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(満月の夜に咲く花)(01)

 いにしえの黄金時代、大陸を統べて栄えた王国レティカは、東方ローレイン地方の反乱によって滅びた。ここまでは、歴史の先生が教えてくれたこと。
 先生が教えてくれなかったことは次のとおり。レティカ最後の王は、自らが討たれる前に、一人娘を、宮廷で最も力の強い魔法使いに託していた。そして、魔法使いは王女を妖精の王に預け、すべての魔力を振り絞って強力な魔法をかけた。すなわち、13本ある黄金の宝剣を世界に散らばせ、それらの剣が再び一堂に会するときまで、姫君が人の身に戻らないように、と。
 だから、レティカ最後の王女ミルガレーテは、数百年を経て、今もなお当時のままの姿で生き続けており、宝剣の持ち主のもとにだけ姿を現すことができ、そのミルガレーテと、この自分、クルシュタイン国の王女フィリシアは、不思議な縁によって友達になったのだ。――などと。
 話したところで、誰が信じてくれるかしら?と、少女は、青い髪を指でくるくるいじりながら思った。だって、ミルガレーテが他の人間の前に姿を現せない以上、フィリシアの話には何の証拠もない。他の誰にも抜けないらしい宝剣をフィリシアは抜くことができる、ただそれだけの話だ。
 幼い頃、妖精を見た話をしたときも、信じてくれたのは、ほんの一握りの人たちだった。お父さまと、お母さまと、ばあやと、宮仕えの魔法使いたち。それだけ。だから今回は、誰にも言わずにおこう・・・ううん、お母さまだけにはお話しておこう。お母さまは、自分も子供の頃に妖精を見たことがあるのだと、前に教えてくれた。きっと信じてくれる。「妖精のお姫様」と友達になったのだと、それだけ話そう、二人きりのときに。
「まあフィリシア、それは素敵なお話ね」
と、王妃マデリーンは優しく微笑んだ。信じてくれたのかしら、よくわからない。
「でもフィリシア、あなたは人間なのだから、人間のお友達や、あなたの小さな弟のことも、大切にしてあげてね」
 そうか、お母さまを心配させてしまった。人間のお友達・・・ミルガレーテはもともと人間のお姫様だ。けれど、その話をすると、きっと面倒なことになるから、話さないほうがいいだろう。伝説の王国レティカの最後の王女が生きていることは、大事な秘密だ。
「はい、お母さま」
と、フィリシアはおとなしく返事をしておいた。あまりに殊勝に返事をしすぎて、王妃からいたずらっぽく睨まれてしまったくらいだった。それでも、フィリシアはフィリシアなりに、最近いつもミルガレーテとばかり遊んでいたことを、ちょっぴり反省した。だから、自分と同じ色の青い瞳を、素直に見つめ返して、うなずいて笑ったのだった。
 旅の賢者が城に立ち寄ったのは、そんな折だった。頭髪も顎鬚も真っ白な賢者は、珍しいものを土産として持参していた。それは二粒の、花の種だった。
「心身清らな乙女が新月の晩から育てれば、早くも次の満月の晩に、その一晩だけ花が咲きまする。この老いぼれが持っていても宝の持ち腐れ。王女殿下に献上いたしましょう」

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次回は日曜日になりそう…。

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

「満月の夜に咲く花」、さっそく拝読いたしました。

・・・が、今回、あれほど待ちわびていたにも関わらず、体調が大幅に崩れ、クスリ漬けの中での読了となってしまい、非常に残念です。

ですが、それだけに今回のお話は病中における一服の清涼剤ともなり、何度も読み返してしまいました。

次回は日曜日かも・・・とのことですので、それまでに体調を戻して、次回までにマトモな感想が書けたら・・・いいなあ(切実)。

最後にひとつだけ、王妃マデリーン、つまりフィリシア・ママですけど、実にいいキャラというか良妻賢母という言葉が似合う女性ですね。思わず「はじまりの物語」を読み返して、結婚前の姿を改めて確かめてしまいました。

とりあえず、今はこれが精一杯ですんで、どうぞご勘弁ください。

いや、どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪

フィリシアは、見た目も性格も、母親似だと思います。
父親は、真面目で静かで優しい王様。
弟くんは、素直で姉思いの優等生です。

コメントは、何の義務でも試練でもありませんから、書きたいときに、書きたいぶんだけでいいんですよ。
あたたかくして、どうぞお大事になさってくださいね。

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