2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

ひとこと通信欄

  • (2017/12/11朝)また休日出勤などあったので、本編進んでおりません…。ふえーん…。

ランキング参加中!

  • 記事がお気に召したらクリックしていただけると、作者の励みになります。(1日1回まで)

    (投票せずに順位を確認したい方はこちらから。)

SF「夜景都市」(未完)

最近のトラックバック

プロフィール

  • 城

    雪村月路
    snow.moon.rainbow☆gmail.com
    (☆を@に変えてください)
    Twitter: @ariadne_maze
    ブログ更新量について
    愛読書100冊

    うちの子同盟 うちの子同盟

無料ブログはココログ

« 火の鳥(04) | トップページ | 火の鳥(06) »

火の鳥(05)

 セレンは適当にはぐらかした。フルートの奇妙な「戦利品」のことも黙っていた。まだあの卵はフルートが持っているし、彼があとから自分で話せばいいことだ。
 そんなわけで、良く晴れた空のもと、宿屋を拠点にして自由に街を散策した旅人たちが、1日歩き回ってみて改めて分かったのは、この街はやっぱり迷路のような造りになっているということと、それはどうやら歴史的に、外敵を防ぐため必要だったかららしい、ということだった。
 街の人々の話によると、今でも年に数回は、盗賊団などが様子を窺いに、近くまでやって来るのだという。街の四方にある門には、閉門のあと、必ず交代で不寝番が詰めており、夜通し大きな明かりを焚いているのだが、ごくまれに真夜中頃、街からそう離れていないところを、松明を掲げた一団が通り過ぎて行くのだそうだ。
「隙を見せたら襲って来るのだろうが、このとおり攻めにくい場所だって、向こうさんも知っているのさ」
と、夕食のとき、宿屋の主人が話してくれた。
「いざ敵が来たら、どこに誘い込んで捕まえればいいか、街のみんなもわかってるしな。そのうえで、腕利きの若い衆が四方の門に詰めていれば、そこらの盗賊団は黙って通り過ぎていくよりほか、ねえわけよ」
 食事をしているうちに、やっとフルートが2階から降りて来た。体調はすっかり戻ったらしく、適当に料理を注文して席につき、
「今日はすまない。明日は出られるから、朝一番で発とう」
 いつもどおり直截に言うところが彼らしい。それから、フルートは小さな布の包みをゼラルドの前に置いた。
「珍しい鳥の卵だそうだ。生きものとは思えない熱だが、あとで調べてくれないか」
 黒髪の若者は、無言で布を開き、赤と橙の斑模様をした卵を見た。隣にいるフィリシアと順番に卵に触れると、卵は、もぞ、と動いた。ゼラルドはうなずき、卵をしまい込んだ。
 食事を終えて、そろそろ部屋に引き揚げようかという頃、どこかで鐘が鳴り始めた。
 カン、カン、カン、カン、カン・・・。
 音色を聞けば、警鐘であることは明白だった。宿の主人のおもてが引き締まった。
「なんてこった。何年かぶりの警鐘だ。お客さん方は、部屋に入っていてくんな。大丈夫、ここは街の中で一番たどり着きにくい場所にある建物だからな」
 どうりで道に迷うはずだ、と言いたげな顔をしたフルートは、口に出しては、
「セレンはフィリシアと一緒に待機。ゼラルドは、ぼくと一緒に支援に行こう」
と言った。なぜ、その割り振りになったかは、次の言葉でわかった。
「いま鳴っている鐘は西から聞こえる。ぼくたちが来たのも西の門。それなら、ぼくが方角を正しく示せば、ゼラルド、君は一瞬で跳べるだろう?」
 言いながら、フルートは手で西を示した。ゼラルドはうなずいて、フルートの腕をつかみ、次の瞬間、宿の者たちの目を盗んで、二人の姿は消えていた。

あと1回かな、2回かな・・・coldsweats01

« 火の鳥(04) | トップページ | 火の鳥(06) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568827/57690270

この記事へのトラックバック一覧です: 火の鳥(05):

« 火の鳥(04) | トップページ | 火の鳥(06) »