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ひとこと通信欄

  • (2017/8/13朝)創作活動が進みません~。少しばかり夏休みをいただきます~。

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2014年7月

朝の鈴(02)

 翌朝、一行は道を分かった。フルートとセレンは、王都に立ち寄る道へ。フィリシアとゼラルドは、立ち寄らずに先行するための道へ。
 人や荷車がのんびりと行きかう、治安の良い街道を、フィリシアとゼラルドは馬を並べて進んだ。ただし、日が高くなって来ると、夏の終わりが間近とはいえ、まだまだ強い日差しがカンカンと照りつけたから、ときどき木陰を見つけては休憩することになった。フィリシアが馬から降りるときにゼラルドが手を貸すと、姫君は驚いた顔をして、
「私、ひとりでも馬に乗れるし、降りられるのよ」
と言ったが、ゼラルドが引かないのを見ると、微笑んで「ありがとう」と言った。
 ささやかなハプニングは、昼過ぎに起こった。二人が大きな木陰で休憩しているとき、近くで休んでいた年配の農夫と妻が、荷物を乗せたロバを引いて発とうとしたのだが、
「おや、まあ・・・」
 夫婦が何度試しても、ロバは頑として一歩も動こうとしなかった。その光景は、少しもゼラルドの興味を引かなかったが、フィリシアのほうは、ごく自然に夫婦に声をかけていた。正体を隠し、気立てのよい町娘「フィア」として。
「ねえ、おじさんたち、どこまで行くの?」
「うん? ここから2時間ばかり歩いたところにある、小さな村だよ。家に帰るのさ」
「そうなのね。あたしたちはカリヨンの街まで行くの。方向が一緒なら、途中まででも、そのロバの荷物をこっちの馬に乗せてあげようか」
「そりゃ助かるが、あんたが馬に乗れなくなるじゃないか」
「平気。おじさんたちだって、歩いて帰るんでしょ? だったら、あたしだって、馬を引いて歩けばいいのよ」
 言いながら、フィアは軽やかにロバに歩み寄り、その荷を崩して、自分の乗って来た馬へと乗せかえ始める。ゼラルドは、少し思案してから手伝い始めたが、
「フィア。それなら、ぼくが歩くから、君は馬に」
「ううん。あたしよりも、おばさんを乗せてあげて。あたしは若いもん、大丈夫」
 きらきらと笑いかけられて、ゼラルドは、ふと目の覚める思いがした。年長者に敬意を払ったり、困っている誰かに同情したりすることを、久しく忘れていたような気がするが、誰に敬意を払っても、誰に情けをかけても、今の彼は自由なのだ。目の前の王女のように。
 結局、フィアとゼラルドは成り行きで街道を外れ、夫婦を村まで送って行った。そのあと街道に引き返し、当初の目的地より手前にある小さな町で日暮れを迎え、その町にひとつだけの宿を訪ねてみれば、かろうじて一部屋だけ空きがあって、ベッドがふたつあった。
「お部屋が残っていて良かった! これなら二人ともお布団で眠れるわね」
 夕食や両替などの用事を済ませ、部屋に引き上げて、フィリシアは嬉しそうに言った。
「・・・いや、部屋はひとつだから」
 ゼラルドの困惑をよそに、王女はベッドにもぐりこんで「おやすみなさい」を告げると、すぐに、すやすやと寝入ってしまった。

朝の鈴(01)

