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ひとこと通信欄

  • (2017/12/11朝)また休日出勤などあったので、本編進んでおりません…。ふえーん…。

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2013年3月

作者より:状況報告

あっ!というまに1週間過ぎました。バタバタと年度末を迎えています。
何か短いお話を、と考えていたら、ふたつほど芽が出ましたbud

ひとつは、フィリシアとフルート(というよりフィアとルーク)の本編、日常のひとコマ。
もうひとつは、セレンとルークの番外編で、BLにならないように要注意sweat02

どちらが先に形になるかは、まだわかりませんが。
次回更新時には、どちらかの予告記事が書けるといいなあと思いますloveletter

いつも応援ありがとうございますnote
以上、状況報告でした!

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作者より:「暗殺者」

バランス調整して、3回に分けたほうが良かったのかなあ、とか。
いや逆に、もっと削って、語らずに残すべきだったかなあ、とか。
書き終わってもあれこれ迷うあたり、やっぱりまだまだ修行が足りませんthink

次回は、なんかこう、すっきり、さっぱり、終わる話が書きたいなあと思いつつ。
あるいは、ほんわか、ふんわり、終わる話も書きたいなあと思いつつ。
この春は忙しくて、しばらくお話を編む余裕がないかもしれません…wobbly

ひとまず、一週間ごとくらいに、状況報告いたしますね。
そして、お話を編む隙を見つけたら、編みます。
内容未定です。何か短いお話になるだろうな、と思います。

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暗殺者(02)

 セレンは淡々と続けた。
「ぼくのほうは、フルートがなぜそんな手加減をしたのか、よくわからなかった。彼だって、そう実戦に慣れているはずはなかったから、手加減するほうが難しかっただろう。
 そう思いながら、ぼんやりフルートを見ていたら、フルートは慌てて、『違うんだ』と言った。何が違うのだろうと思ったとき、わかってしまった。フルートはたぶん、ぼくが人を殺したくないだろうと思って、ぼくに嫌な思いをさせないために、敢えて敵を逃がしたのだと。それなのに、当のぼくは、自分に襲いかかって来た敵を皆殺しにしてしまったわけだ。きわめて一方的にね。
 ぼくは急に気分が悪くなって、その場に膝をついて吐いた。フルートはとんできて介抱してくれて、ものすごく真剣な声で、ありがとうと言った。ぼくが落ち着くまで、ずっとそう繰り返していた」
「・・・」
 また長い沈黙が落ちた。今度の沈黙を破ったのも、セレンのほうだった。
「さっき君が始末した刺客は、君が先手を取らなければ、君を殺していた。それくらいはわかる。もし、再び刺客が現れることがあっても、ぼくに気を遣う必要はないからね」

 フルートとフィリシアと合流し、宿に到着した後、ゼラルドは馬小屋で、たまたまフルートと二人だけになった。なにげなく、尋ねてみた。
「フルート。君は、セレンの剣の主なのか?」
 金髪の若者は、不思議そうな顔で振り向いた。
「なぜ、そのような話に?」
「違うならいい。ぼくの勘違いだ」
「いや、合っている。だが、どういう状況で、その話になった?」
「・・・刺客に襲われた」
 ゼラルドは言葉に迷いながら言った。その後のやり取りを、何と説明したものか。
 フルートを取り巻く空気が、すうっと冷たくなって、ゼラルドはぞわりと総毛だった。
「セレンに殺させたのか」
「違う。ぼくの刺客に、ぼくが対処した。そのあとで聞いた」
「ふうん」
 ゆっくり瞬きひとつして、フルートの温度は元に戻り、ゼラルドはほっとしながら、
「思い違いでなければ、内陸では、国王に対する忠誠が絶対だったはずだが・・・」
「正しい。セレンひとりが例外だ。時期が良かった。セレンには言うなよ」
 フルートは、屈託なく、にこっと笑う。
「その頃、一緒に勉強する友達が欲しいと言ってみたら、予期したとおりセレンの名が挙がった。儀式でセレンがぼくに剣を差し出したとき、父や母や博士たちは、誰かがディア家に打診して、向こうも了承したと受け止めたんだ」
「そうか」
 納得して場を離れようとしたゼラルドを、フルートの声が追いかけて来た。
「ゼラルド、君はいいのか」
 意味を測りかね、足を止めて振り返ると、フルートは、澄んだ青い瞳で、まっすぐにこちらを見つめていた。
「君は、この先もぼくたちに同行することを選んでくれた。だが、追われているのなら、この方角は危険な道だ。君は何か隠している。何なのかは聞かないが・・・自棄になるなよ」
「・・・心に留めておこう」
とだけ、ゼラルドは答えた。それでも時は無慈悲に過ぎてゆくと、知っていたけれども。

