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髪を編む(01)

 街を案内してくれた娘が、すこし変わった可愛らしい髪型をしていたので、どうやって編んでいるのか教えてもらった。
「そんなこと聞きたがる男の人、初めて会ったわ」
と笑いながら、娘は広場の噴水の前で、うしろを向いて髪を一度ほどき、セレンの目の前で編み直して見せてくれた。
「こうやって、両脇から髪を取ってきて、こんなふうに一度結わえるでしょ。そしたら、ここのおだんごを二つに分けて、ここと、ここをピンで止めて、最後に真ん中をクルッとして、できあがり。わかった?」
「うん。どうもありがとう」
 娘はセレンのほうに向きなおって、興味深そうに、
「自分の髪で編むの?」
「まさか! そんなことしないよ」
「そっか。それじゃ、編んであげたい子がいるんだ」
 娘は笑って、
「でも、ちょっと編んでみたいなあ、あなたの髪」
 セレンの、さらさらした長い月色の髪を、しげしげと眺めて言った。セレンも笑って、
「それなら、三つ編み一本に編んでみる?」
「え、触っていいの?」
「いいよ。はい、お願い」
 セレンがうしろを向くと、娘はそっと彼の髪を手に取って、
「ほんとに、きれいな髪ね」
 ため息をつくように褒めてから、長い三つ編みを編んでくれた。

 翌朝、身支度を整えたあと、セレンは水汲み場で、偶然のような顔をしてフィリシアに会った。フィリシアの、ゆるく波打つ青い髪は、今朝は頭のうしろで、髪留めで留めてあった。
「おはよう、フィリシア」
「おはよう、セレン。どうしたの、機嫌良さそう」
 フィリシアは無邪気に、にこにこ笑う。セレンも笑顔を返して、
「そう? あのね、フィリシア。君の髪、すこし編ませてもらってもいい?」
「何かの練習台? いいわよ。はい、どうぞ」
 フィリシアは後ろを向いて、髪留めを外した。セレンは、昨日教わったとおりに編んだ。大丈夫、上手に編めた。
「できた。どうなっているか、わかる?」

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

「髪を編む」(01)、拝読いたしました。

全2回? という短編とのことですから、最終的な感想などはエピソードが完結してから書いてみたいと思っています。

ただ、これはあくまでも個人的印象なのですが、冒頭、セレンに髪の編み方を教えた娘は、なんとなくあの「跳ぶ」に出てきてセレン(少年)に好意を寄せた少女・エリナの面影を感じさせました。まあ、単にセレンの長髪を三つ編みにした・・・というところに似たような雰囲気があったのかもしれません。

ともあれ、次回、果たしてどうなるのか、楽しみに待ちたいと思います。
どうぞお体に気をつけて、無理せず頑張ってください。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村@今日は出先です。
地味~な短編の前半に、コメントありがとうございます。
冒頭のお嬢さんは、とくに特徴なく書いたつもりなので、いかようにもご想像くださいませ♪

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