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小人のお茶会(05)

 フィアがリジーのところに戻ると、リジーは草の陰に隠れながら、少し離れた木の上を指さした。ひそひそと、
「ドルドルがいたわよ、フィア。木の実をもいでいるみたい」
「ありがとう! じゃあ、リジーはここで隠れていて。変な魔法をかけられないように」
「そうね、そうする」
 フィアは一人で、木の上まで飛んで行った。白髭の老人は、木の枝に腰かけて、紫色の木の実をむしゃむしゃと食べていた。
「お食事中、失礼しますね、ドルドルさん」
 フィアが声をかけると、じろりと睨まれた。
「見かけん顔だな。何の用じゃ」
「魔法を解いていただきたいの」
「はて、何の魔法をかけたのだったかな。まあいい、わしの真の名を言い当てたら、解いてやろう。3回チャンスをやるから、言ってみるがいい」
「そうねえ。ドルモーリシャスかしら?」
「違う、違う」
「それじゃあ、クランベルドルかしら?」
「違う、違う」
 老人はおかしそうに笑った。フィアもにっこり笑った。
「それじゃあ・・・魔法を解いてちょうだい、ドルドリッチ!」
「ふむむむむ・・・!」
 老人は、食べていた木の実を取り落とした。溜息をついて、脇に抱えていた杖を持った。
「やれやれ、仕方ないのう。魔法よ、解けろ。ほれ」
 老人が杖を振ると、急に、周りの風景が縮み始めた――違う、フィリシアが大きくなり始めたのだ。老人の小人は、あんぐりと口を開けた。
「大きいひとじゃったか。こりゃいかん。退散、退散」
 すいすいと飛んで逃げて行った。
 フィアは、じきに元の大きさに戻った。羽は消えてしまった。リジーが待っている場所に戻って、話をするためにかがみこむと、リジーは見上げて一瞬怯んだが、笑ってくれた。
「良かったわ、フィア。でも、少し残念な気もする。あなたが私たちの仲間だったら、いいお友達になれたと思うから」
「そうね。今日はありがとう、リジー。あなたのおかげで、楽しかったし、助かったわ」
「うん、私も楽しかった。じゃあね・・・さようなら、フィア」
「さようなら、リジー」
 リジーはくるりと向きを変え、はばたいて去った。お茶会の広間に戻るのだろう。
 フィアは髪をほどき、小川に沿って歩いた。「大きいひと」の足だと、滝までは、すぐだった。金髪の王子は、馬のそばに立って、出発の準備をしていた。

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コメント

どうも、毎度お騒がせしております(苦笑)、雪村さん。芝臣です。

・・・ああ、ふつーにコメントしてる方が落ち着きますねえ(実感)。

まあ、それはともかく、やっぱりこのハートフルでピースフルでメルヘンチックな(・・・って、なんか頭悪そうな表現ですけど)世界はいいなあ。

あの一連の「名前の問答」は原典はなんでしたっけ? うーん、昔(子供のころ)読んだお伽噺の中に似たようなやり取りがあったような気がしますけど、ちょっと思い出せない・・・ああ、歳は取りたくないなあ。

しかし、これはロック(音楽)の世界の話なんですけど、例の佐野元春さんが以前、インタビューだかTVの対談だかに答えていて、「本来はハッピーな歌を作りたいんだけど、ときどきサッド・ソング(哀しい歌)も作りたくなって、やっちゃう。それで失敗した、とは思わないけど、でもまた元に戻る。その繰り返しかな」・・・といったようなことを述べておられましたが、それが雪村さんの世界では、「フルート&フィリシア」と「セレン&ゼラルド(フルート&ゼラルドもあり?)」の組み合わせの違いなのかなあ、とも思えますね。

とにかく、俗な言い方になりますが、今回は「童心に帰った」ようなお話でした。

とりあえず、フィリシアは「大きなひと」に戻れてよかった・・・のかな? よかったんでしょうねえ、一応、ちゃんとフルートのところに帰ってきたんだし。

さて、あとはオチでどう締めるかですけど・・・なんとなくすっごくいい終わり方をしそうな甘い予感もあって、ちょっと楽しみです(笑)。・・・あ、もちろん、「メルヘン」として気持ちのいい終わり方って意味ですが、別にどんな終わり方をしても、このお話なら大丈夫な気もしています。

とにかく、今回は雪村さんもノリに乗っている感じ(更新速度がすごかったです! 感嘆・羨望)だったんで、最後まで楽しんでお書きになられることを心からお祈りいたします。

いや、どうも失礼いたしました。
それでは、また。

芝臣さん、
コメントありがとうございます♪

はい、今回は「ルンペルシュティルツヒェン」ごっこでしたshine
日本昔話でいうと、「大工と鬼六」ごっこです。

「フルート&フィリシア」以外の組み合わせについては、ゼラルドを入れるとシリアス度が強まる傾向がありますが、入れなければ大丈夫かというと、そうとも限らないですし。なんとも言えません。

次回(最終回)は、読者の方から見たら、「は? 何それ、意味わかんない」な感じになってしまうかもしれず、少し心配しています…sweat02

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