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夢の牢(02)

 一方、ゼラルドは、フィリシアの宿泊部屋で、寝台の上に彼女を下ろしていた。
「手をわずらわせて、ごめんなさい・・・」
「別にいい。ゆっくり休みたまえ」
 フィリシアは、かけてもらった毛布を引き上げながら、微笑んだ。
「私、ずっとあなたに助けられてばかりね」
「ずっと?」
「初めて会ったときから」
「ああ・・・」
 ゼラルドは思い出して苦笑した。泣いている女性は苦手だが、対処は合っていたようだ。
 しかし、フィリシアが続けて口にした言葉は、さらにゼラルドの予想外のものだった。
「なんだか、お兄さまができたような気持ちがするわ・・・」
 その言葉はゼラルドに、いやおうなしに故国の妹のことを思い出させた。心の準備がなかったので、息の止まるような心地がして、彼は、とっさに返事ができなかった。
 フィリシアは、彼が機嫌を損ねたと勘違いしたようだった。
「ごめんなさい。本当の妹さんと離れ離れになっているのに、私ったら」
「・・・いや」
と、ゼラルドは、ようやく言った。ためらいながら、正直に告げた。
「光栄だ。ぼくも・・・君のような妹がいたら良かったのに、と思う」
 フィリシアは、にこっと笑った。
「少し休みます。おやすみなさい、お兄さま」
「おやすみ、フィリシア」
 飲んだ薬が効いてきたのか、フィリシアは、すぐに気持ちよさそうに眠ってしまった。少し無防備に過ぎる、と思わないでもなかったが、信頼されている証でもあった。ゼラルドは、そっと部屋から退出した。
 階段を下りてから、1階の異変に気付いた。一見、特に変わったところはないのだが、フルートとセレンがテーブルから離れて、それぞれ違う方向を向いて立ち尽くしている。テーブルの上を見る限り、食事の途中で席を立ったようだ。
 ゼラルドは、まずフルートに近づいた。フルートは目を閉じて、立ったまま眠っていた。何か不本意な夢を見ているらしく、形の良い眉をしかめ、剣に手をかけている。呼んでも反応せず、揺すろうとしても動かない。魔法にかかっているのだ。
 ゼラルドは、次にセレンに近づいた。こちらも目を閉じて眠っているが、穏やかな表情をしている。呼ぶと、うるさそうにしたが、揺すろうとすると、動かない。
 二人をこのような状態にしたのは何者なのか、ゼラルドは注意深く部屋を見渡した。気のせいか、うっすらと白い靄がかかっているように見える。いや、だんだん濃くなっている。背後に気配を感じて、さっと振り向いたゼラルドは、しかし、そこに見たもののせいで、一瞬、気がそれた。そして、彼もまた、そのまま夢の中へと落ちて行った。

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コメント

どうもおはようございます、雪村さん。芝臣です。

「夢の牢」(02)、興味深く拝読させていただきました。

実は感想その他については、昨日のうちにいったん書いたのですが、送信時に接続不全が発生し、とにかく元に戻そうとアレコレやっていたら、全文消去の憂き目に遭ってしまい、あまりの精神的ダメージに、もはやその日は再度、書き込みをする気力が湧きまくrせんでした。まったくどうもすみません。

まあ、それはともかく。

今回の大部分で描かれたゼラルドとフィリシアの交流ですが、両者の初対面についてはいずれ書かれるだろうと思いますが、これまでの流れから見て、二人が疑似兄妹的関係となったことは、私個人はさほど意外ではありませんでした。
まあ、多くは「空色のドレス」に拠るのですが、あのエピソードだけでもそうと思わせる雰囲気はかなりあったと思います(クルミを失くした時のフィリシアにかけたゼラルドの言葉・・・「ぼくは君に嘘はつかない」など)。

しかし、実際の妹のユリアとフィリシアでは行って帰ってくるほど違っていますからねえ。そんなフィリシアに「お兄様」と呼ばれたゼラルドの心境を考えると・・・不謹慎ながら、なかなかに面白くもあります。

その流れで気が緩んでいたのかどうか、パーティで最も妖しの物や幻術の類いに詳しいはずのゼラルドですら、あっけなく白い霧の「夢」の中に落ちてしまったことで、ますますこれからどうなるのか、わからなくなってしまいました。

彼らを瞬間的に「気をそらした」幻とは、果たしてなんなのか、非常に興味深いですし、いろいろと想像もできますが・・・とにかく次回を待って、その答えが得られるのかどうか確かめたいと思います。

うーん、あとは病身のフィリシアだけか。ここからどう挽回するんでしょうか。そもそも「白い霧」の正体とはなんなのか? 謎は深まるばかりです。

今回のお話に関してはこんなところです。

次回も大いに期待しています。どうぞ無理せず頑張ってください。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪

おお、気象学的に正しく「霧」と書いてくださっている! やっぱり「霧」にすべきなのかなあ。
個人的に、「霧」だと「屋外」と「水」のイメージが強すぎて(通り抜けると濡れる感じ)、つい「靄」と。
そういう意味では、「魔法のもやもや」が一番正しい表現だったり…coldsweats01
ひとまず「靄」で通しますが、いつか「霧」に書き換えることが、あるかもしれないし、ないかもしれません。

「空色のドレス」では、ゼラルドがフィリシアの上に「妹」のイメージを重ねていることに、双方とも気付いていますから、あのお話があっての、このお話です。
実際には、二人の年齢は半年くらいしか違わないのですけれども。

このあとの展開は、ご都合主義的にパタパタと進んで行く予定です~sweat02

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