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お姫様と猫(02)

 おいしそうにミルクを飲む白い猫を、フィリシアはしげしげと眺めた。猫が流暢に人の言葉をしゃべったような気がしたが、夢でも見ているのだろうか。
 白い猫は、ミルクの皿を空にすると、満足そうに目を細めてグルグルと喉を鳴らした。フィリシアは、おそるおそる聞いた。
「どうして、人の言葉が喋れるの?」
「そりゃあ、人と一緒に長いこと暮らしているもの」
と、猫は何でもないことのように、
「あなただって、猫と一緒に長いこと暮らしたら、猫の言葉が話せるようになるわ。それと同じことよ」
 そうかしら?とフィリシアは考えてみたが、よくわからなかった。それで、
「人の言葉を話す猫に会ったのは、あなたが初めてよ」
と言ってみた。白い猫は前足を舐めながら、
「みんな、話せないふりをしているのよ。そのほうが、何かと都合がいいから」
「あなたが私と話してくれるのは、どうして?」
「ちゃんと猫の言葉で、こんにちは、って言ってくれたから。ミルクも分けてくれたし。あなたのような人を探していたの。実は――」
 言いかけて、猫は口を閉ざし、扉のほうを見た。トントンと控えめなノックの音がした。
「・・・フィリシア?」
 静かな声は、ゼラルドのものだ。フィリシアは、重い体を引きずって、ドアを開けた。
「休んでいるところを、すまない。妹が障りのときに飲んでいた薬があったから、渡しておく。少し眠くなるが、楽になるだろうと思う」
 黒髪の若者が、薬を一包みくれて立ち去ったあと、猫はフィリシアを見上げた。
「あなた、具合が悪いのね。そういえば、顔色が悪いわ。気付かなくて、ごめんなさい」
「大丈夫よ。何を言いかけていたの」
「その前に、薬、お飲みなさいな」
 猫の声が優しかったので、フィリシアは水差しの水で粉薬を飲んだ。猫は話を続けた。
「今日、何匹かの猫が、あなたを訪ねてやって来るわ。あなたが寝ていたら、起きるまで待つわ。あなたは、私に話しかけたのと同じように、一言、話しかけてあげてほしいの」
「同じように?・・・にゃおん。って?」
「そう! すばらしいわ。きっとよ。お願いね」
 白い猫は、嬉しそうに念を押し、ひらりと窓枠を跳び越えて、行ってしまった。フィリシアは、薬が効いて眠くなったので、ベッドに横になり、丸くなって、うとうとと眠った。
 ときどき目を覚ますと、部屋の中に猫がいて、床に座ってフィリシアを見ていた。猫は、黄色かったり、黒かったり、ぶちだったり、縞模様だったりしたが、そのたび、フィリシアは「にゃおん」と声をかけた。猫はみな、「にゃおん」と返事をしてから、はっとしたようにピンと耳を立てて、ひらりと窓枠を跳び越え、外に出て行くのだった。

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コメント

月路さん
おはようございますsun

新連載始まりましたね!
またまた 素敵な展開になりそうな予感happy01
無理をせず、ご自愛くださいpaper
昨晩は、黄金色の盆のような月でしたねfullmoon

montiさん、
コメントありがとうございます♪

短いお話なので、すぐ終わっちゃいます~。
メルヘンチックな、ちっちゃいお話が書きたくてheart01

黄金色の盆のような月、見逃してしまいました。不覚です。
心の余裕が足りてないのかな?と反省していますsweat02

ふんわりほんわかドキドキですね♪
次回も楽しみにしています。(=^・^=)

うさパンさん、
コメントありがとうございます♪

読む人によっては、ビミョーなお話に見えるだろうと思うので、
「ふんわりほんわか」と言っていただけて、ほっとして、嬉しいですshine
うとうとと、夢かうつつか…という雰囲気が出せればいいなと思います☆

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