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石の大蛇(01)

 日が暮れかけたころ、小高い丘の上に、夜露をしのげそうな古い神殿跡を見つけた。
 一行は馬をつなぎ、屋根の下に入ったが、すぐにフルートが辺りを見回しながら言った。
「ここはだめだ。よくない気配がする」
「同感だ」
と、静かにゼラルド。視線は手の中の聖札に落ちている。
 疲れ切ったフィリシアがまどろみ始めているのを、ちらりと見やったセレンが、
「でも、ほかに場所がない」
 指摘すると、フルートは一拍考えてから、譲歩した。
「わかった。それなら、君とぼくが交代で不寝番だ。少し、周りを見てくる」
「うん」
 二人の会話に、ゼラルドは物憂げな視線を上げたが、何も言わずにフルートを見送った。
 そして、それきり、日が落ちきって辺りが暗くなっても、金髪の王子は戻らなかった。

 神殿の中を一通り見回るつもりだったフルートは、足早に廊下を歩き、部屋があれば中を覗き、異状のないことを確かめていた。ある部屋を覗いたとき、ぞくりと背筋に寒気が走った。
 一見したところ、特に何ということもない空っぽの部屋だった。警戒しながら数歩踏み入った、そのとき。
 足元の床に魔法陣が浮かび上がった。はっとして逃れようとしても体は動かず、そのまま視界は暗転し、落下する感覚に襲われた。
 うかうかと罠にはまった自分の浅はかさを呪いながら着地の衝撃に備えると、案に相違して、落下はふわりと止まり、足が床についた。
 薄暗い部屋。正面には大きな石の台座があり、その上には、身の丈の三倍ほどあろうかと思われる、巨大な大蛇の石像が鎮座ましましていた。大蛇には首が七つあり、それぞれがこちらを睨んで鎌首をもたげている。台座の四隅に焚かれている篝火が、石像を不気味に照らし出している――いったい誰が灯したのだろうか。
 石像は禍々しく、眺めているとぞわぞわと総毛立って来て、さてはこれが悪しき気配の源だったのか、とフルートが得心したとき、どこかで、場違いな鈴の音が、チリーンと鳴った。
 と、石像がわずかに動いた・・・ような気がした。鈴の響きが消えれば、後に残るのは冷たい石の静寂のみ。
 音に惑わされて何かを見間違えたのだろうか、と、フルートが疑いながら石像を見つめていると、違う方角から、また同じ鈴の音が響いた。チリーン。
 石像が再びわずかに動き、ピタリと止まる。見間違いなどではなかった。それどころか、その七対の目は、今や爛々と赤く輝き、紛うことなくフルートを見つめていた――!

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