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(逃避行)(08)

「砂漠を半分近く越えたようだ。天候に恵まれて良かった」
と、結界を張った中で簡単な夕食をとりながら、ゼラルドが静かに言った。
「城からここまで、一度で跳べる者はいない。とはいえ、ぼくたちは目印がないから小刻みにしか移動できないが、刺客たちには、ぼくたちという目印がある。もし明日、彼我の距離がもう少し縮まることがあれば、彼らは、ぼくたちを目がけて一息に跳んで来るだろう。このような危険な道に、よく同行する気になったものだね、リオン」
「これまでにも何度か、ゼラルド様を狙う暗殺者とは対峙したことがあります。異国からの者もあれば・・・国内からの者もありましたが」
と、リオンは目を伏せて言った。
「説得できたこともあれば、やむを得ず排除したこともあります。おそらく、わたくしの目の届かないところで、ゼラルド様が自ら対処なさったこともおありなのだろうと存じます・・・いずれにしても、わたくしは、これまで通りに務めを果たすだけです」
「祖国を捨てて去る王子のために?」
「いつ何が起こって離れ離れになるかもしれませんから、これだけは申し上げておきます」
 リオンは視線を上げて、砂漠を跳びながら考えていたことを言葉にした。
「ゼラルド様は、ご自身が、守るべき国と民を捨てて逃げた、と、お思いなのかもしれません。ですが、それは違います。逃げたのではなく、逆に、運命に立ち向かわれているのです。国と民とユリア様を守り、ご自身をも救い出し、皆で生き延びて前に進むべく、御身の選ばれた道なのです。誇りを持ってお進みください。お忘れになりませぬよう」
「生き延びて前に進むべく・・・。リオン、私は・・・」
 ゼラルドは逡巡しながら何かを言いかけたが、そのとき。二人は、はっと警戒して、立ち上がった。結界のすぐ外に、ひたひたと悪しきものの集まって来る気配があった。目には見えない、もやもやとした死霊の群れ。
「どうやら追手とは別だ。砂漠をさまよう悪霊だろう」
「結界には入って来られないと思いますが、これでは追手の気配を感知できません」
「そうだね、彼らを永遠の眠りに返すこととしよう。浄化する。ぼくを守れ」
「承知いたしました」
 リオンが結界の維持を引き継ぐと、ゼラルドは長い呪文の詠唱に入った。ゆっくりと十を数えるほどの時間ののちに、詠唱は終了し、ゼラルドがさっと手を振ると、二人を中心とした大きな銀色の輪が現れて、水の波紋のように瞬く間に広がり、鋭利な刃で周りの死霊をことごとく切り裂きながら、闇の中へと消えて行った。これを3度繰り返すと、二人の周りには、もはや一匹の死霊も残らなかった。
「では、ぼくたちも休もう」
 王子は息ひとつ乱していない。疲れていないはずはなかったが、リオンは敢えて気遣う言葉を口にせず、代わりに「おやすみなさいませ」と言った。
 明日が勝負だ。とにかく、どうにかして≪大境界≫を越えなくてはならない――

遅れてすみませんsweat02 まだ何回か続きます。

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