「ほんの10日ばかりだから」
と、金髪の王子は、なんでもないことのように言ってみた。しかし、黒髪の若者は眉をひそめたまま、冷ややかな眼差しをこちらに向け、無言で説明を待っている。
 仕方なく、フルートは言葉を継いで、もう少し詳しく話した。
「ぼくだって、できればフィリシアを一緒に連れて行きたい。この国の王はクルシュタイン国王に非常な恩義を感じているというから、なおさらだ。だが、だからこそ、王女のフィリシアを連れて行けば、『自分の城だと思ってくつろいでくれ』くらいは言うかもしれないし、それでフィリシアに万一のことがあったら、取り返しがつかない」
 「万一のこと」というのは、青い髪の姫君にかけられている呪い――「自分の国の、自分の城で、気がふれて死ぬ」――が発動しないかということだ。黒髪の若者は、懐疑的な表情で首をかしげ、聖札の束を取り出して1枚めくったが、とたんに厳しい顔つきになり、慎重に数枚のカードをめくったあと、小さくため息をついて、うなずいた。
「わかった。どうやら、君の言うとおりにするのが無難なようだ」
「そうなのか?」
と、思わずフルートのほうが聞き返したが、ゼラルドは答える代わりに、淡々と、
「では、10日間、フィリシアの護衛を引き受けよう。ただ、ひとつだけ言わせてもらえるなら、君は専属の通訳に頼りすぎず、もう少し外国の言葉を学んだほうが良いのではないかな」
「ああ」
 生返事して、フルートは苦笑した。やや皮肉めいて聞こえる指摘は、的を射ている。供の一人も連れていないと格好がつかない、ということをさておけば、フルートがセレンを連れずに一人で出かけられれば、それが最善の策だったろう。そうすれば、語学に堪能な長髪の若者は、居残り組の雑務を引き受けて、宿の手配をしたり、買い物の交渉をしたり、姫君の散策に付き合ったりと、あれこれ細かく気を配ってくれたに違いない。
 フルートは、特に言い訳はせず、かといって改善の約束もせず、ただ地図を広げて、話を進めた――今いる街から、お互いに、こういうふうに進んで、この街で落ち合おう。それでいいか?
 ゼラルドは、姫君と自分に割り振られた進路が、慎重すぎるほど慎重に組み立てられていることを確認した。フルートとセレンの二人が移動する距離に比べて、ゼラルドとフィリシアが移動する距離はとても短く、また、無理なく安全に目的地に至るように配慮された経路になっている。おそらく、短い期間とはいえ、フィリシアをそばで守れないことが気がかりで、フルートとセレンが検討を重ねたのだろう。
 ゼラルドはうなずいて、了解した。さきほど読んだ聖札によって、何かささやかなハプニングにより予定のルートを外れるだろうと既に知っていたが、最も無難な選択であることもまた確かだったので、わざわざフルートに告げて心配させる必要はなかった。

予告:「朝の鈴」

2ページ目がざっくり書けたから、予告GO!
いつもそんな感じでスタートするので今回もそうしますが、なんとなく今回、書いているスピードに不安が残るので、途中で間が空いてしまったらゴメンナサイです。

フィリシアとゼラルドのお話で、「空色のドレス」の手前に入るエピソードになります。
ささやかな出来事を取り上げた、落ち着いたお話になる予定です。全4回。

あさって、月曜の夜にスタートします。
どうぞよろしくお願いいたします。

宝物:描いてもらっちゃった!(&進捗状況報告2014/07/22)

見て、見て、見て!
冒険譚を読んでくださっている、のんさんが、フィリシアとミルガレーテの絵を描いてくださいました。
このブログを開設して3年半経ちますが、ブログ読者の方から絵をいただいたのは初めてで、感激です。
どうもありがとうございます!

お許しをいただいたので、ここに飾らせていただきます。
場面は、冒険譚の番外編「光り姫」で、フィリシアとミルガレーテが花冠を編んでいるところ。
かわいい~lovely (クリックで拡大するので、ぜひ拡大してご覧ください)

「光り姫」より by のんさん
このふんわりした素敵な絵を、マウスで描かれたのだそうで、二度びっくり。
そのあたりのメイキングについては、のんさんのブログ「脳内ヘブン」の記事、「大好き過ぎる結果。」をご参照ください。

なお、当サイトは「うちの子ご自由にお描き下さい同盟」に参加しておりますheart
いつでも、どなたでも、うちの子を描いてくださる方、ウェルカム!ですshine

* * *

話は変わって、進捗状況報告(2014/07/22)をば。

7/19~7/21が三連休だったので、フィリシアとゼラルドの話「鈴の鳴る朝(仮題)」を進めようと、
1日目は、ざっくり書いてあった1ページ目に手を入れて見直ししました。
2日目は、家事をしてショッピングに行ったので、創作はお休み。
3日目は、2ページ目を進め・・・ようとしたのですが、情けないことに前日の疲れが出て、ほとんど一日中寝ていました。夫に呆れられましたsweat02

