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クルミの行方(01)

 街外れの小さな家に、魔法使いの母娘がひっそりと住んでいた。
 母親のほうは、役に立つ魔法をいくつか使えたので、街に住む者がときどき相談に立ち寄っては、食べ物や小金を置いて行った。
 娘のほうは、使える魔法はひとつだけで、街の者には内緒だったが、実は、自分の姿を好きなように変えることができた。髪の色も目の色も、背丈までも変えることができるばかりか、人間以外の生き物にだって、苦もなく化けられるのだった。
 化身というのは特別な魔法なのだと、母は娘に教えた。
「魔法使いと、月の聖者と、太陽の聖者は、たいていのことは同じように出来るものだけれど、化身の術が使えるのは魔法使いだけよ。聖者たちは、自分が異なる姿であるかのように相手に錯覚させることができる。けど、魔法使いは、錯覚なんかじゃなく、本当に姿を変えることができる。この違いはとても大きいわ。誇りに思っていいのよ、マーニャ」

 さて、そのマーニャが一年で一番楽しみにしているのは、領主の館で毎夏おこなわれる、三日間の仮面舞踏会だった。みんな仮面をつけて、誰が誰だかわからなくなるから、マーニャも髪の色を変えてこっそり紛れこみ、遠慮なくごちそうを食べ、気兼ねなく踊ることができる。マーニャの母は、毎年、魔法を使って、その年のテーマにふさわしいドレスを作ってくれた。ドレスはいつもとても素晴らしかったので、舞踏会で賞をもらったことも、一度や二度ではなかった。
 賞品をもらうときに仮面を外して素顔を見せると、みんなはパチパチと拍手しながら、
「あれあれ、またマーニャが一番か。髪を染めているからわからなかったよ」
と言う。マーニャは、それが可笑しくて嬉しくて、夏になると舞踏会の日を指折り数えて待っているのだった。
 もちろん、今年もそうだった。ところが。

 三晩続く舞踏会の一日目、マーニャが領主の屋敷に着いたとき、マーニャの横を、すっと通り過ぎた娘があって、その娘のドレスにマーニャは目を奪われた。今年のお題は空の色。一晩目の今日は、晴れた日の青空の色。そして、目の前の娘が着ているドレスは、まさに、雲ひとつない青空を、そのまま切り取って作ったかのような出来栄えだった。ドレスの下のほうには、白銀の縫いとりで、小鳥の群れが飛んでいた。
 その娘は、踊るのも上手だった。一人で踊る曲も、二人で踊る曲も、晴れやかに軽やかに楽しげに踊った。今夜の一等賞は、あの青い髪の娘に違いない、と皆が噂したが、真夜中頃、ふと気がつくと、娘はいなくなっていた。
 代わりにマーニャが、その晩の一等賞になった。仮面を外してマーニャが名乗ると、
「やっぱり今年もマーニャが一番だね」
と祝福してくれる人は多かったが、どことなく腑に落ちない面持ちだったのは、きっと、こう思っていたからに違いなかった――「じゃあ、あの青い髪の娘は誰だったんだい?」

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

ついに開幕しましたね、「クルミの行方」!
とりあえず、今回は序章的な感じで、これからどうなるのか、続きを楽しみに待っています。

しかし・・・「魔法使い」という用語には、何か懐かしさを感じるものがありますね(「サリーちゃ~ん」・苦笑)。
それはともかく、まだ魔法使いと月の聖者と太陽の聖者の違いがいまいちわかりにくいので、できれば簡単にでもご説明いただけると理解しやすいので、よろしくお願いします。

季節の変わり目で、ただでさえ体調を崩しやすい日々が続きますので、雪村さんも充分、気をつけてくださいね。
私はまだまだ「充電中」です。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村@昼休みです。
いらっしゃいませ。

魔法と、月の力と、太陽の力については、それほど気にしなくとも、「発達した地域によって異なる三種類の魔法があるんだなー」程度の認識でよろしいかと思います。
あえて言うなら、月の力は学問に似ており、太陽の力は超能力に似ており、魔法はいわゆる何でもありの魔法です。

次回も序章の続きですが、よろしくお願いいたします。

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