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花嫁候補(01)

 社交辞令上、フルートが断るわけにはいかないパーティーがあるというので、セレンも付き添いで参加することになった。
 別にセレンのほうには参加義務はないのだが、こういうときに引っ張り出される理由は簡単で、今もほら、二人が会場に通された直後から、群がって来る、人、人、人。お目当てはもちろん、大国リーデベルクの第一王位継承権を持つフルートだ。
 出自からして興味を引くうえに、その人自身、見目よく、凛々しく、何より、鮮やかな存在感がある。どんなパーティーに行っても、それこそ名乗らずに参加しているときさえも、この金髪碧眼の王子のいるところには、いつも老若男女を問わない人の群れができた。フルートのほうも、礼節をわきまえて、そこそこ柔らかに応対するから、取り巻きは増える一方になる。そして、フルートは実のところ――本心では人の波に辟易しているのだった!
 つまり、セレンの役回りは、言葉巧みに、少しずつ人の群れを引き剥がして他所に連れて行く係、といったところだった。とりわけ、フルートの苦手な、あからさまにフルートの気を引こうとしている、恋の話ばかりしたがる若い女性たちを。
 王子が構ってくれないといって拗ねている着飾った乙女たちを、少しばかり誉めそやして引き剥がし、自分の取り巻きに変えてしまうのは、セレンにとってはいつもの「遊び」で、何の苦もなかった。逆に言えば、最初はフルートに群がっていた乙女たちが、自分の取り巻きになったからといって、彼女たちに対するセレンの興味が「遊び」以上に強まることもなかった。

 そういうわけで、今夜もセレンは、華やいだ乙女たちをフルートから引き離し、取りまとめては放流し、重要人物については情報を頭に叩き込み、要領よく人の流れを捌きながら広間全体に目を配っていたが、宴たけなわの頃、広間の壁際を歩いてバルコニーに向かう二人連れの女性に気が付いた。侍女らしき女性と、その肩に手を置いて導かれるように歩いている、綺麗な赤毛の令嬢。あの可憐なお嬢様は、もしや、以前セレンが人さらいから助け出した、目の不自由なシェリアリアではあるまいか?
 ごめん、フルート。と、心の中で一応ひとこと謝ってから、
「ちょっと失礼しますね」
 セレンは取り巻きを全部放り出し、月色の長い髪をなびかせてバルコニーに向かった。フルートのほうは、その様子を目の端にとらえていたが、そもそも3度に1度くらいは、こうやって見捨てられるのが常であったので、観念して、人の応対に専念することにした。

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

ついに始まりました「花嫁候補」(01)、何度も拝読させていただきました。

いやあ、なんというか、これは確かに「ラブロマンス」の始まりを予感させる出だしですねえ(苦笑)。
なにか、どちらかという古き良きと日本映画的な印象もあるのですが、まあ、その辺は読者それぞれでしょうしねえ。

さて、あの赤毛の令嬢は本当にシェーラ嬢なのしょうか。だとすると、あの侍女もやはり実は護衛役を兼ねていて、なんらかの隠し武器(暗器)使いなのかなあ・・・?

しかし、なんといっても、タイトルの「花嫁候補」というものが非常に意味深です。果たしてどういうことなのか、これからのストーリーの展開を、括目して追いかけたいと思います。

というわけで、またまた続きを楽しみに、これからのこのエピソードを大いに期待しております。
どうぞ無理なく頑張ってくださいね。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪

古き良き日本映画、かあ。芝臣さんの連想は、予想外のことが多くて、いつも驚かされます。
それだけ、読者の方によって様々なイメージがあるということですね。
そして芝臣さんの場合は、時代物とアニメに関連した連想が働く、というwink

お約束を守るあたりが、「古き良き」につながるのかな?と思います。
いつも苦笑いされている気がしますが、これも作風と思って大目に見てください(苦笑)

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