(完)

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暗殺者(01)

 さびれた裏街道で、突然、背後に強い殺気を感じた。
 馬上で振り向きざま、黒髪の若者は短剣を投げつける。
 何か唱えかけていた刺客の胸に、短剣は深々と突き刺さった。道端に、どうと倒れる男。
 若者は馬を返し、下りて確認した。
 黒衣の男の息は、既になかった。
 若者は祈りの言葉を唱え、手をすっと動かして死体を消し去り、短剣を拾い上げた。
 ほんのわずかな間の出来事だった。

 この間、旅の連れは傍らに馬を止め、ずっと無言だった。
 黒髪の若者は、いくらか気まずく感じて、つい、言わずともよいことを口にした。
「セレン・・・人を殺めたことは?」
「あるよ」
 長い金髪の若者は、さらりと答えた。そして、気分を害したように続けた。
「何をいまさら。ぼくが動揺したようにでも見えた?」
「いや・・・すまない」
 ゼラルドは戸惑いながら、つい、要らぬ謝罪まで口にしてしまった。
 そのせいで、セレンのほうも戸惑ったようだった。
 二人はまた馬を並べて進み始めたが、奇妙な沈黙が落ちた。

 どういう心境か、沈黙を破ったのは、セレンの、こんな言葉だった。
「もう何年も前のことだけれど」
 ゼラルドは特に相槌を打たなかったが、セレンはかまわずに続けた。
「フルートと二人、城下町のはずれで、夕暮れ時、ならず者たちに囲まれてしまったことがあった。相手は、そこそこ腕の立つごろつき、といったところだったけれど、人数は多かったから、ぼくは手加減する気はなかった」
 ゼラルドは黙って耳を傾けた。
「もともと、ぼくたちは剣術の教師から、敵には容赦するなと教わっていた。ぼくたちに何かあったら国が乱れる、というだけではなく、また、単に油断は禁物だからというだけでもなく、中途半端に傷つけて逃がしたら、かえって禍根・怨恨を残すから、と。
 実戦は初めてだったけれど、敵の動きはきれいに見切れて、体は教わったとおりに動いた。自分が手を抜いたせいで剣の主を傷つけられることのないように、と思った。戦いはごく短時間で終わった。ぼくは自分が相手をした敵を、みな斬り殺していた。人を殺したのはそれが初めてだった。でも、振り返ると、フルートのほうは、首領らしき男を縛りあげていて、その他に人影はなかった。つまり、脅すだけで逃がしてやったわけだ。フルートは何気なくこちらを見て、惨状を知ると、呆然とした顔をした」
 ゼラルドは息をつめた。

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予告:「暗殺者」

この春は、公私ともに、若干バタバタしております・・・。
どうやら、まとまった量のお話を構築できる状態ではなく。
あきらめて目標を変え、ひとまず、短いお話をまとめることに。

ゼラルドと、セレンと、フルートのお話です。全2回。
人の命を奪う話なので、ためらわれるのですが、いずれは出そうと思っていました。
そういう時期が来たのだと、腹を決めました。

