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甘い、すっぱい(01)

 まだ日が落ちるまでには時間があったが、次の村は遠いのだそうだった。
 今日は村外れの空き家に泊めてもらうことにして、日没まで自由行動になった。

 いつものように、最初にゼラルドがふらりと姿を消した。誰にも見られない静かな場所で、黒髪の王子は聖札を使ったり、術の鍛錬をしたりするのだ。
 次いで、フルートとセレンが、明日の道を下見して来るからと、馬の荷を軽くして二騎で出かけて行った。
 誰について行っても邪魔になるだろうと思ったフィリシアは、「行ってらっしゃい」を言って、一人で居残った。逆に言えば、一人で残らせてもらうことができる程度には、みんな旅に慣れて来て、姫君にも多少はひとりの時間が必要だし、非常識な無茶もしないだろうと、信用してくれるようになったということだ。
 今晩泊まらせてもらう空き家を片付けておこうかしら、とも思ったものの、よく晴れていたので、青い髪の姫君は、せっかくだから村の周りを散歩することにした。

 ぐるりと村を一回りしてから、土手を上って、今日やって来た道に出てみた。明日はこの道を東に向かう。
 東のほうに体を向けたフィリシアは、少し離れたところに、道沿いに立ち並ぶ木々を見つけた。その枝ぶりから、もしかしてと思って歩み寄ってみれば、思った通り、ほとんどがティルという果物の木で、いくつも実をつけていた。
(でも確か、この季節に実る種類は、すっぱいのではなかったかしら)
 思いながら見上げると、それでも、手の届く範囲は既にもぎ取られているようだ。
(お砂糖か蜂蜜に漬けておいたら、美味しくなるのだけれど・・・)
 この村で砂糖や蜂蜜が手に入るかどうかは分からない。だが、もぎ取られている実があるということは、食べている者があるということだ。そう思いながら、フィリシアは木の根元に視線を下げて、目をぱちぱちさせた。そこには、持ち手にロープを結びつけた、小さな手持ちカゴがあった!
(収穫用、よね? 共用のカゴ、よね? ということは、つまり・・・)
 姫君、というより、今は身分を伏せたおてんば娘のフィア、は、左右をきょろきょろと見てから、カゴを拾い上げ、持ち手を腕に通した。
 頑丈そうな木を選んで。
 幹に手をかけた。

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

「甘い、すっぱい」(仮題?)、01、さっそく拝読しました。

いや、夜中に予告と仮タイトルを読んだ限りでは、「もしやルークとフィアのラブコメ的なお話になるのでは・・・」などと邪推してしまいましたが(苦笑)、そこは「健全」な作品世界ですから、滅多にそんな方向には・・・いや、まあ、次回を読まない限りは断言はできないですねえ(汗)。

まあ、そんな益体もない予測はともかく、このお話の時点でフィリシアを置いて男性陣が皆、出払ったということは、彼女は相当、信頼されているようですね。つまり、かなり強力な何らかの護身術なり魔法的能力なりがあるのではないかということで、少なくとも不測の事態が発生しても充分、対応できるだけの能力があるということが考えられます。・・・あ、それと彼女には〈光り姫〉ミルガレーテを呼び出せるという裏ワザがあったんでしたね(苦笑)。

さて、ともあれ、無敵の(笑)おてんば娘と化したフィア(フィリシア)が次回、どうなるのか、そして予告どおりなら、どんな状況でルーク(フルート)が登場するのか、結末が非常に楽しみです。

どうぞ心身に無理なく、頑張ってください。続きを大いに期待しております。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪

フィリシアにはたぶん、ミルガレーテを呼び出す以外、大した護身のすべはないと思います。
ただ、身の回りのことを一通り自分でできて、やって良いこと悪いことの区別がついて、一般のコミュニティに自然に溶け込んでいける、その在りかたが信用を得たのでしょう。
安全な場所であれば、誰かがお守したり見張ったりしなくても大丈夫、と。

たいへん地味なお話ですが、旅の仲間の日常に、のんびりとお付き合いいただければ幸いですconfident

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