そんなわけで、「鈴の鳴る朝」は、2ページ目の数行まで書いた状態になっています。
まだ書き切れるか自信が無くて、連載スタートに踏み切れないので、もう少しお待ちください。

いつにもまして間があいてしまって、申し訳ありません。
こつこつ書かせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

こぼれ話:お話の作り方

よく遊びに来てくださっている、のんさんが、ご自身のブログで、「書き手の皆さん。物語を作るとき、どこから作ります? ジャンルから? テーマから? 人物から?」と書いていらしゃいました。
乗らせていただきます♪

私は、核から作ります。「テーマ」と呼んでもいいのかもしれませんが、私のイメージとしては「核」。
核は、メッセージであることも、光景であることも、出来事であることもあります。
作るというよりは、自然に生まれて転がっているものを、拾い上げて選んでいる感じです。
最近のお話でいえば、「霧の中」は、メッセージを核として生まれたお話。
「風の贈りもの」は、光景を核として生まれたお話。
「夢みたもの」は、メッセージと出来事、二つの核を組み合わせたお話。
取り上げた核によって、自動的に登場人物まで決まるときと、決まらないときがあります。

登場人物が自動的に決まっていない場合は、核の次に、登場人物を考えます。
「霧の中」のときは、メッセージの伝え手としてゼラルドを選びました。
「風の贈りもの」のときは、光景の目撃者としてフルートとフィリシアを選びました。
「夢みたもの」のときは、核を決めた時点で自動的に決まっていました。
「遥かな国の冒険譚」の主要登場人物の中から、一人を選んだり、二人を選んだり、組み合わせを変えてみたりして、大体すんなり決まります。

ちなみに、私がよく、「誰それの話を書いたから、次は誰それの話を書きたいなあ」などと言うときは、書きたい人物に合う核が出るまで、核を拾って選び直しています。
このことをもって「お話を人物から作るときがある」というのかどうかわかりませんが、私の感覚では、これも変わらず「核から作っている」イメージです。

次にジャンルを決めますが、「遥かな国の冒険譚」の場合は、メルヘンまたはファンタジーに固定されるので、省略。
そして、お話の全体の流れを考えます。要となる、いくつかの場面を設定することになります。
場面設定にあたって意識するのは、私の場合、「自分の読みたいお話」、ただそれだけです。起承転結や、序破急や、論理的なつじつまや、その他のあれやこれやは、ページ配分の参考にすることがあるよ、程度の軽さです。
掌編~短編のお話を書いているため、必要となる場面の数は少なく、あとは登場人物の癖を考慮しながら、場面と場面の間をつないでいけば、できあがりです。記述にあたっては、「自分の読みたい話がどんなふうか、他のひとにもわかるように」を心がけています。
もし、この段階まで来て、うまくつながらない(=何か場面が足りないか、場面を語る筆力が足りない)場合は、そのお話をあっさりあきらめて(!)、核から選び直して、違うお話を書きます。
あきらめたほうのお話は、そっと転がしておいて、ときどき手に取ってみると、あるとき、足りなかったピースが嵌って、書ける状態になっていますconfident

・・・以上。という、きままで自分勝手な書き方をしております。
こんな書き方をしているうえに、いちばん大切にしている読者が「自分」である時点で、小説家は目指していません☆
(素敵な公募情報に出会ったら、合いそうな方にプレゼントclover

もっと、まっとうなお話の作りかたは、この記事を書くきっかけとなった、のんさんの「頭の中の白い靄と戦いながら雑談してく。」をご参照くださいませshine
今回の記事を読んで、さらに「自分の場合は・・・」と語ってくれる書き手さんがいらしたら楽しいけれど、どうかなあ。

ひとやすみ:夢をあやつる?

