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(満月の夜に咲く花)(02)

 小箱に収められた二粒の黒い種は、種自体が花のような形をしていた。フィリシアはわくわくした。
「次の新月の晩に、鉢に植えればよろしいのね、賢者様?」
「さようでございます。小さな鉢で結構です。次の新月にはまだ間がありますが、植えてくださいますなら、その花が咲く頃、また立ち寄らせていただきましょう。滅多に見られない花でありますゆえ」
 賢者が去ったあと、フィリシアは一粒を母に渡そうとしたが、王妃は笑って首を振り、
「お友達にあげていいですよ」
と言ってくれた。ああ、それなら、ミルガレーテにあげよう。
 新月までの十日間、フィリシアは毎日小箱を開けて、種がちゃんとそこに収まっているのを確かめては満足した。いよいよ新月の晩が来ると、二つの小さな鉢をもらって、土を入れて、種を植えて、水をやった。鉢が二つ並んでいることに気づいた王妃が不思議そうな顔をしたので、
「明日会うお友達にあげるの」
と説明した。ミルガレーテは、新月を過ぎてから満月までの間しか現れることができない。
 翌日、フィリシアは二つの鉢を持って、昼から自分の部屋にこもった。宝剣を少し抜いてミルガレーテの名を呼ぶと、時の砂が流れ落ちるような不思議な感覚とともに、レティカ最後の姫君が現れる。光り輝く金の髪、抜けるように白い肌、虹色に煌めく瞳。
 フィリシアが種と花の説明をして片方の鉢を渡すと、ミルガレーテはにっこり微笑んだ。
「きっと、<妖精のウェディングドレス>だわ。見るのは久しぶりよ。ありがとう」
「妖精さんが、お花を着るの?」
「いいえ。ただ、花が咲くと、そんな形に見えるの。白くて綺麗なお花なのよ」
「あっ、レッティの鉢、もう芽が出ているわ!」
「あなたのもね、フィル」
「本当だわ、いつのまに!」
 二人はお互いの鉢を見比べあって、嬉しくて笑った。
「ねえレッティ、私たち、心身清らな乙女よね?」
「芽が出たのですもの。きっとそうよね?」
 二人の姫君は、きれいな花が咲きますようにと一緒に祈った。それから、満月の日まではお互いに見せ合わず、それぞれの鉢を育てることにしたのだった。
 フィリシアの鉢は、毎日すくすくと成長した。みずみずしい葉が、こんもりと茂って、満月の日が近づくと、真ん中に白い大きなつぼみが付いた。きっとこのつぼみが、ふんわり開いて、ドレスのような形になるのだろう。
 しかし満月の日、穏やかな昼下がり。フィリシアの部屋で互いの鉢を持ち寄った二人の姫君は、少なからず困惑することになった。つぼみの数も、葉の形も、なんだか違う。二粒の種は同じように見えたけれど、もしかして違う種類の種だったのかしら・・・。

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

「満月の夜に咲く花」(02)、拝読いたしました。

・・・あー、しかし、相変わらず体調は行ったり来たりで、とにかくクスリで諸症状を抑えている、といった状態です。

そんなわけなので、しばらくはご挨拶程度のことぐらいしか書けそうにありません。どうかお許しください。

それで、質問なんですが、このお話の中のフィリシアは何歳ぐらいなんでしょうか。まあ、想像するに、現代日本でいうと中学入学以前、小学校高学年ぐらいかな、と思って読んでいるんですが、どんなもんでしょう? むろん、無理にお答えしていただかなくてもかまいません。ちょっと疑問に思っただけのことですから。

それにしても、これは男性作家には書きづらいお話ですねえ(苦笑)。また、男性読者たる私など、思わず体がむず痒くなってしまいそうな錯覚にも捉われます(爆)。
でも、こ-ゆーお話も嫌いではないので、なんだかんだ言いながら楽しんで読ませていただいております。

ともあれ、次回(結末?)も期待しております。雪村さんはどうぞ体調に気をつけて、無理なく頑張ってください。

どうも失礼いたしました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。

ほんとに、本当に、無理してコメント書かなくていいですからね。
そもそも、パソコンの画面だって、無理に見なくていいんですからね。
何ひとつ義務ではありません!
お大事になさってください。

フィリシアは12才のイメージで書いていたので、大当たりです。
当てていただいて、私も嬉しいです。ありがとうございますconfident

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