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(従者試験)(01)

 騎士隊長の息子のリオンは、ゼラルド王子と同い年だ。王立学問所で何度か顔を合わせたことがあるせいか、王子は名前を覚えてくれているようだ――というより、リオンの見たところ、王子は宮廷に出入りする者の名を、ほとんど覚えているように見える。

 リオンがその場所を見つけたのは、何年か前、ほんの偶然からだった。
 学問所にいつもより早く行って予習をしようと、見張り番以外はまだ誰も起きていなさそうな早朝、足早に城の回廊を通り抜けようとしたとき。
 回廊の端にある丈高い植え込みの陰で、
(こんなところに植え込みがあるなんて、不審人物が潜んだら危ないのではないか)
と、なにげなく視線を上げたら、本当に、見えたのだ。回廊の向こう側に、ゼラルド王子の部屋の窓が。
 すぐにそれと気づいたのは、他でもない、その窓が開かれて、部屋の主が窓際に立ったからだった。物憂げなおもてに、やさしい笑みをかすかに乗せて、王子は小鳥たちに餌を与えていた。
 王子が窓を閉ざすまでの、ほんの数分の間、リオンはその場に立ち尽くして、その光景に見とれていた。学問所で会う王子は寡黙で真面目な印象だったが、
(・・・心やさしい方なのだ)
と、リオンは思った。
 次の日も、次の次の日も、リオンは同じ時刻に同じ場所に立って、同じ光景を見ることができた。その時間に小鳥を餌付けするのが王子の日課であるのと同じように、いつしか、その時間にその光景を見ることがリオンの日課になった。晴れた日は、いつでも。

 だが、いつからだったろう、小鳥を愛でる王子の表情に、翳りが色濃く表れるようになったのは。リオンの記憶が正しければ、国王陛下の再婚からしばらく経った頃・・・か。
 王子は次第に、沈鬱な、心ここにあらずという表情をしていることが多くなった。そういえば、以前はちょくちょく訪れていた学問所にも、めったに来なくなっていた。同時に、リオンの身の回りでは、王子に関する奇妙な噂――王子に気に入られると何かに祟られるとか、逆に機嫌を損ねると何かに呪われるとか――が広まりつつあった。
 リオンの知らないところで、何かが起こっていた。何か、ひどく良くないことが。
 そしてある日、とうとう、晴れていたのに窓は開かなかった。次の日も、次の次の日も。

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コメント

どうもおはようございます、雪村さん。芝臣です。

「従者試験」(01)、拝読しました。

上手いなあ、と素直に思います。
リオン視点で意外なゼラルドの素顔を見せて、その顔が次第に曇っていき、ついに心を閉ざしてしまうことを窓が開かなくなったことで表す。こういう細やかな表現は私には難しいので、何度も読んでしまいました。

それにしても義妹・ユリアは相当、心の重みになっているようですね。まあ、誰でも彼でも呪い倒すんですから、ゼラルドの精神的負担は大変だったと思います。それで向こうはあくまで無邪気(?)なんだから始末に負えない。

ともかく、これからどうなるか、じっくりと物語を追いかけていきたいと思います。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪

過分なるお誉めの言葉をちょうだいしましたが、考えすぎ、考えすぎcoldsweats01

ユリアは次々に人を呪うことで、いわば人を呪う練習を重ねているようなものなので、呪詛に特化して力が増大していきますが、彼女自身の周りには事件は起こらないので、おそらく疑われることもなく、愛嬌ゆえに広く愛されていただろうと思います・・・。

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