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火の鳥(07)

 舞い降りる炎、炎、炎…。
 フルートとゼラルドが近づくと、鳥たちはバサバサと二つに分かれ、道を開けた。
 進んで行くと、鳥たちの真ん中に、ひときわ大きな鳥が赤々と燃え盛っており、若者たちを威嚇するかのように、大きな炎の翼を広げた。二人は立ち止まった。
 広げた翼をたたんで、大鳥は赤い目で二人を見つめ、太い嘴を開いた。
≪・・・ヒトノ子ヨ≫
「話せるのか」
と、フルートが、やや驚いた声で応じる。
≪少シ。昔ハ、ヒトト共ニ、暮ラシタコトモ、アッタ≫
「そうか」
≪我ラハ、我ラノ、子ヲ探シテイル。コノ近クニ、イルト感ジル≫
「それは卵か」
≪ソウダ。コノ近クニ、落チテシマッタ。生マレレバ探シヤスイガ、手遅レニナル≫
「手遅れとは?」
≪雛鳥ハ、弱キモノ。ヒトノ穢レニ触レルト、炎ガ消エル・・・生キラレナイ・・・≫
 フルートはゼラルドに目配せし、ゼラルドは小さくうなずいて、布の包みを取り出した。包みをほどいて、くるみこまれていた赤い卵を取り出し、そっと地面に置いた。
≪オオ・・・。ヌシラ、ナゼ、卵ヲ持ッテイル・・・≫
 大鳥は燃える両羽根を開き、卵の上にかぶせた。しばらく無言だったが、やがて、
≪コレハ・・・ヒトノ穢レニ触レタ・・・≫
と言った。周りの鳥が一斉に強く燃え上がった――彼らも人語を解するのだ。
 だが、大鳥はゆっくりと続けた。
≪穢レニ触レタガ・・・清メラレタ・・・。ヌシラガ、守ッテ、クレタノカ≫
「そうだ」
と、フルートは言い切った。大鳥は、両羽根で卵をそっと撫でた。
≪感謝スル。・・・雛ヨ、生マレ来ヨ≫
 卵は、もぞ、と動いた。さらに、もぞもぞ、と動いたあと、卵の殻にひびが入り・・・内側から殻を破って、幼鳥が現れた。小さく、べったりと炎に濡れ、燃え上がっている。
≪雛ハ、スグ、飛ベルヨウニナル≫
と、大鳥は言った。
≪ヌシラニハ、感謝ノ印ニ、コレヲ≫
 大鳥は首を曲げて、自らの羽を一本引き抜き、地面に置いた。羽はしばらく燃えたあと、炎を失い、何の変哲もない羽になった。朱色に見えるのは、周りの炎のせいか。
≪コレヲ持ツ者ハ、ドンナ寒サノ中デモ、決シテ凍エナイ≫
「ありがとう」
 フルートは羽を拾い上げた。その目の前で、雛鳥は体を伸ばし、翼を広げ始めた。

あと1回です(たぶん)。

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