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朝の鈴(02)

 翌朝、一行は道を分かった。フルートとセレンは、王都に立ち寄る道へ。フィリシアとゼラルドは、立ち寄らずに先行するための道へ。
 人や荷車がのんびりと行きかう、治安の良い街道を、フィリシアとゼラルドは馬を並べて進んだ。ただし、日が高くなって来ると、夏の終わりが間近とはいえ、まだまだ強い日差しがカンカンと照りつけたから、ときどき木陰を見つけては休憩することになった。フィリシアが馬から降りるときにゼラルドが手を貸すと、姫君は驚いた顔をして、
「私、ひとりでも馬に乗れるし、降りられるのよ」
と言ったが、ゼラルドが引かないのを見ると、微笑んで「ありがとう」と言った。
 ささやかなハプニングは、昼過ぎに起こった。二人が大きな木陰で休憩しているとき、近くで休んでいた年配の農夫と妻が、荷物を乗せたロバを引いて発とうとしたのだが、
「おや、まあ・・・」
 夫婦が何度試しても、ロバは頑として一歩も動こうとしなかった。その光景は、少しもゼラルドの興味を引かなかったが、フィリシアのほうは、ごく自然に夫婦に声をかけていた。正体を隠し、気立てのよい町娘「フィア」として。
「ねえ、おじさんたち、どこまで行くの?」
「うん? ここから2時間ばかり歩いたところにある、小さな村だよ。家に帰るのさ」
「そうなのね。あたしたちはカリヨンの街まで行くの。方向が一緒なら、途中まででも、そのロバの荷物をこっちの馬に乗せてあげようか」
「そりゃ助かるが、あんたが馬に乗れなくなるじゃないか」
「平気。おじさんたちだって、歩いて帰るんでしょ? だったら、あたしだって、馬を引いて歩けばいいのよ」
 言いながら、フィアは軽やかにロバに歩み寄り、その荷を崩して、自分の乗って来た馬へと乗せかえ始める。ゼラルドは、少し思案してから手伝い始めたが、
「フィア。それなら、ぼくが歩くから、君は馬に」
「ううん。あたしよりも、おばさんを乗せてあげて。あたしは若いもん、大丈夫」
 きらきらと笑いかけられて、ゼラルドは、ふと目の覚める思いがした。年長者に敬意を払ったり、困っている誰かに同情したりすることを、久しく忘れていたような気がするが、誰に敬意を払っても、誰に情けをかけても、今の彼は自由なのだ。目の前の王女のように。
 結局、フィアとゼラルドは成り行きで街道を外れ、夫婦を村まで送って行った。そのあと街道に引き返し、当初の目的地より手前にある小さな町で日暮れを迎え、その町にひとつだけの宿を訪ねてみれば、かろうじて一部屋だけ空きがあって、ベッドがふたつあった。
「お部屋が残っていて良かった! これなら二人ともお布団で眠れるわね」
 夕食や両替などの用事を済ませ、部屋に引き上げて、フィリシアは嬉しそうに言った。
「・・・いや、部屋はひとつだから」
 ゼラルドの困惑をよそに、王女はベッドにもぐりこんで「おやすみなさい」を告げると、すぐに、すやすやと寝入ってしまった。

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コメント

「空色のドレス」。朝の鈴が終わったら読みに戻りますね。
タイトル・・何かあるのかと早とちり^^;ごめんなさい。
二話目を読んで「おだやかな・・」が分かりました。
とても落ち着いて読めました(=^・^=)✿

うさパンさん、
コメントありがとうございます♪
あれこれ混乱させてしまって申し訳ありませんsweat01

日常を描くお話は地味になりがちですが、短いお話ですし、
最後まで飽きないで読んでいただけるように頑張ります!

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