物語中盤に位置するお話だと思います。
よろしくお願いいたします。

・・・今日のこれ、300個目の記事です。
読者の皆様のおかげで、細々と連載を続けられています。
皆様に、心からの感謝を捧げます。

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作者より:状況報告

いつも応援ありがとうございます。
状況報告です。

最近、ネット上の交流がきっかけとなって、少し調べものをしています。
仕事のほうも年度末でやや立て込んでおり、頭の中がいつもより忙しい状態に…sweat02
申し訳ありませんが、次回作、もうしばらくお待ちくださいませ。

次回作の候補としては、今のところ、
「赤い小鳥の姫君」よりも前に入る、フルートの戦闘メインのお話になるかも?
(セレンが宝剣の前に使っていた剣は、この話で折れます。)
または、フルートの番外編、と言いつつ、中身はセレンの恋愛観がああなっちゃった経緯、になるかも?
前者は若干「夜を越えて」に雰囲気が似ているので、もう少し間を空けたい気持ちもあり…。
後者は、朴念仁のフルートの目を通している時点で、果たしてお話として成立するのか不安がありますので…。
全然違う、何か別のお話になる可能性も、結構あります。

ひとまず、現在そのような状況です。次のご報告は、また一週間後に。
お待たせして申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

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作者より:(満月の夜に咲く花)

フィリシアの弟くんを出すチャンスだったのに、出しそこないましたsweat02 
また機会があれば、いずれ。

次回は、誰のお話にしようかなあ。
最近、そこそこバランスよく、各人のエピソードを並べて来た気がするのですが。
んー・・・、フルートの話? かな?

とりあえず、また1週間ほどいただきたいと思います。
予告または状況報告の記事でお会いしましょう。
しばしお待ちくださいませ。

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(満月の夜に咲く花)(03)

 フィリシアの鉢のつぼみは、真ん中に3輪が寄り添って、重たげに頭を垂れている。
 ミルガレーテの鉢のつぼみは、葉の間から外に向かって突き出す形で、もっと数が多い。
「レッティの知っている<妖精のウェディングドレス>は、どちらのこと?」
「私の持っている鉢のほう。でも、賢者様が思っている花はどちらかわからないわ」
「そうね。どちらも今夜咲きそうだし、賢者様がいらしたら聞いてみるわね」
 日没を迎える頃、フィリシアは二つの鉢を広間に移した。本当はミルガレーテと一緒に見たかったのだけれど、ミルガレーテは「気にしないで」と笑ってくれた。賢者は少し遅れるそうで、国王一家は先に開花を見ることになった。
 中空に満月が昇る頃、二つの鉢は同時に開花を始めた。どちらの花も、雪のように白く清楚な姿だった。フィリシアの花は、ふっくらした釣鐘のような形で、慎ましく下を向いており、これはこれでドレスのようだわ、とフィリシアは思った。一方、ミルガレーテの鉢は、花びらがふわふわと重なった花がたくさん開いて、なるほど、こちらは鉢全体が、広がったドレスのように見えるのだった。
「どちらも綺麗だ」
と、父王が穏やかに褒めて、珍しいものだからと、使用人たちも呼び寄せた。使用人たちは数人ずつ交代で訪れて、良いものを見たと、笑顔で戻って行った。
「遅れて申し訳ありませぬ。花は咲いたようですな」
と、賢者もやって来た。廊下で使用人たちとすれ違ったのだろう、にこにこしていた。
「はい、咲きました、賢者様!」
 フィリシアは立ち上がり、手近にあったミルガレーテの鉢を持って、よく見えるようにと差し出した。しかし、その花をひとめ見て、賢者の顔から笑みが消えた。
「・・・なんと!」
と、賢者は低く呻いた。花から目を上げ、厳しい眼光で王女の瞳を射ぬき、低く叫んだ。
「姫君は、人に非ざるか!」
 しばし、沈黙が落ちた。フィリシアは動けなかった。それから、国王が静かに示した。
「賢者殿。娘が育てたのは、こちらの鉢です」
 賢者はそれを見た。ゆっくりと緊張がほどけていく。
「これはこれは・・・誠に素晴らしい・・・。大変な失礼を申し上げました、王女殿下。平に、平に、お許しいただきたく」
「かまいません。では、ふたつの鉢は、同じ種類の花なのですね」
 フィリシアはかすれた声で言って、ミルガレーテの鉢を、しっかり抱え直した。
「こちらは友人が育てた花です。これも、心身清らな乙女の花でありましょう?」
「おっしゃるとおりでございます。が、これほどの清らかさは、人の身にはあり得ません」
 賢者は即答したあと、迷いながら、付け加えた。
「お気を付け召されよ。これほど白き光と交われば、やがて闇とも相まみえましょうゆえ」
 しかし、そのときのフィリシアには、賢者の言葉は、単に気分の悪いものとしか聞こえなかったのだった。

