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風の贈りもの(01)

 旅する王子と王女は、あるとき、丘がいくつも連なる土地を通りかかった。
 やわらかな緑に包まれた丘を、ふたり、馬に乗って進んで行くと、ひとつめの丘を越えたところで、子供が二人、座りこんでいるのを見つけた。
 子供は、片方が男の子、片方が女の子で、こざっぱりしたお揃いの服を着て、ともに十にも満たない幼さだった。そっくり同じ銀色の髪をしており、疲れ切った様子で草の上にへたりこんでいたが、旅人たちに気づくと、立ち上がり、手を振ったり叫んだりした。
 王子と王女は、子供たちのそばで馬を止めて降りた。あたりを見回したが、ほかに人影はない。見れば、子供たちはふたりとも泣いており、しきりに訴える言葉を聞けば、
「あるじさまを、たすけて。おねがい。あるじさまを、たすけて」
と言うのであった。
 フィリシア姫は、かがんで、子供たちの話をよく聞いてみた。どうやら、子供たちは、どこかの令嬢に仕えているらしく、その令嬢が、この先の「ずっとずっと向こう」で立ち往生しているらしい。幼い忠臣たちは、助けを呼びに歩いて来たのだが、誰にも出会うことができないまま、ここまで来て、疲れて歩けなくなってしまったのだという。
 フィリシア姫は、思案して、王子に提案した。
「そのかたを早く見つけてさしあげましょう。私は子供たちと一緒にゆっくり行くから、あなたはその駿馬で、先に行って探してくださらない?」
 フルート王子は、もっともな意見だと思いはしたものの、この先、丘をいくつ越えるかも分からないのに、非力な姫君と子どもたちを残して行くわけにもいかなかった。
「みんなで行こう。このくらい小さな子供なら、ぼくたちが一人ずつ抱えて乗れるだろう」
 王子は男の子を、王女は女の子を抱えて馬に乗り、出発することとなった。
 ところが、丘をもうひとつ越えたところには、その子らの女主人の代わりに、またもや二人の子供たちがいた。先の二人と同じように銀色の髪をして、べそをかきながら、
「あるじさまを、たすけて。おねがい。あるじさまを、たすけて」
と繰り返すのだった。王子と王女は相談して、自分たちは馬を下り、子供たちを二人ずつ馬に乗せて、ふたたび出発した。
 3つめの丘を越えたところには、誰もいなかった。子供たちは心配そうに、馬の上で、「もっと先! もっと先!」と騒いだ。
 4つめの丘を越えたところにも、誰もいなかった。子供たちは泣きながら、「もっと先! もっと先!」と騒いだ。
 5つめの丘を越えると、丘のふもとに小川が流れているのが見えた。川のほとりには、銀色の髪をした女性がひとり伏していた。4人の子供たちは、口々に、「あるじさま! あるじさま!」と呼ばわって、大騒ぎした。

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コメント

4人の子供たちとあるじさまと呼ばれる女性・・。
次で終わるのですね?
とても楽しみです(=^・^=)。

うさパンさん、
コメントありがとうございます♪

終わり部分を、書いては消し、書いては消ししていますが、
はい、ちゃんと2回で終われそうです☆
できるだけきれいにお話をたたみたいと思っています。
うまく書けますように…。

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