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石の大蛇(03)

 たいまつを掲げ、できるだけ落ち着いて目を配りながら、セレンは神殿の中を見回った。どの部屋も空っぽで、先に来たはずのフルートの痕跡は、何ひとつ見当たらない。
 だが、いくつめかの、取り立てて何もない部屋をのぞきこんで立ち去ろうとしたとき、かすかに不思議な音が聞こえて、セレンは足を止めた。虫の声だろうか? まるで、たくさんの鈴を振っているような音だ。リン、リリリリリン、リリリリリ・・・。
 注意深く耳を傾けると、その音は、足の下から聞こえていた。地下室があるのかもしれない。もっとよく音を聞こうとして部屋の中に入ると、足元にポウッと魔法陣が浮かび出て、周囲が暗転した。一瞬、落下して死ぬのかと思ったが、ふとゼラルドのことを思い出した。まるで未来が視えているかのような口ぶりで、セレンの剣にまじないをかけてくれた・・・ということは、この先にフルートがいて、自分はその手助けができるのだ。
 鈴を振る音が、急に大きく聞こえるようになった。薄暗い、ごみごみした部屋の床に足がついた、と思った瞬間、
「セレン、うしろだ!」
 叫ぶ声を聞いて、左手にたいまつを持ったまま、振り向きざまに右手で剣を抜き、間近に迫った巨大な蛇の頭を薙いだ。異様に重い手応えは、まるで石のよう・・・石、なのか。
 フルートの驚く声が、
「斬れるのか?」
と、上から降って来た。セレンは、部屋を埋め尽くす骸骨の群れと、足元に散乱する骨屑を確認し、大蛇の巨体を測りつつ上方を確かめた。なんとフルートは、うねる大蛇の頭や胴体を器用に飛び移りながら、黄金の宝剣で蛇の頭を切り落とそうとしているのだった。
 あの高さから床に叩きつけられたらどうするつもりだ・・・と、セレンは気の遠くなる思いで見上げたが、事実として、フルートに目立つ怪我はなく、逆に蛇の頭は三つほど床に転がっているのだった。
「鈴を減らしてくれ」
と、当然のように指示が降ってくるのを、はいはい、と心の中で承って、セレンはたいまつを床に置き、行動を開始した。骸骨たち一人ひとりに恨みはないが、どうやら彼らの振る鈴が、大蛇退治の鍵となるらしい。手だけを狙って切り落としてみたが、鈴――土鈴だった――が床に落ちて割れると、骸骨も糸が切れたように崩れ落ち、脆く、クシャリと崩れてしまう。
 再び迫って来た蛇の頭を、すかさず叩き切った。腕がジンとしびれるが、それでも切り落とすことができるのは、認めたくないけれどもゼラルドのおかげだろう。
 最初はキリがないように感じられた骸骨たちも、いつしかだいぶ数が減り、鈴の音は途切れ途切れになっていた。フルートは床に降り立った。最後に残った大蛇の二本の首が、ぎくしゃくと二人に近づいて来るのを、二人で一つずつ切り落とした。
 部屋の中に残っていた骸骨が、ざあっと崩れ、灰となった。
 戦いの終わりだった。

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