2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

ひとこと通信欄

  • (2017/8/13朝)創作活動が進みません~。少しばかり夏休みをいただきます~。

ランキング参加中!

  • 記事がお気に召したらクリックしていただけると、作者の励みになります。(1日1回まで)

    (投票せずに順位を確認したい方はこちらから。)

読者アンケート実施中♪

  • 所要時間は5分くらい?
    個人情報の入力はありません。
    よろしくお願いいたします。
    こちらから。

SF「夜景都市」(未完)

最近のトラックバック

プロフィール

  • 城

    雪村月路
    snow.moon.rainbow☆gmail.com
    (☆を@に変えてください)
    Twitter: @ariadne_maze
    ブログ更新量について
    愛読書100冊

    うちの子同盟 うちの子同盟

無料ブログはココログ

« 夢の牢(02) | トップページ | 夢の牢(04) »

夢の牢(03)

 フィリシアは、うとうとと、何時間もまどろんで過ごした。
 夢うつつで、傍らに自分の宝剣を見つけたので――ゼラルドがお守り代わりに置いて行ってくれたらしい――、少しだけ鞘から抜いておいた。これで、<光り姫>ミルガレーテが自由に行き来できるようになるし、宝剣は持ち主が望まない限り、持ち主を傷つけることはない。
 さまざまな夢を見た。中には、正体不明の白い靄が、ドアの隙間から部屋に入って来て寝台に上がり、宝剣の刃に気づき退散していく、どことなく気味のわるい夢もあった。
 やっとまどろみから抜け出せたのは、夕方だった。熱は下がっているようで、頭もすっきりしていた――とはいうものの、また熱が上がるかもしれないし、今のうちに何か食べたほうがいいかもしれない。
 寝台の傍らには、ミルガレーテが座っていた。
「目が覚めた? 具合が悪いの?」
 心配そうにフィリシアを覗き込む。光り輝く金の髪が揺れ、神秘的な瞳が虹色に光った。
 フィリシアは微笑んだ。
「来てくれていたのね。ちょっぴり熱が出たの・・・たいしたことないわ。少し疲れていたのかもね」
 言いながら起き上がり、床に下り立ってみると、まだ少しふらふらする。
「レッティ、下まで一緒に行ってもらってもいい? よその誰かに会いそうになったら、消えていいから」
「そうね、知らないひとに会いませんように」
 ミルガレーテを連れて、フィリシアは部屋の戸を開けた。そして、驚いて小さく叫んだ。
「なあに、これ!」
 建物の中に立ち込める白い靄。これでは数歩先も見えない。かろうじて、二人の周りだけ靄が退くのは、きっと、<光り姫>ミルガレーテのおかげだろう。
 何が起こっているのか、二人は、ともかく1階に下りてみることにした。手をつなぎ、一歩ずつ慎重に階段を下りて、靄をかき分けるように歩いて行くと、まずフルートを発見した。彼は不快そうに眉をしかめ、目を閉じていた。
「フルート?」
と、フィリシアがおそるおそる呼ぶと、フルートは目を開けて、フィリシアを見た。すぐにその表情が和らいで、警戒態勢が解けて行く。白い靄が、少しだけ後退する。
「眠っていたのか、ぼくは。君の夢を見ていたよ、フィリシア」
「夢を・・・って、立ったままで? それに、なんだか怖い顔をしていたわ。私、あなたの夢の中で、何か仕出かした?」
 真面目な顔で問うフィリシアに、笑って答えて、
「いや。正確には、君の偽物の夢だ。君らしくないことばかり言っていた。もう旅は嫌だとか、国には帰りたくないとか、二人で逃げようとか。もうじき斬るところだった」

人気ブログランキングへ

全4回→全5回?

« 夢の牢(02) | トップページ | 夢の牢(04) »

コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

「夢の牢」(03)、またまた興味深く拝読させていただきました。

おお、「秘密兵器」(違うって)、レティカの宝剣!
そうか、それがありましたか。すっかり失念しておりました(汗)。

前回、「あとは病身のフィリシアだけ」みたいなことを書いてしまいましたが、そういえば「レッティ」こと〈光り姫〉ミルガレーテがまだいたんですよねー。普段、あまり出てこないから完全にど忘れしておりました・・・なんて書くと、セレンがマジギレしてぶん殴りにくるかも(苦笑)。

しかし、〈光り姫〉やレティカの宝剣の前では効力を発揮しないどころか、退散してしまうとは・・・この白い霧(一応、こう書きます)、どうもなんとなく闇姫に近い「何か」なのかとも思えますが、うーん、まだ正体はわかりませんね。

ただ、フルートの様子から、立ったままとはいえ、単にただ眠っていたとも思え、いったいどういうことなのか、これまたよくわからなくなってしまいました。

それと、フルートが語った「偽フィリシアの夢」ですが、あくまでも想像ですが、他にも何か見た可能性は大いにあります。ただ、それを語らないのは、フルート本人のプライドと、本物のフィリシアの名誉を慮ってのことではないかとも思えます。
だいだい「もう少しで斬るところだった」・・・って、「殴る」とか「引っぱたく」とかならまだしも、「斬る」ですからねえ、夢の中の「偽フィリシア」は相当、フルートを怒らせる「何か」をしたのではないか・・・という推測が成り立ちます。

ともあれ、次回は全員、目を醒まして、事態に始末をつけることになるんでしょうが、あるいは一波乱あるかもしれませんねー。特にセレンとミルガレーテとか(苦笑)。

なんにせよ、今回はこんな感じで、面白く読ませていただきました。
どうもお疲れ様です。次回も期待しておりますので、どうか無理せず頑張ってください。

それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪

そう、困ったときには、ミルガレーテと宝剣です!
もっとも、ミルガレーテの出現には制約があるので、他のお話との前後関係などで、少し気をつかうのですが。

フルートについては、「二人で逃げよう」と言われて「斬るところ」だったんだ!? と私も思いましたcoldsweats01
まあでも、この調子なら、フルートは放っておいても自力で目が覚めたのでしょうね。
他のひとたちは、さーて、どうでしょう~。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568827/56766058

この記事へのトラックバック一覧です: 夢の牢(03):

« 夢の牢(02) | トップページ | 夢の牢(04) »