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クルミの行方(06)

 一方、クルミを失くしたフィリシアはといえば・・・。
 彼女は事件のあった翌日から、「朝食は要らないから」と言って、朝のうちは宿の部屋から出て来なくなっていた。体調が悪いというわけでもないらしく、昼近くになると出て来るので、昼食後は仲間たちと町から町へ移動できる、が、浮かぬ顔をしている。
 何日もその状態が続いたあと、心配したフルートが、ある朝、食事を乗せたトレイを持ってフィリシアの部屋の前まで行き、説得を試みたものの、うまく行かなかった。トレイを持ったまま食堂まで戻って来て、「なぜ出て来ないのだろう」と途方に暮れているフルートから、セレンが「貸して」とトレイを受け取った。あまり気は進まない様子だったが、戻って来たときにはトレイを持っておらず、面白くもなさそうに、「渡して来た。たぶん明日からは大丈夫だと思うよ」と言った。
「なぜ、君はフィリシアに会えて、ぼくは会えない?」
「うん、まあ」
 セレンが適当な返事をするので、フルートはむっとしたが、セレンもゼラルドも何の説明もしてくれそうになかったので、それ以上は何も言わなかった。
 翌日から、フィリシアは朝食をともにするようになった。少し目が赤い、と、フルートは気付いたが、さすがに、それを話題にしないくらいの分別はあった。フィリシアが近くにいないとき、セレンに尋ねて、
「毎日泣いているのか?」
「たぶんね」
「クロゼットひとつが、そこまで大事なのか?」
「さあ、なんとも・・・。そうだったらいいと思うよ」
 セレンは言って、当惑顔のフルートを見て肩をすくめた。

 数日後、雨が降り出した。雨は何日も降り続き、一行は移動せずに宿に滞在した。
 雨足の強くなったある日のこと。宿の1階は暗かったが、フィリシアとセレンは機嫌よく何かをしゃべっていて、フルートは窓際に立ち、その様子を見るともなく眺めていた。
 ゼラルドが2階から下りて来て、フルートのそばに来た。
「フルート、君は外の黒雲に気付いているのだろう」
「ああ。まるで何かを探しているようだ。もう、すぐそこまで来ている」
「あの黒雲が、フィリシアの失せ物を運んで来る」
 フルートはゼラルドのほうを振り向いた。窓の外では、急に雨の勢いが増し、滝のような有り様になった。
「あのときと同じ雨だ」
と、フルートが低くつぶやき、ゼラルドがうなずく。まぶしい稲妻がカッと光ると同時に、
「ゼル、二人を外に出すなよ」
 言い置いて、フルートは豪雨の中に飛び出して行った。

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

いろいろありましたが・・・(苦笑)、まあ、それはそれとして、「クルミの行方」(06)、拝読させていただきました。

今回は前半と後半の緩急のつけ方がお見事でした。

私もフルート同様、女性の細かい機微に疎いものですから、果たしてセレンがいかにしてフィリシアを説得しえたのか、いまいちわからないんですが、しかし、前半で垣間見えたパーティの微妙な人間関係は実に興味深かったですね。

そして後半。
まさに風雲急を告げるが如く、雷雨が激しく降り始める! いよいよドラマはクライマックスへと向かっていくのを予感させて、次回へと続く! いやいや、たまりませんね(笑)。

色々と予想できるんですが、少なくとも「戦闘は起こらない」という作者の予告から、どういうカタチであれ、人外の男(竜王の息子?)とフルートたちとの間でも話し合いで決着がつくのではないかとも思われ、やはりフィリシアが切り札的存在になるのではないかという予感が大いにしますが・・・さて、果たしてどうなるのか、とにかく次回も非常に楽しみにお待ちしております。

なんにせよ、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

どうも失礼いたしました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
いらっしゃいませ。

セレンがフィリシアに何を言ったのかは、あとがきに答を書くつもりでいます(忘れなければ)wink
次回は今日リリースのつもりで一所懸命に書いていますが・・・明日になっちゃうかなあ・・・。

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