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(幼きもの)(07)

 そんなこんなの毎日が続いて、マシュモッシュ博士は、おおいに感嘆し、また、おおいに困惑した。ドゥーイット博士は、そんなマシュモッシュ博士を見て、うんうんと頷きながら、マシュモッシュ博士の見解がまとまるのを待っているのだった。

 たとえば、こんな日があった。マシュモッシュ博士と王子は、城の女官たちが悲鳴をあげて逃げ回っているところに遭遇した。彼女らの足元には、どこから入って来たのか、大きな蛇が一匹、長い体をのたうたせていた。
「先生、あの蛇、毒はある?」
と王子が問うので、
「ありませんよ」
と答えながら、博士が蛇を取ってやろうと近付いていくと、王子はその脇をタタッと走り抜けて、自ら両手で蛇をつかみあげた。
 女官たちの悲鳴がひときわ高くなったことなど気にもとめない様子で、
「この窓から捨てればいい?」
「そうですね、なるべく遠くに投げてください」
 言われて、ぽいっと窓から蛇を放り投げた。
「フルート様は、蛇は怖くないのですか?」
と、博士が感心して言うと、王子は眉をしかめ、
「にょろにょろして、きもちわるいです。怖い・・・とは、そういうことですか?」
と言った。

 また、別の日は。博士はこっそり、王子に賭けカードを教えてみた。手元に配られたカードと、山札のカードを、捨てたり引いたりして、強い役を作ったほうが勝ち。役に自信があれば賭け金をつりあげて良いし、自信がなければ勝負から降りてよい。もちろん、今回は本当に金銭を賭けるわけにはいかないから、小枝で代用した。
 最初のうち、王子は「ええと、ええと」と考えながら、出来やすい役を作るのに専念しているようだったが、勝負が終わるごとにお互いの手の内を見せあっているうち、「あ、そうか」と何かに納得した。以降、カードを引くのも捨てるのも、迷いのない手つきになって、博士はほとんど勝たせてもらえなくなってしまった。
 たった一時間遊んだだけだったが、小枝をみんな取られてしまったマシュモッシュ博士は、内心で、「この小さな王子様は、賭博師になっても食べて行けそうだな・・・」と思ってしまったくらいだ。

 そしてある日、王子が象の絵(たぶん)を落書きした紙を、何気なくひっくり返したマシュモッシュ博士は、またもやびっくり仰天した。その紙は、以前に博士が王子にやった紙で、博士が動物をスケッチするとともに、遺跡の壁画もスケッチしてあったのだが、博士が意味を見つけられなかった壁画の模様に、王子はいくつかの点を描き足して、線でつないで、立派な象の絵を完成させていた。
 この壁画は象だったのか? 象だったのか? ――マシュモッシュ博士の頭の中で、他の壁画の記憶がぐるぐると回って、検証を始めようとする。いやいや、落ち着いて考えなければだめだ。この壁画のきちんとした模写は自宅に置いてあるのだから、自宅に帰ったときに、あらためて考えよう。

 ・・・王子と約束した1ヶ月は、もうじき終わろうとしていた。

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(あと2回だと思います)

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

さっそく、「幼きもの」(07)を拝読させていただきました。

苦笑するところもあり、意味を考え込まざるをえないところもあり、なかなかに複雑なエピソードで、まるで自分がマシュモッシュ博士になってしまったような気分になってしまいました。

蛇のエピソードは興味深かったですね。あの発言によれば、フルート王子は「怖い」という感覚を、7歳当時(もしかしたらそれ以後も)、はっきりとは自覚していなかった節があります。それはやはり「豪傑」の資格があるとも思えますが、それは私の好みですから、全く間違っているかもしれません。

なんにせよ、博士と王子は楽しい一ヶ月を過ごしたようで、こうなると別れがつらいし、ぜひ再会させてほしいですね。

そんなことを思いながら、読ませていただきました。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪

マシュモッシュ博士はどう解釈するのでしょうねえ。
また、読者の方には読者の方なりの解釈があって良いと思います。

ただ、ちっちゃいフルートについて、「こんなの普通でしょ?」という方がいらしたら、「いや、普通ではないと思いますよ」とは言えると思います!

どうもこんばんは、雪村さん。芝臣です。

「幼きもの」の結末次第なのですが、次回は大人セレン・メインで悪党どもをバッタバッタと斬り倒す、痛快娯楽活劇なんか・・・ダメですか・・・? またはフィリシア・メインノロマンティックなお話とか・・・。

なんだかいろいろ考えて、頭が萌え萌えになってしまいました(苦笑)。

とりあえず、明るいお話が読みたいですねえ。
どうかよろしくお願いいたします。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪

なんと、頭が萌え萌えに! それって最高の誉め言葉じゃないですか。どうもありがとうございますhappy01

うーん、セレンは基本的に繊細で平和主義なので、人間相手に立ち回りさせると、(強いんだけど)なかなか明るい話にはならないのですよね。舞台設定でなんとかできるかなぁ・・・。
フルートなら、襲ってきた相手がそこそこ強ければ楽しくなっちゃうと思うので、斬らせても大丈夫だと思うのですが。
フィリシアがメインのロマンティックな話は、最近の「空色のドレス」と雰囲気がかぶらないか、ちょっと心配・・・。

しかしながら、実のところ、次の話は明るくない話になる確率が高かった!ので、そこは明るい話にするように軌道修正してみます。
あまりご要望を反映できなくてすみません。でも、いただいたご要望については今後も引き続き検討しますねheart01

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