「――おかあさま、泣いていらっしゃるの? かなしいの?」
 幼な子に尋ねられて、彼女は我に返った。ああ、また泣いてしまった。満月の晩に。
「そうね。大切なおともだちに、もう会えないのが、かなしいの」
「わたし、おかあさまのおともだちになってあげる」
「そうね。ありがとう。もう大丈夫よ。休みましょうね」
 妃の去った窓辺には、少しだけ鞘から抜いた黄金の剣が、月光を受け、さやかに光っていた。

(完)

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(満月の夜に咲く花)(02)

 小箱に収められた二粒の黒い種は、種自体が花のような形をしていた。フィリシアはわくわくした。
「次の新月の晩に、鉢に植えればよろしいのね、賢者様?」
「さようでございます。小さな鉢で結構です。次の新月にはまだ間がありますが、植えてくださいますなら、その花が咲く頃、また立ち寄らせていただきましょう。滅多に見られない花でありますゆえ」
 賢者が去ったあと、フィリシアは一粒を母に渡そうとしたが、王妃は笑って首を振り、
「お友達にあげていいですよ」
と言ってくれた。ああ、それなら、ミルガレーテにあげよう。
 新月までの十日間、フィリシアは毎日小箱を開けて、種がちゃんとそこに収まっているのを確かめては満足した。いよいよ新月の晩が来ると、二つの小さな鉢をもらって、土を入れて、種を植えて、水をやった。鉢が二つ並んでいることに気づいた王妃が不思議そうな顔をしたので、
「明日会うお友達にあげるの」
と説明した。ミルガレーテは、新月を過ぎてから満月までの間しか現れることができない。
 翌日、フィリシアは二つの鉢を持って、昼から自分の部屋にこもった。宝剣を少し抜いてミルガレーテの名を呼ぶと、時の砂が流れ落ちるような不思議な感覚とともに、レティカ最後の姫君が現れる。光り輝く金の髪、抜けるように白い肌、虹色に煌めく瞳。
 フィリシアが種と花の説明をして片方の鉢を渡すと、ミルガレーテはにっこり微笑んだ。
「きっと、<妖精のウェディングドレス>だわ。見るのは久しぶりよ。ありがとう」
「妖精さんが、お花を着るの?」
「いいえ。ただ、花が咲くと、そんな形に見えるの。白くて綺麗なお花なのよ」
「あっ、レッティの鉢、もう芽が出ているわ!」
「あなたのもね、フィル」
「本当だわ、いつのまに!」
 二人はお互いの鉢を見比べあって、嬉しくて笑った。
「ねえレッティ、私たち、心身清らな乙女よね?」
「芽が出たのですもの。きっとそうよね?」
 二人の姫君は、きれいな花が咲きますようにと一緒に祈った。それから、満月の日まではお互いに見せ合わず、それぞれの鉢を育てることにしたのだった。
 フィリシアの鉢は、毎日すくすくと成長した。みずみずしい葉が、こんもりと茂って、満月の日が近づくと、真ん中に白い大きなつぼみが付いた。きっとこのつぼみが、ふんわり開いて、ドレスのような形になるのだろう。
 しかし満月の日、穏やかな昼下がり。フィリシアの部屋で互いの鉢を持ち寄った二人の姫君は、少なからず困惑することになった。つぼみの数も、葉の形も、なんだか違う。二粒の種は同じように見えたけれど、もしかして違う種類の種だったのかしら・・・。

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