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朝の鈴(01)

「ほんの10日ばかりだから」
と、金髪の王子は、なんでもないことのように言ってみた。しかし、黒髪の若者は眉をひそめたまま、冷ややかな眼差しをこちらに向け、無言で説明を待っている。
 仕方なく、フルートは言葉を継いで、もう少し詳しく話した。
「ぼくだって、できればフィリシアを一緒に連れて行きたい。この国の王はクルシュタイン国王に非常な恩義を感じているというから、なおさらだ。だが、だからこそ、王女のフィリシアを連れて行けば、『自分の城だと思ってくつろいでくれ』くらいは言うかもしれないし、それでフィリシアに万一のことがあったら、取り返しがつかない」
 「万一のこと」というのは、青い髪の姫君にかけられている呪い――「自分の国の、自分の城で、気がふれて死ぬ」――が発動しないかということだ。黒髪の若者は、懐疑的な表情で首をかしげ、聖札の束を取り出して1枚めくったが、とたんに厳しい顔つきになり、慎重に数枚のカードをめくったあと、小さくため息をついて、うなずいた。
「わかった。どうやら、君の言うとおりにするのが無難なようだ」
「そうなのか?」
と、思わずフルートのほうが聞き返したが、ゼラルドは答える代わりに、淡々と、
「では、10日間、フィリシアの護衛を引き受けよう。ただ、ひとつだけ言わせてもらえるなら、君は専属の通訳に頼りすぎず、もう少し外国の言葉を学んだほうが良いのではないかな」
「ああ」
 生返事して、フルートは苦笑した。やや皮肉めいて聞こえる指摘は、的を射ている。供の一人も連れていないと格好がつかない、ということをさておけば、フルートがセレンを連れずに一人で出かけられれば、それが最善の策だったろう。そうすれば、語学に堪能な長髪の若者は、居残り組の雑務を引き受けて、宿の手配をしたり、買い物の交渉をしたり、姫君の散策に付き合ったりと、あれこれ細かく気を配ってくれたに違いない。
 フルートは、特に言い訳はせず、かといって改善の約束もせず、ただ地図を広げて、話を進めた――今いる街から、お互いに、こういうふうに進んで、この街で落ち合おう。それでいいか?
 ゼラルドは、姫君と自分に割り振られた進路が、慎重すぎるほど慎重に組み立てられていることを確認した。フルートとセレンの二人が移動する距離に比べて、ゼラルドとフィリシアが移動する距離はとても短く、また、無理なく安全に目的地に至るように配慮された経路になっている。おそらく、短い期間とはいえ、フィリシアをそばで守れないことが気がかりで、フルートとセレンが検討を重ねたのだろう。
 ゼラルドはうなずいて、了解した。さきほど読んだ聖札によって、何かささやかなハプニングにより予定のルートを外れるだろうと既に知っていたが、最も無難な選択であることもまた確かだったので、わざわざフルートに告げて心配させる必要はなかった。

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コメント

「朝の鈴」始まりましたね♪
このあとの10日間に何が起こるのか?
朝の鈴とは?
ドキドキワクワクしています!(=^・^=)

うさパンさん、
コメントありがとうございます♪

今回の分岐により、フィリシアとゼラルドが組んで行動する期間は10日間ですが、
そのうち最後の3日間(4日間?)については、「空色のドレス」で回収されています。
時系列順に並べていないと、こういうところがわかりづらくなって申し訳ありませんsweat01

「朝の鈴」は、最初の2日間に関するお話で、このペアの日常を描く穏やかなエピソード。
タイトルは、ぴたりとはまるものが見つからないまま、こうなっちゃった感じです~coldsweats01

月路さん

新しい連載、楽しみです♪
タイトルの「朝の鈴」の意味するものは何か・・?
次回を楽しみに待つことにいたしますshine

暑さが厳しいこのごろです。
ご自愛くださいませpaper

montiさん、
コメントありがとうございます♪

事件というほどの事件は起こらない、ささやかな日常のお話を書きたいときがあります。
今回は、そういうお話の、フィリシア&ゼラルドバージョンです。
タイトルは、いろいろ考えたのですが、結局いいのを思いつかず、やや不本意ですsweat02

ほんとに、毎日暑いですねえ。そして、これからが夏本番。
montiさんも、お気を付けて健やかにお過ごしくださいconfident

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