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(従者試験)(06)

 リオンは従者控室で、ギースから仕事を引き継ぐことになった。
 起床の時間、食事の時間、就寝の時間。来客時の注意、外出時の注意、居室時の注意。等々、几帳面な小さい字でびっしりと書かれた引き継ぎ文書を、リオンはありがたく受け取って、説明を聞いた。無愛想・無遠慮に過ぎることを除けば、ギースはきっと有能であったに違いないと、おのずと理解できる内容だった。
「・・・説明は以上です。何か疑問点はありますか?」
「ひとつだけ。起床の時間が遅すぎるように思うのですが、間違いではありませんか」
 ギースは、ちらと紙に目を落として、心外そうに眉を寄せた。
「間違いありません。それともあなたは、当直か厨房でも手伝うつもりなのですか」
「いえ、失礼しました。私の思い違いだったようです」
 王子がもっと早く起きていることを、ギースは知らない、のか・・・?
 リオンが考えていると、ギースはいつもの不機嫌さで、
「では、最後に個人的な体験をお話ししますので、参考になさってください。十日ほど前の夜、私は、この部屋で、強力な呪詛を受けました」
 その言葉は淡々と述べられたが、リオンははっとした。今までに聞いたことのある、不穏な噂話が頭をよぎった。王子殿下にかかわると呪われるらしいよ――。
 ギースは続けて語った。
「左胸をドンドンと叩かれるような痛みが起こり、同時に息ができなくなりました。呪詛であることが明確な、悪意に満ちた力を感じました。とっさに、太陽の力を発動して呪詛を打ち消しにかかりながら、私はよろよろと歩いて、不敬を承知で、ゼラルド様の部屋の戸を開けました。というのも、周知のとおり、太陽の塔も、月の塔も、聖王家に関する占いはできません。が、呪詛を受けている、まさにこのときなら、もし犯人がゼラルド様であれば、この目で直接確かめることができると思ったのです。
 ゼラルド様は、机の上に聖札を並べていらっしゃるところでした。その時点で、ゼラルド様に対する疑いは晴れました。ゼラルド様が振り返って、『何かあったのか』とお尋ねになったので、私は状況を説明しようとしましたが、声が出ません。ゼラルド様は、しばらく私をじっとご覧になってから、『呪詛か!』と顔色を変えられました。そのあとのことは・・・正直、私は月の力について不案内なので、何がどうなったのか、よくわからないのです。ただ、抜き身の短剣を持たされて、ひたすら呪詛に抗い耐えていたら、急に体が軽くなって、自分が自由になったことを知りました。ゼラルド様がおっしゃるには、私に向けられていた呪詛を一度ゼラルド様に移し、術者がひるんだ隙に、呪詛を返したのだそうです。これでもう、自分の従者に呪詛が向けられることはないだろうとおっしゃっておられましたから、あなたは大丈夫だろうと思いますが・・・念のため、以上のことをお知らせいたしました。ちなみに私は、その後一週間、臥せっておりました。ゼラルド様も、三日ばかり、お加減があまりよろしくなかったようです」

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

怖い~。これは怪談ですよ~。
ギースが淡々と語っているのが、さらに怖さを倍増させています。

しかし、「呪詛」、「呪詛返し」といった用語から、私は西洋ファンタジーよりも、私の好きな作家・夢枕獏先生の大ヒット作『陰陽師』を連想しました。さしずめゼラルドは安倍晴明?(苦笑)

それにしても、犯人の目的はなんなんでしょうねえ。ゼラルドはギース個人を狙ったものではなく、王子付き従者それ自体を狙ったものと疑っているようですし・・・。

とりあえず、この件に関してはリオンもゼラルドとしっかり語り合った方がいいですね。でないと、いつ「見えない悪意の刃」が襲いかかってくるか、知れたものではありませんから。

今回はそういったことを思いました。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
いらっしゃいませ~。

「陰陽師」は何冊か読んでます♪ 「生成り姫」は、気に入ったので文庫で持ってますheart01
昨今、「呪(しゅ)」と聞くと京極夏彦さんの小説を連想する人が増えているように思うのですが、それはそれでいいんだけれども、でもその前に安倍清明だろうと思いますconfident

作者としては、ウェルザリーン(ローレイン)のイメージは、
日本と、ギリシャと、トルコと、パロ(「グイン・サーガ」の)を、ぐつぐつ混ぜた感じです。
ギリシャがかろうじて西洋ではありますが、西洋ファンタジーっぽくはないかもしれませんねwink

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