少なくとも7歳当時のフルート王子は、俗な言い方ですが「天才少年」とか「神童」とか呼ばれる存在に近いのではないかということですね。確かに雪村さんご自身がはからずもおっしゃったように「普通ではない」ことは明白です。

こうなると「夏の訪れ」までの間の変化・・・いかにして「ルーク」を名乗るようになったのか、そのきっかけなども気になりますが・・・想像できることもあるし、なんともいえない部分もあります。

ともあれマシュモッシュ博士の見解を待ちましょう。そこに何らかの回答があるかもしれません。

今回もどうもお疲れ様でした。ラスト、頑張ってください。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪ コメント付けにくいときは放置でいいですからね~♪

7才くらいの少年少女が、いかに立派な曲を作曲できるかは、以前ピアノを習っていた関係で知っています。私は作曲はからきしダメでしたけど・・・。

7才のフルートのエピソードは、ひとつひとつを取ってみれば「得意分野のある普通の少年」とも見えるのですが、全部を見渡すと「普通じゃない」ですよね。
ひとつひとつが意外と地味だから「神童」と呼ばれそこなったのかもしれません。

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

前話したセレン(仮)・メインの痛快娯楽活劇ですが、やはり女(未亡人?)が絡んで、あと子供がいたりしたらどうでしょう? ノリとしては西部劇とか時代劇ですね(笑)。ああ、むろん雪村さんのよろしいようにどんなお話でもかまいませんから!

それとフィリシア・メインのお話はネタが思いつかなかったんで、これまた雪村さんのいいようにお書きになってみてください。

あれこれ言いましたが、単なるネタですので、あまり難しく考えないでくださいね(苦笑)。

いや、どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪

えー、じゃあ私は、「麗香先生が敵のイケメンの妖しい術に嵌まってメロメロになっちゃってるところに、凌吾先生が颯爽と取り戻しに来る話」が読みたいです~。
あと、「麗香先生のロマンティックなシーン」を、もっと見たいです~。シチュエーションはお任せします~。
えと、単なる私のワガママ!なので、あまり難しく考えないでください(笑)。
というか、読んでみたいのは本当だけど、麗香先生が敵にメロメロって・・・(苦笑)。

・・・という感じだったのですが、
よーく、よーーく考えてみたら、そういえば、セレンの単独行動で、立ち回りがあって、しかもシビアにならない話が1個あったじゃないか、と思い出しました! びっくりですよ! リクエストって、言ってみるものだと思いました!bleah
敵が弱いのが難なのと、そこまでエンタテイメント性が高いか?という点がアレなんですが、かなり条件に近いと思うので蔵出ししてみます。女性は絡みます。当たり前なのですcoldsweats01

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です

うーん、メロメロ麗香さま・・・。想像がつかない(苦笑)。
少なくとも、今の『狼たちの午後』はもうすぐ完結なんでありえないし、『麗香』シリーズの1エピソードとしてなら、もしかしたらありえるかも・・・。あと、ロマンティックな麗香さま・・・苦手だなあ(苦笑)。頭を振り絞って考えてみましょう。

それより、セレン・メインの活劇、無理しなくてもいいですよ? それこそワガママなんですから。
まあ、ネタはあるようだから、大丈夫だとは思いますが・・・。

なんか無理言ってどうもすいませんでした。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます。

リクエストにリクエストで応じるのも、ちょっと大人げないかと思ったのですが、「なんでも言ってみるものだなあ」という思いのほうが勝って、つい無茶振りをしてしまいました。こちらこそすみません。
あまり難しく考えないでくださいね(苦笑)。

何かの種を蒔いたと思って、あとは忘れるのがよろしいかと思います。
芽吹くものなら、そのうち芽吹くでしょう。そうでないなら何かの養分になって消えるでしょう。
それでいいと思います。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568827/55421431

この記事へのトラックバック一覧です: (幼きもの)(08):

« (幼きもの)(07) | トップページ | (幼きもの)(09) »