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(従者試験)(04)

 リオンは、左手の一番手前の部屋に入った。部屋には、小さな窓があり、その手前に、小さな椅子がひとつあって、それだけだった。リオンは椅子にかけて、両手の中に、大切に光球を包みこんだ。
 他人の力の産物に、働きかけることは難しい。だが、この光は、リオン自身の祈りの象徴だ。けして壊すまい。
 リオンは光球に意識を集中し、呪文を唱えた。光の消えることのないように。輪郭の乱れることのないように。大丈夫、自分は月の力の使い手として、月の塔でも特に優秀であると認められている。落ち着いて、普段どおりに力を使えれば、あとは願いの強さ、祈りの強さが、リオンを助けてくれるはずだ。
 最初のうち、それは上手く行っているように見えた。光球は、光を減ずることなく、輪郭を乱すことなく、静かに強く両手の中で光り続けていた。リオンの集中は揺るがなかった。この光球を守ることが、王子殿下をお守りすることにつながるのだ。
 だが、突然。光球の中に、一瞬、虹色の光が抉るようにパッと閃いた。そして、次の瞬間、音も立てずに、光の球は砕け散っていた。驚くリオンの目の前で、光の粒は無情に消えて、残ったのは、からっぽの掌だけ・・・。
 リオンは窓から入る陽光の向きを確認した。さほどの時間は経っていないようだ。
 ・・・失格したのだ。
 リオンは、光球の砕け散った瞬間のことを、よくよく思い返した。自分にミスがあったとは全く思えなかった。あのとき閃いた虹色の光。もしや、リオンは何者かに試験を妨害されたのではないか? 資格を満たさずに受験できなかった者や、あるいはリオンより早く失格した者の妬みなどによって。そう考えると、試験会場は、もっと妨害を受けにくい場所に設置されるべきだった。再試験が行われる可能性は低いだろうが、そのことは異議申し立てをしても良いのではないか。
 部屋の戸が開いたのでリオンが目をやると、ギースが皮肉な笑みを浮かべて、すっと手を動かし、無言で、部屋からの退出を促していた。どうやら各部屋は監視されているらしい。リオンは思い切って言った。
「私は異議申し立てをおこないます」
「かしこまりました。では、こちらへ」
 ギースに付いて、リオンは部屋の外に出た。

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コメント

どうもこんばんは、雪村さん。芝臣です。

うーん、陰謀の匂いがプンプンとしますね。

まず、王子従者にはどんな特権が与えられるのでしょうか。
他者を追い落としてまで手に入れたいほどの地位・・・ここが焦点になりそうです。

あと時間表現がよくわかりませんでした。半刻というのは30分でしょうか、1時間でしょうか。すいませんせんが、補足説明をお願いします。

今回はこんなところですね。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
いらっしゃいませ。ちゃんと「休み休み」してますか?

(01)回のときもそうでしたが、リオンの視点で書いたものを、そのままリオンの視点で受け止めてくださっていて、ありがたく思います。
でも、リオンはリオンなりに偏った見方をして思い惑っているので、それにつられてはいけないのです!coldsweats01

王子付き従者は、虎の威を借る狐くらいには(?)、様々なことに融通がききます。
たぶんお給金も良いです。単なる行儀見習い/遊び相手ではありません。

「一刻」の長さは特に決めていなくて、ここでは読み手に委ねたかったのですが。
混乱を招くようですから、とりあえず曖昧表現に差し替えますね。
ご指摘ありがとうございます。

はい、今回はこんなところです(笑)。

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