2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

ひとこと通信欄

  • (2017/6/11夜) 「火の鳥」を印刷所さんに入稿する準備をしていたら、ブログの更新間隔が空いてしまいましたー。すこーしお待ちくださーい。

ランキング参加中!

  • 記事がお気に召したらクリックしていただけると、作者の励みになります。(1日1回まで)

    (投票せずに順位を確認したい方はこちらから。)

読者アンケート実施中♪

  • 所要時間は5分くらい?
    個人情報の入力はありません。
    よろしくお願いいたします。
    こちらから。

SF「夜景都市」(未完)

最近のトラックバック

プロフィール

  • 城

    雪村月路
    snow.moon.rainbow☆gmail.com
    (☆を@に変えてください)
    Twitter: @ariadne_maze
    ブログ更新量について
    愛読書100冊

    うちの子同盟 うちの子同盟

無料ブログはココログ

« 作者より:夜景都市(プロローグ) | トップページ | 野に休む(02) »

野に休む(01)

 クルシュタイン国を発ってから、しばらくの間、旅慣れない彼らは無理をせず、ゆっくりと移動した。にぎやかで治安のよい街では、大きな宿を拠点として観光した。中継地点の小さな町でも、遠くまで行くことより、じゅうぶんな休息をとることのほうを優先した。
 そうした日程は、フルート王子と、その友であるセレン・レ・ディアが、二人で地図を見ながら、長期的・短期的な視点で、ひとつひとつ確認しながら決めているものだった。彼らの護衛の対象であるフィリシア姫は、自分が馬術に劣るせいで一行の足を遅くしているのではないかと心配していたが、「ゆっくり移動するのは、まず旅に慣れることが目的だから」と聞かされて、納得したようだった。また、同行している黒髪の若者は、行程には一切口を出さず、黙って付きしたがっていた。
 半月ばかりして、生活のリズムが整った頃、いよいよ人里を離れるルートを取ることになった。いくつか小さな町や村を渡ったあと、いなかの宿の食堂で、金髪の王子は仲間たちに問うた。
「この先は荒野が続き、2日ほど、宿らしい宿がないようだ。天候は安定しているから、準備を整えたら、予定どおりに発とうと思う。ただ、今いるこの町で何日か待てば、隊商のひとつやふたつも来るだろう。どこかの隊商と共に行ったほうが大人数で心強いのではないか、とは、この宿のあるじの言だ。皆はどう思う?」
「「ぼくたちだけでいい」」
 間髪入れず、期せずして、セレンとゼラルドの声が重なった。二人はお互いをじろりと睨んだが、まずセレンが先に理由を述べて、
「ただでさえ野宿などという不便を強いられるのに、よそものにまで気を遣わなければならないのは、ぼくは御免だ。野に休むときの注意点については、いやというほど情報収集したし、荷馬は念を入れて支度したから、それで十分だ」
 さらに続けようとするのを、ゼラルドの冷淡な声が奪った。
「獣、魔物、盗賊、いずれに対しても、ぼくたちだけで対処可能だろう。むしろ、見知らぬ人間のほうが、よほど危険なのではないか」
「そうか。フィリシアは?」
 フルートの澄んだ青い目が、姫君に向けられる。
「私は、どちらでもかまいません」
と、青い髪の姫君は、穏やかに笑って言った。消極的な感じではなく、むしろ、なんだか楽しそうな声音だった。セレンとゼラルドが不思議そうな視線を向けると、姫君は申し訳なさそうに付け加えた。
「でも、戦うのは不得手です。ごめんなさい」
「気にしなくていい」
 フルートが言って、にこ、と笑った。彼もやっぱり、なんだか楽しそうだった。
「決まりだ。ぼくたちだけで行こう」
 そういうことに、なった。

« 作者より:夜景都市(プロローグ) | トップページ | 野に休む(02) »

コメント

野に休む・・落ち着いて読めました。
続きも楽しみにしていますね(=^・^=)。
夜景都市・・好きです!続きがとっても読みたいです。

うさパンさん、
コメントありがとうございます♪

お忙しいところを、両方とも目を通していただいて、ありがとうございます。
「野に休む」は、またまた地味な、地味なお話になっています…sweat02

それと、もう数か月もすると、記事500本に続き、あるものがある数に達しそうなので、
夜景都市の続きは、そのときに載せようかなあと思っているところですconfident

あるものがある数に???
楽しみにしています(=^・^=)♪

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568827/60517758

この記事へのトラックバック一覧です: 野に休む(01):

« 作者より:夜景都市(プロローグ) | トップページ | 野に休む(02) »