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花嫁候補(02)

 バルコニーで、広間からの明りに照らされた横顔を見れば、まちがいでなどあるはずはなかったが、セレンは西の国の言葉で丁重に声をかけた。
『失礼ですが、そちらのご令嬢は、シェリアリア嬢ではありませんか』
 令嬢は、はっと振り向いた。焦点の合わない目を見開き、驚きにかすれた声で、
『・・・セレン様、ですの?』
 セレンはにっこり笑った。
『ああ、やはりあなたでしたね、シェーラ。覚えていてくださったとは、光栄です』
 優雅に一礼する。相手には見えずとも礼は欠きたくない。
 シェーラは、自分も深々と一礼した。
『その節は、大変お世話になりました。わたくしが今こうしてここに立っていられるのも、あのとき助けていただいたおかげです、セレン様』
『このような場でお会いしたからには、改めて自己紹介をしましょうか。私はリーデベルク出身の、セレン・レ・ディアと申します』
『わたくしは、サージャール出身の、シェリアリア・ヴィ・バルサザールです』
『バルサザール? あの名門の?』
 セレンは少し驚いて言った。シェーラは悲しそうな顔をした。
『第三夫人の三女ですから、いてもいなくても同じようなものです。わたくしのような者がバルサザールを名乗って良いのかどうか、いつも迷います』
『直系には違いないのですから、堂々と名乗って良いと思いますよ、シェーラ』
『でも、どうやら、わたくしは父に見放されたようなのです』
『見放された?』
『高名な医師が目を診てくれるというのは、父の嘘でした。父はただ、手のかかるわたくしを、国外まで厄介払いしたかっただけなのです。今のわたくしは、祖国から離れた遠縁の家で、何の役にも立たずに居候をしています・・・』
 シェーラはうなだれたが、すぐ、気を取り直したように顔を上げて、微笑んだ。
『今日は、侍女のライラが気晴らしにと勧めてくれたので、気が進まなかったのですが、こちらのパーティーに出席しました。でも、こうしてセレン様にお会いできたのですから、今は、来て良かったと思います』
 侍女はさきほどから、令嬢の後ろで静かに控えている。最初はセレンを警戒していたが、二人が知己であると理解したようだ。セレンは、ふと思いついて、シェーラに尋ねた。
『もしかして、あなたは踊れるのではありませんか、シェーラ』
『・・・えっ』
『でなければ、勧められたとはいえ、このようなパーティーにいらっしゃらないでしょう?』
『・・・はい。ふふ、何でもお見通しでいらっしゃるのですね。故郷ではよく、兄や弟が相手をしてくれました。でもさっき、知らない方と少しだけ踊ってみたら、転びそうになったので、反省して、こちらのバルコニーに逃げて来たのです』 

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

「花嫁候補」(02)、拝読いたしました。

うーむ、「華麗なる一族」・・・みたいな感じ? ですか。
まあ、一読した瞬間的な印象ですけど。

あるいは「明治・大正ロマン」とでもいうのか、だから「古き良き日本映画」的な品の良さを感じさせるんですよねー。なにしろ、男女ともに超上流階級だから、こういう場では実に絵になるし、しかもどちらも極めつけの美形同士くれば、セリフのひとつひとつにも「華」があります。

まあ、予測としてしては、次回はセレンのエスコートでシェーラ嬢と踊って、お互いの気持ちがさらに近づく・・・というところなんですが、そこから先はまったく予想できませんねえ。
なので、今はこのロマンティックなシーンの連続に酔いしれるだけにしておきましょう。

なるほど、確かに「限度いっぱい」のロマンスかもしれない、などと思いながら、今後、大どんでん返しもあることも覚悟して読み進めていきたいと思います。

とりあえず、現段階ではそんなところですね。

いや、どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます。

「華麗なる一族」って、銀行に関係あるお話でしたっけ? くらいの知識しかない私・・・。
ミステリ・SF・ファンタジー以外、あまり読まないので、いくらか文学的教養が不足しておりますcoldsweats01
ちょっと前にドラマ化もされていたと思うのですが、そちらも未視聴でありますcoldsweats02
相変わらず予想外のご感想で、びっくり新鮮ですflair

いずれにしても、品が良い、華がある、とは、嬉しいお言葉です。
どうもありがとうございます。

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