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夜を越えて(01)

 ルークが町の酒場で一杯やりながら情報収集を終え、そろそろ宿に引き揚げようかと考えていたとき、店の入り口から、音もなく入って来た人影があった。黒いマントに身を包み、フードを目深にかぶったその客は、気配というものをほとんど感じさせないまま、ひっそりと、隅のテーブルの、隅の席に座った。気付いたのは、それこそルークくらいのものだった。
 うん?とルークは瞬きをした。それから、黒ずくめの客のテーブルまで歩いて行って、その隣に座った。フードの中をちらりと覗き込んで、
「やっぱり君か。どうしたんだい、珍しい」
「ルークか。そういえば――」
 黒髪の若者は静かな声で応じて、
「たしか君は――以前、ぼくが占いで生計を立てられるどうか、疑わしそうにしていたね」
「そうだったか? まあ、そうかもしれないな」
「試してみよう」
 ゼラルドは一組の聖札を取り出して、テーブルの上にするすると手を滑らせた。と見るや、テーブルの上には白い札が整然と並べられていた。一般的な遊興用のカードより小さく、厚みから考えれば高級な紙でできているに違いないのだが、見た目はまるで骨に模様を彫り込んだような質感だ。
 そのまま、ゼラルドは客を引くでもなく、フードをかぶって座ったまま静かに待った。ルークも邪魔をせずに、テーブルに肘をついて見守った。酒を飲みに入れ替わり立ち代わり訪れる客は、たいていゼラルドには注意を払わなかったが、中には「占い師か」と気付いて足を止める者もおり、そうした客は小銭を差し出して、恋人への求婚の是非や、引越しの吉日等の占いを希望した。ゼラルドはその都度、札をさらりと並べ替え、なでるようにして何枚かをめくっては、「うまく行くだろうが、急いだほうが良い」とか、「半月待ったほうが厄介事を避けられる」などと告げた。
 そのうちに、テーブルの近くを通りかかった一人の男が、はっとした様子で足を止め、卓上に並んでいるカードを見つめ、数え始めた。
「1、2、3・・・縦に13枚。1、2、3・・・横にも13枚。あんた、もうしばらくここにいてくれるか。俺はいったん家に帰るが、すぐに戻って来るからよ」
 ゼラルドが無言でうなずくと、男は店を飛び出して行き、言ったとおりすぐに戻って来て、人目をはばかりながら、どさりと皮袋をテーブルに置いた。
「死んだひいばあさんが、よく言ってた。もし、カードを縦に13枚、横に13枚並べている占い師がいたら、そいつには何でも視えるんだって。なあ、俺があんたに何を占ってもらいたいか、あんたに分かるか」
 ゼラルドは札を並べなおして、何枚かをめくり、つぶやくように答えた。
「妻の病気を治す方法・・・か」
「そう、そうなんだ! この袋に、俺の全財産が入ってる。どうかこれで。どうかこれで・・・」

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

「夜を越えて」(01)、拝読いたしました。

まさに滑らかなテーブルの上にカードをすべらせるような出だしですね(よくわからん比喩ですみません。汗)。

占い師にはわりと愛想のようなものも要求されるような気がしますが、ここはゼラルドの雰囲気というか神秘性のようなもので相手を飲みこんだんでしょうね(特に占いに批判的な描写はなかった、という点から類推)。

さて、病気の妻を持つ男の登場で、次回からいよいよ物語も転がり始めるかと思われますが、これからいったいどうなってゆくのか、現時点では見当もつきませんね。

というわけで、続きを大いに楽しみに待つとしましょう。体調に気をつけて、じっくりと頑張ってください。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
いらっしゃいませ。

冒頭1~2ページは前ふりのことが多いので、本題の見当はつかないですよね。
特に感想がなければ、無理にコメントをつけなくても大丈夫ですよ~。

ゼラルドは会話型の占い師ではないので、無愛想でも何とかなるようです。
そう頻繁に「流しの占い師」をやっているとも思えませんがcoldsweats01

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