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  • (2017/5/11夜) 春って、あわただしく過ぎて行くものなのですね。でも、ようやく身辺が落ち着いて来たような気がします。

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小人のお茶会(01)

 新緑がまぶしい森の中を、小川に沿って馬を進めて行くと、小さな滝があった。
「このあたりで、しばらく休憩しよう」
と、フルートが言って、馬を止めて降りる。「そうね」と応じて、フィリシアも馬を止め、フルートの手を借りて降りる。
「あまり遠くに行かないように気を付けてくれ」
「ふふ。はい」
 あとの二人とは別行動中だ。金髪の王子に、あまり心配をかけないようにしよう、と、青い髪の王女は思った。
 二人きりで行動するのは、国境近くの、あの事件のとき以来だ。なんとなくお互いに気まずいときがあるが、仕方のないことだろう。――うっかり思い出しかけて、フィリシアは慌てて頭を振り、記憶を追い払った。
 フルートは、愛馬に水を飲ませたあと、そばの木にもたれて座り、剣を抱えて目を閉じたようだ。フィリシアは、自分も馬に水を飲ませて、少し離れた場所で休もうとしたが、ふと、森の中から、かすかに人の声が聞こえたような気がして、振り返って耳を澄ませた。
 気のせいではなかった。若い娘の声が、
「困ったなあ。だれか来て。手伝って。お願い!」
と、繰り返している。小さい声だが、そう遠くではないような・・・。
 フルートのほうを見ると、彼には聞こえていないようだ。水音にかき消されて、届かないのかもしれない。
 フィリシアは、声の聞こえる方角に向かって、森の中へと数歩、踏み込んだ。丈の高い草むらをかき分けたところで、娘の声が、「きゃっ」と叫んだ。フィリシアも息をのんだ。
 声の主は、フィリシアの目の前にいた。フィリシアの膝くらいまでの背丈しかない、濃い緑色の髪をした美しい娘だった。彼女は、かがみこんだフィリシアを見上げて、凍り付いたように立ちすくんでしまったが、何を困っていたのかは一目瞭然だった。その長い髪が、あちこちの草に絡まっていたのだ。
 フィリシアは、相手を驚かさないように、ごくごく小さな声で言った。
「ほどくのを手伝うわ。あなたは、そちら側を外して。私は、こちら側を外すわ」
 ゆっくり、そっと手を伸ばして、娘の髪をほどき始めると、娘はうなずいて、無言で自分も髪をほどき始めた。幸い、そう時間はかからずに、娘は自由の身になった。
「ありがとう、大きいひと。おかげで、お茶会に間に合いそう」
 娘は緊張した声で言って、急いで立ち去った。直後、近くから、今度は老人の声がした。
「おおい、こっちも助けてくれ」
 フィリシアが草むらをかき分けてみると、そこには、真っ白な長い髭を草にからませた、やはりフィリシアの膝くらいまでの背丈の老人が、ぷんぷんと怒っていた。
「こういうときは年長者を先に助けるものじゃ。大きいひとは、そんなことも知らんのか」

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コメント

どうもこんにちは、雪村さん。芝臣です。

さっそく、この「小人のお茶会」(01)を読ませていただきました。

えーと、まあ、なんだか意味深な「国境近くでの事件」についても気になりますが、逆にそれにとらわれ過ぎてもしょうがないので、とりあえずそれは頭の隅に置いて、いつかきちんと語られる時まで待ちましょう。

で、本来のお話ですが、一言でいうと「ああ、これぞメルヘン(お伽噺)だなあ」ですね(笑)。

なんというか、適当な喩えかどうか自信はないんですけど、かのルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』にも通じるような物語の始まりで、今回の絵はもう完全にディズニー映画調の質感というか、雰囲気を思い浮かべてしまいました。

もうねー、小人さんたちが、いきなり可愛いし。娘小人も、お爺さん小人も、いい味出して、私の好きな夢枕獏先生がかつて宮崎駿監督の『紅の豚』を見た時と同じような印象を抱きました。すなわち「ああ、この物語では誰も死んだりしないんだな」(夢枕先生は『紅の豚』冒頭を見て、直感的にそう思ったそうです)。

しかしさて、メルヘンなんだから小人さんはそのまま「小人」以外の何者でもないんですけど、敢えて「ファンタジー」的に解釈するとなんでしょうね。一般に知られるドワーフとは違うようなので、やっぱりホビット(グラスランナー)なのかな? あるいはこの物語世界(特に主舞台の内陸地方)独特の種族と名前なのかもしれませんね・・・って、ファンタジーRPGファンは、そーゆー設定的なことにこだわってしまうんです、どうもすいません(汗)。

ともあれ、続きも結末もまったく予想できておりませんが、とにかく楽しいお話になる雰囲気は充分に感じました。なので、次回も心待ちにして読ませていただきます。

どうも失礼しました。
それでは、また。

芝臣さん、
コメントありがとうございます♪

はい、そうです、次回も「不思議の国のアリス」ごっこですnote
後半は後半で、また別の有名なおとぎ話のごっこ遊びをする予定です。

小人さんは、おっしゃるとおり、ドワーフよりホビットに近いつもりで書いていますが、ホビットそのものかどうかは分かりません。
耳は尖っているのか? 靴は履いているのか? お好みでご想像くださいconfident

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