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石の大蛇(02)

 フルートは、すばやく四方を見渡して、部屋に出入口のないことを見て取った。念のため、いくつかの石に体当たりしてみたが、びくともしない。明らかに、魔法で閉ざされた部屋だった。おそらくは、石の大蛇に生きた餌を与えるための。
 フルートは部屋の中央で、石像に相対し、帯びた剣を抜き放った。石でも切れる宝剣だ。剣を構えると、しんと心が落ち着いた。とにかく、当座はこれで身を守るしかない。
 また鈴の音がした・・・チリーン。先ほどよりも近い。右前方。壁の向こうからだ。
 チリーン・・・今度は左、真横から。音が響くたびに、一瞬だけ、大蛇が動く。心なしか、鈴の音の間隔は狭まっている気がする。チリーン・・・。しかも、徐々に四方八方から迫りつつあるようだ。・・・チリーン。
 不意に、右前方の壁の中から白い人影がぬっと現れて、フルートは身構えた。よく見れば、それは一体の骸骨で、骨しかない左手に、丸い大きな鈴を提げていた。・・・チリーン。
 ほどなく、壁のあちこちから、同様の骸骨が次々と現れた。皆、左手に揃いの鈴を持っており、カタカタと歩きながら、時折、思い出したように鈴を鳴らすのだった。・・・チリーン。チリーン。チリーン。
 四方の壁から次々に湧き出て来る骸骨は、剣の届かぬ所まで来て立ち止まり、王子を取り囲み、鈴を振った。気付けば、鈴の音は一定のリズムを刻むようになっていた。リン、リン、リン、リン、リン、リン、リン・・・。大蛇はカクカクと体をくねらせて台座を下りて来る。
 リン、リン、リン、リン、リン、リ、リ、リ、リ、リリリリリリリ・・・。
 次第に滑らかに動き始めた大蛇は、するする這い寄って来ると、第一、第二の首をもたげて、フルートを見下ろし、カッと口を開けた――。

「――探しに行ってくる」
 セレンは立ち上がって、長い金髪をひとつに括った。ゼラルドをじろりと見て、
「もし、その間にクルシュタインの姫君に何かあろうものなら・・・」
「君の言いぐさは気に入らないが、きちんと守ろう」
 黒髪の若者は冷淡に言ってから、セレンの携えている剣を指した。
「それと、その剣を貸したまえ」
「貸したら、ぼくが戦えないだろう!」
「すぐ返す。フルートには恩がある。君が多少は彼の役に立つようにしよう」
「君は、ぼくにも恩があるはずだが」
 セレンは尖った声で指摘したが、剣を外して、ゼラルドに渡した。ゼラルドは剣を鞘から抜くと、その刀身に、指先で何かの文字を綴った。文字は青く光ったあと、消えた。
「・・・それは一体?」
「一時間くらいは持つだろう。石でも斬れる。行きたまえ」
 セレンは剣を受け取った。礼は言わずに、きびすを返し、友の捜索に向かった。

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