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火の鳥(02)

 教わった酒場に着いてみると、すでにフルート――というか、おしのびゆえルーク――は、立ち去ったあとだった。酒場の主人の話によれば、酒を一杯飲んで、持っている地図を広げて幾つかの質問をし、あとは適当に世間話をして、あっさり引き上げたらしい。
「えらく男前の兄さんだったから、試してやるつもりで一番強い酒を出したんだが、顔色ひとつ変えないで飲み干して行きやがったな。今頃どっかで倒れてなきゃいいが」
 腕組みをして眉根を寄せた主人に、セレンは苦笑して、
「めっぽう強い奴だから、心配いらないよ。情報をありがとう」
 いくばくかの金を払って、外に出た。
 さて、もと来た道を戻るなら左に向かうところだが、ルークなら、無意識のうちに最短距離を取ろうとして、右に向かったことだろう。しばらく行くと――行き止まりか。そうしたら、少し戻って、こちらの脇道に入るだろう――。
 家々の明かりに照らされて、入り組んだ路地は思ったよりも明るい。風情のある散歩、と言えぬこともなく、機嫌よくセレンが歩いて行くと、やがて、細い路地の先で、いかつい用心棒が二人立っている建物に行き当たった。中からワイワイと声が漏れて来る、この雰囲気は・・・おそらく賭博場だ。いかにも「ルーク」がふらっと入って行きそうな、適度に活気があり、適度に怪しげな、こじんまりした賭場。
 セレンは用心棒たちに近づいて、「やあ、こんばんは」と声をかけた。二人の男はじろりとセレンを睨み、片方が無愛想に「何の用だ」と言い、もう片方は低い声で「あんたのような人の来る場所じゃないぜ」と言った。
 ルークと違い、いつも品の良い身なりを崩さないセレンが警戒されるのは想定のうち。気にしない。
「友達を探しているんだ」
と、セレンは穏やかに言った。
「金髪に青い目の、すこし雰囲気の変わった奴が来なかったかな?」
「――入って行ったな」「――まだ中にいるな」
 用心棒たちは認めた。
「わかった。入んな」
「ありがとう」
 セレンは涼しい顔で扉を押し開き、建物の中に入った。

 中は薄暗く、ざわざわと騒がしかったが、何やら重苦しい空気で、殺気立っていた。
 主人らしき男は、酒を出すカウンターにいて、入口に立ったセレンを見て渋い顔をした。
「見かけねえ若旦那だな。こんなところに、何か用かい」
「友達を探している。金髪に青い目の、初見の客が、ここで悪さをしていないか?」
 聞いて、主人の表情が微妙に変わった。視線で奥のテーブルを指し示しながら、
「ほう、それじゃ、あんたは、あそこにいる、あの賭場荒らしの友達だっていうのかい」

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