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お姫様と猫(01)

 大きくて賑やかな街の外れにある、小さくて静かな宿で、フィリシア姫は、ぼんやりと目覚めた。あまり体調がよくない。まだ眠いし、出かけることを考えると憂鬱だ。
 目覚める場所が城の自室でないことには、もうだいぶ慣れた。旅の毎日も、わくわくして楽しい。でも、弱っている日には、少しだけ城が恋しくなる。こんな日は、自分の部屋で、静かに丸まっていたい・・・。
 それでも、彼女は心を奮い立たせて、起きて、部屋の窓を開けた。すがすがしい朝の陽射しを浴びると、ほのかに気持ちが明るくなった。できるだけ頑張ろう。ただ、旅の仲間たちには、今日はあまり移動しないように、お願いしてみよう。
 いつもよりゆっくりと身支度をして、ドアを開けて部屋の外に出ると、廊下に、月色の長い髪をした若者が立っていた。フィリシアを見て、セレンは、にこ、と笑った。
「おはよう、お姫様」
「おはようございます、セレン。もしかして、私を待っていらしたの?」
「そう。確かめようと思って。君は今日、本当は出かけたくないよね?」
「えっ」
 フィリシアはびっくりした。それから、ためらいがちに、うなずいた。
「ええ・・・その・・・そうなの。・・・どうして?」
「昨日から、調子が悪そうだったから。女性との付き合いが多いせいで、なんとなく分かるんだ、そういうの。いやだったら、ごめんね」
 やさしい口調で、さらっと言われた。こんなふうなら、別に、いやではない。フィリシアがそう言って礼を述べると、セレンはほっとしたようだった。
「よかった。そうしたら、無頓着な王子様たちには、ぼくから話しておくよ。ゆっくり休んで。食事、いま持って来てあげる。そんな顔しないで、大丈夫だよ」
 ふんわり笑ってくれたセレンの言葉に甘え、フィリシアは部屋に引きこもることにした。
 運んでもらった食事は、ゆっくり食べた。あまり食欲はないけれど、食べておいたほうがいいだろう。パンと、ミルクと、シチューと、サラダ。ふと視線を感じて窓のほうを見ると、ひらいた窓のところに、きれいな白い猫がいて、金色の瞳でこちらを見ていた。
 フィリシアは、小さな声で「にゃおん」と呼びかけた。白い猫はフィリシアを見つめながら、可愛らしい声で「にゃおん」と返事をした。フィリシアは思わず微笑んだ。
「猫ちゃん、ミルク飲む?」
 コップに入っていたミルクを皿にあけて床に置き、顔を上げると、猫は窓枠からこちらを見たまま、「にゃあ」と言って、動かない。
「何か気に入らない? ごめんなさい、私、猫の言葉は話せないのよ」
 フィリシアが言うと、白い猫は、可愛らしい声で、
「あら、そうなの?」
と言った。窓枠から、しなやかに飛び降りて、ミルクの皿の前まで歩いて来た。
「それじゃ、私が人の言葉で話すわね。特別よ。ミルクはいただくわ。ありがと」

なにげない日常を大切にしたい。3月11日。

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コメント

月路さん、こんばんは☆ お話する白い猫・・❤
読んでると絵が浮かんできます。
続き、とても楽しみです(=^・^=)。/

うさパンさん、
コメントありがとうございます♪

猫がしゃべる、怖い夢を見たことがあります。
猫って、怪談にも似合いますよね。

でも、今回のお話は、日常系の、穏やかなお話のつもり。
次回、あまり間があかないように努力しますが、んー、どうなるかな…。
のんびりお待ちいただければ幸いですconfident

もちろんです!ゆ~っくり待ってますので
月路さんのペースで進めて下さいね(=^・^=)。

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