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  • (2017/4/29朝) そして、3月に続いて4月もまた、溶けるようにして消え去って行くのであった…。

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(あの子どこの子)(03)

 ――さて。噂のローザは、豪商の父と共に宿屋に到着した。入れ違いに宿屋の子が裏口からするりと出て行くのを見て、前に来たときのことを思い出した。そう、この前、あの素敵なルークが、意外とあっさり泣き落としに引っかかってくれそうだったとき――「一日くらい一緒にいてくれてもいいじゃない」と言って泣いてみせたら戸惑っていた――、せっかくのチャンスだったのに、宿屋のあの子が嘘泣きだとケチをつけ、飛びかかって来たのだ。警護の者が止めてくれなかったら、きっと叩かれたり引っかかれたりしてケガをしていたに違いない。
 あの野蛮な女の子が根に持って、先回りしてルークを連れ去ったりしていないかしら。そう思うと気が急いて、ローザは部屋に着くと大急ぎで着替えをした。鏡で念入りにチェックすることは忘れなかった・・・大丈夫、亜麻色の巻き毛は今日もご機嫌にクルクルだし、おろしたての花柄ワンピースと、お揃いの花柄カチューシャは、これ以上ないくらいにローザに似合って、品が良くて可愛らしい。うん、今日の私も、すごく魅力的!
「お父さま、私、遊びに行ってくる!」
「もう行くのか。気を付けるんだぞ」
「はーい」
 ローザは急ぎ足で宿を出た。護衛は勝手に付いてくるはずだ。
 ええと、この前ルークに会った広場は、確かこっちのほう・・・。
 ローザがきょろきょろしながら歩いて行くと、噴水のある広場が見えて来た。たしか、ここを通り抜けた先に・・・。
 思い出しながら噴水広場に歩み入ったローザの顔が、ぱっと輝いた。噴水を取り囲む石のベンチに、探していたひとが腰かけていたからだ。しかし、駆け出そうとしたローザの足は、すぐにぴたりと止まってしまった。ルークは一人ではなかった・・・何よ、あれは。
 ルークの左手側に、深緑色のワンピースを着た美しい少女が座っていた。二人は仲良く手をつないで座り、うつむき加減に、何か親密に語らっているようだった。ルークの髪は陽光を紡いだような金色だが、隣の少女は月光を紡いだ色の髪をしていて、悔しいことに、ローザが今まで見たことのないくらいに綺麗な少女だった。
 ローザは気持ちを奮い立たせて、二人に歩み寄った。ふだんから鏡で練習している、とっておきの笑顔を作って、声をかけた。
「こんにちは、ルーク!」
 二人は顔を上げてローザを見た。ローザはルークだけを見つめて続けた。
「ほら、私よ。ローザよ。前に会ったの、覚えてる?」
「覚えてるけど。何か用?」
 ルークは迷惑そうに言ったが、ローザは気にしなかった。覚えているなら、脈があるわ。
「二人でゆっくりお話しましょうよ」
 甘えるように言ってから、ローザは隣の少女を見た。やさしい面立ちの少女だ。これなら難なく追い払えるだろう。
「ねえ、あなた、ちょっとどいてくれない? 私がそこに座るから」
「どうして? ルークは私と話しているのに」
「何か言ったかしら、よく聞こえなかったわ。ねえ、早くどいて」
「でも」
「聞・こ・え・な・い・わ! 早くどかないと、ぶつわよ。ルークだってね、私みたいな、胸の大きい女の子と一緒にいるほうが嬉しいに決まってるんだから!」

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次回はまた土曜日かな…(>_<)

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

「あの子どこの子」(03)、またまた繰り返し拝読いたしました(苦笑)。

うわー、こえー(マジで)。
まさか、この世界に「肉食系女子」なんていう言葉はないでしょうが、このローザは敢えて言うなら「亜麻色の髪の肉食系乙女(?)」とでもいうような迫力がありますね。

うーん、このお化粧から一連の流れは、やはり女性作者ならではの細やかさと説得力があるように感じました。
しかし、私が今回、改めて感心したのは、ルークとセレナ(勝手に命名)を陽光と月光になぞらえて対比させたことで、これまでの本編や番外編以上に、この二人が好対照であることがよくわかって、実に興味深かったです。

あと、興味深いといえば、この世界の少年少女の一般的な性教育とか性倫理観みたいなものはどうなっているんだろう・・・ということでした。これまでのお話で、普通の青少年はすでに男女間で一定レベルの交際をすることはわりと常識的のようなのですが、今回のローザなどを見ると、性的な感覚や行為も当然のように行ってしまいそうな勢いがあって、まあ、誤解かもしれませんが、現代日本の「弾けてる」女子中学生の実態に近いものを感じてしまいました。

ともあれ、次回はいよいよローザとセレナの腕力も使った「対決」が描かれるんでしょうが、そこにルークがどう絡むのかが見ものですね(苦笑)。もう、この際、BL的表現[2人で接吻のフリとか・・・)もアリで、ローザを追い払うのではないかと予想していますが・・・さて、どうなることやら。

なんにせよ、次回も大いに期待しております。
どうぞ無理せず、ゆっくりと執筆に専念してくださいませ。

今回も非常に楽しめました。どうもありがとうございました。
それでは、また。

芝臣さん、こんにちは。雪村です。
コメントありがとうございます♪

このくらいの年頃って、男女とも、いろいろ興味津々な一方、成長の個人差が大きくて、心情的に不安定だったりしますよね。
そして、別にどこで習わなくても、仲間うちで、あれこれ話しているうちに、なんとなく理解できていると思います。
身分の高い子供たちの場合は、そういうことを話せるコミュニティがありませんが、それぞれ家庭教師等が教えていると思います。

偽カップルのお二人さんには、この際、キスしてもらっても構わないような・・・。
え、マネだけですか。そうですか。
まあ、あまり気にせず、書けるように書きますwink

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