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(あの子どこの子)(01)

 幼なじみの少女たちは、最近大人びて綺麗になって、なんだか以前とは別人になったかのようだ・・・と、思っていたのだけれど。
 その日、セレンが広場に来てみると、何人かの少女が、泣きわめきながら、髪を引っ張ったり、爪で引っかいたりして、つかみあいのケンカをしていた。周りを仲間たちが取り巻いて、ケンカを止めようとしているのだが、割り込めない。
 ルークが、うんざりした顔で声を張り上げていた。
「なあ、いいよ、もう。俺がしばらく来なければいいだけだろ」
「「そんなの、だめっ」」
と、一斉に振り向いて目を吊り上げる女の子たち。それはそうだろう、都の少女たちは、ほとんどがルークに片思い中だ。この快活で凛々しい金髪の美少年が、今日は来るか、明日なら会えるだろうか、と、毎日楽しみにしているのだから。
 ちなみに、女の子たちが密かに協定を結んでいることも、セレンは知っている。ルークについては、誰も抜け駆けしないこと、誰も独り占めしないこと。そう言いながら、ルークが都に来ている日は、皆あわてて家に戻って、髪型を整えたり、化粧をしたりして戻って来る。そのへんの事情に気付いていないのは、おそらくルーク本人くらいだ。
 で、今日のこの大騒ぎは、いったい、どういうわけだろう?
 ルークは、セレンに気づくと、ほっとした顔をした。
「セレン、ちょうどいいところに。あと、まかせるから」
「えっ」
「また明日な!」
 まぶしい笑顔を残して、走り去ってしまった。こんなとき、ルークは少しずるい。
 が、ルークがいなくなると、女の子たちは毒気を抜かれたように静かになった。セレンが皆に事情を聞いてみたところ、だいたいこんなふうなことだとわかった。
 以前、よその街から、宝石商が娘を連れて訪れて来たことがあったという。それは「セレンのいない日だった」そうで、ローザという娘は警護付きで遊びに出て来たが、「つんとお高くとまっていた」ので、都の仲間たちは良い印象を持たなかった。何より皆の反感を買ったことに、ローザはルークを一目見るや、「あの子のお父さん、お金持ち?」と尋ね、たぶんそうだという回答を得ると(都の子供たちは何となくそう思っていた)、ルークに駆け寄って腕を組み、何度振り払われても、一日べったりでルークを困らせたのだった。
「その子が、また来るのよ! 明日の午後から1週間!」
と、宿屋のアリスが、憤懣やるかたないという口調で言った。仕立て屋のパティが続けて、
「だから、誰かがルークの恋人のふりをしようってことになったの」
「それで、あたしがやるって言ったのに、パティが」
「アリスは絶対だめよ! どさくさに紛れて何かするに決まってるじゃない」
「だって恋人らしく見せなくちゃ」「ほらね、だからあたしが」「ちがう、あたしが!」
と、また周りを巻き込んで騒ぎになりかけるのを、雑貨屋のエリナが止めた。
「ねえ、ケンカしないで! 落ち着いて話し合おうよ」
「エリナはいいわよねー。関係ないもんねー。別のひとが好きなんだもんねー」
 アリスは意地悪く言ってから、はたと気が付いたように、
「あ、そっか。じゃあ・・・エリナなら、許す。どう、パティ?」
「なるほどね・・・わかった、エリナなら許す。特別に、ルークと腕を組んでもいいわ」
「えっ、あたし? ルークの恋人役なんて・・・やりたくないんだけど」
「わがまま言わないの。エリナなら、ルークとキスとかしないでしょ。安心だもん」
「キスなんて、するわけないじゃない! ねえ、あたし、ほんとに嫌なんだけど」
 エリナは困りきった顔でセレンのほうを見た。助けて、と顔に書いてあった。それでセレンは、よく考えるひまもなく、つい、思いついたことをそのまま言ってしまったのだ――。

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

「あの子どこの子」(01)、繰り返し拝読させていただきました。

昨日は体調が悪すぎて感想その他はさすがにできませんでしたが、それでも非常に楽しく読めて、まったく予想外のストーリーに、もはや爆笑するしかありませんでした。

うーん、想像ではあの「跳ぶ」の後日談的なエピソードだと思うんですが、いずれにしてもその前後であることは確かではないでしょうか。

とにかく、この「恋愛騒動」、果たしてどうなるのか、じっくりと楽しませていただきますが、ふと気になったのは、女の子たちの名前がなんとなく現実のアメリカ的な感じがして、いわゆる「ファンタジー」っぽくないことでした。・・・むろん、それはそれで特に不自然ではないですし、とりあえずそういうものだ、として納得はしております。

予定では次回は土日ということですので、お互い、体調を整えて気持ちよく週末を迎えられたらいいですね。

ともあれ、次回も期待しております。どうぞ無理なく頑張ってくださいませ。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村@通勤電車です。
コメントありがとうございます♪

時系列的には、「跳ぶ」の少しあとのお話です。
セレンが成人式(?)で、変則的な前例を作ったため、妙なことが流行ると困るといって、この時期のフルート(ルーク)は各種の儀式から遠ざけられています。
ルークとしては自由時間が増えて嬉しかっただろうと思います。

進捗から見て、次回は土曜の夜かなあ・・・。

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