お仕事が一段落つきました。今日は雑談です。
「明晰夢(めいせきむ:眠っているとき、夢だとわかってみている夢のこと)」についてです。
少し前に、「明晰夢って、夢の内容を自分であやつることができるって、本当?」という内容が、おつきあいのある複数のサイトさんで取り上げられていたので、書きたくなりました。

本当ですよ~。あやつれますよ~。やったことあります~♪
めったに明晰夢を見ないので、経験は少ないですけど。

私の場合、夢の中でどんなに不条理なことが起こっていても、夢だと気づかないことが多いです。
でも、誰かに追いかけられている夢のときには、「夢だ」と気づきやすい傾向があるみたいで。
行き止まりの階段を駆け下りたり、どこかの部屋に飛び込んだりしながら、「夢かな?」と気づいて、
→ 「私の見ている夢なら、私の思い通りになるよね」と思う
→ 「ここには隠し部屋があるはず!」と、強く念じる
→ 行き止まりの壁を押したり、部屋の中の本棚を操作したりする
→ じゃーん、隠し部屋が現れた! 逃げ切れた!
というのが、私の明晰夢で一番多いパターンです。

他には、夢の中で、なぜかキリンとか象とか様々な動物がドドドドーと走っていて、私はその中の一匹の背中に乗せてもらっていて(大型の犬か狼)、「この大きさで私を乗せて走るのは大変だろうな」と思いながら、「あれ、これ、夢?」と気づいたことも。
「じゃあ、私を乗せてくれている君、もっと大きくなって!」と念じたら、犬っぽい姿かたちはそのままに、むくむくと、馬くらいの大きさになってくれました。

思うに、「これは私の見ている夢 → それなら、私の思い通りになる」という認識が強い人は、夢だと気づくことさえできれば中身に干渉できる。ということじゃないかな?
だから、もしこの記事を読んで、「そっかー、本当にあやつれるんだー」と得心した方がいらしたら、次に明晰夢を見たときに、「あ、自分の思い通りにできるんだっけ」と、夢の中で思い出せるかも。そしたら、試しに何かを願ってみれば、きっと、そのとおりになるよ!

ちなみに、私が体験したことのない夢は、生き物以外になる夢。
動物になったことならあるし(人に化けられる狐になって、生体実験所を壊滅させた)、
アニメの夢を見たこともあるけど(ルパン3世ファミリーと一緒に冒険した)、
生きてないものになったことはないのです。
「ゆうべの夢で、自分は消しゴムだった」のように、夢の中で生き物以外になれる人がいると聞いたことがありますが、どんな物語が展開されるのか、経験者の方がいらしたら、教えてください~。

進捗状況報告(2014/07/06)

「最近は、寝るのに忙しいです」・・・などと言ったら、「寝る間もないほど忙しい」方々からお叱りを受けてしまいますね。

でも、6月同様に7月も、前半は仕事がギッチリ詰まっていて、帰宅後や休日は、休養のためにひたすら眠っています。
家事も趣味も後回しにして、眠ります。「寝るのに忙しい毎日」なのですsweat02

とはいえ、起きている空き時間が全くないわけではないので、合間を縫って、次作をぽちぽちと書き始めました。
ゼラルドとフィリシアがメインの、「鈴の音(仮題)」というお話を、1ページ書いたところです。
イベントの発生時期としては、「空色のドレス」の手前に入るお話です。全3回くらいになるかなあ。

7月後半になれば、仕事が一段落して楽になるので、そうしたら、公開時期のめども付くと思います。
いましばらく、お待ちくださいね。

ひとやすみ:応援

身近に何人か、いろいろ考え込んでいるひとがいます。
考え込むこと自体についても、考え込んでいます。

でも、ぐるぐると、悩みの渦に巻き込まれたことのある人にしか、見えない光景があるよね。

道を見失い、茫然として立ち尽くしたことのある人にしか、備わらない強さもあるよね。

なすすべもなく流されて行った先でしか、見つけられない目的地もあるよね。

だから、大丈夫。

納得いくまで、悩んでいいんだよ。立ち尽くして、いいんだよ。流されたって、いいんだよ。

そして、どの方向に思いきって踏み出しても、間違いなんて、ないんだよ。

大切なのは、命をつなぐこと。朝が来るまで、生き延びること。

そのために誰かの助けが必要で、他に心当たりがなかったら、呼んでくれたら、会いに行くからね。

応援しています。

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