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(従者試験)(07)

「・・・そうだったのですか。それで、術者の正体はわかったのですか」
 リオンが尋ねると、ギースは平板な調子で答えた。
「いいえ。わかっているのはただ、毎日のようにゼラルド様のお部屋に遊びに見える妹君のユリア様が、私と同じ時期に体調を崩されて、私が臥せっている間は一度もお見えにならなかった、ということくらいです」
「・・・」
「私も、もう少しの間、ゼラルド様のおそばで、事の成り行きを見極めたかったのですが」
と、ギースは言った。
「半年前、従者として指名されたときには、迷惑このうえないと思いましたけれどもね。あとから調べてみれば、その頃から既に呪詛は始まっていて、当時は、ゼラルド様と仲の良い方々が狙われていたのです。つまり、殿下としては、ご自身を慕うものを遠ざけ、慕わないものをそばに置くことで、できるだけ誰も狙われないようにしたかった。だから、近しい使用人たちが入れ替えられ、従者として私が選ばれたのです。
 けれども、呪詛の対象は徐々に広がり、最近は、仲が良くてもだめ、悪くてもだめ。しかも、病で済むなら幸運なほうで、命を奪われることさえあるのです。ゼラルド様はもう、人前で笑うことも怒ることもできません。おそばの使用人たちも、近く、もう一度入れ替えられることになるでしょう。今度はできるだけ感情の動かない、静かなものたちに。
 もう従者が狙われないというのなら、せめて従者くらいは、自ら希望する者をお連れくださいと、進言申し上げたのは私です。そのような者がいるだろうかと真顔でおっしゃるので、月の塔と王立学問所の成績優秀者を候補にと申し上げました。そうすればあなたが候補に入ると、私にはわかっていましたから。あなたのことについては、以前レムルス殿とお話する機会があったときに伺っておりました。
 ・・・さて。私はいったん実家に戻って養生しますが、元気になったら太陽の塔に戻ろうと思います。表向きは今までと変わらなくとも、本心はゼラルド様の味方です。今後、あの方に、太陽の塔の助力が必要になったときには、そこに私がいることを思い出してください。
 どうか、至らなかった私に代わって、あの方をよろしくお願いいたします」
 そう言って、ギースはリオンに向かい、深々と頭を下げたのだった。

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すみませんsweat02あと1回。

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

「従者試験」(07)、拝読いたしました。

うーん、これは、いわばギースの「仮面の告白」ですね(ちょっと違うかな)。

呪詛事件はどうやら「凶宴」前で、それからユリアの呪殺行為も始まったのかと思われます。
また、あのエピソードでゼラルドに深く忠誠を誓った(と思われる)レムルスが、この事件をきっかけにギースと接触し、リオンのことを伝えたのか・・・? などと想像は広がります。

また、先に「呪詛についてはリオンはゼラルドとよく話し合うべき」と書きましたが、その役目をギースが果たしたわけで、少なくともゼラルドの従者としては彼は一流の人材だったわけですね。いや、見直しました。

今回は非常に興味深いお話で、何度も読み返してしまいました。ありがとうございます。

どうもお疲れ様でした。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
いらっしゃいませ。いつもコメントありがとうございます♪

呪詛のエスカレート状況と、「凶宴」「従者試験」に出て来る各イベントの並び順については、混乱する方もいらっしゃるかもしれないので、あとがきで若干フォローしようかなと思っています。
イベント並び順の一例 by 作者、みたいな感じで。

ギースについては、たぶん採用時に、「ゼラルド王子を嫌っていて、かつ責任感があり職務を全うする者」みたいなヘンテコ条件で、太陽の塔から無理やり引っこ抜かれたのではないかと思われ。
最初はいやいや勤めていたものが、半年間で、王子の人となりに感化されて? それとも王子を取り巻くシビアな環境に同情して? 最後に呪詛から救われて? ともかくすっかりゼラルドの味方になっちゃったギースは、またいつか別のエピソードにチラリと出て来ることもあると思いますwink

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