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一角獣の角(03)

「こちらこそ、お会いできて嬉しく思います、美しく猛き方」
と、ミルガレーテは微笑んだ。
「でも、どうして、わたくしが<光り姫>だとお分かりになったの」
≪人として生まれながら、聖域にて育まれ、光り輝くばかりの清らな方と、聞き及んでおりましたゆえ。人の身にて水を渡る、かほどに清らな乙女がどれくらいおりましょう≫
 一角獣は、まじめに答えて、目をそらさない。ミルガレーテは言葉に迷いながら、
「・・・わたくし、今日は、お願いがあって参りました」
≪何なりと≫
 一角獣の藍色の瞳を、ミルガレーテは、自らも金色の瞳で真剣に見つめ返した。
「わたくしは、あなたの一族が、光の眷属の中でも特に勇敢な戦い手であることを知っています。その見事な角が、戦においては優れた武器であることも。でも、どうか、ほんのひとかけらだけ。人にとっては霊薬となる、その角を削らせていただけないでしょうか」
≪二言はありません。どうぞ削ればよろしい≫
 一角獣は、首を下げ、ミルガレーテの目の前に角を差し出した。ミルガレーテは、傍らに寄り添って、ナイフを取り出した。
≪先端に近いところを、お好きなだけお持ちください、光り姫≫
「削ったら、痛くはありませんか」
≪ありませんよ≫
 間近で見ると、角には螺旋状の凹凸があった。ミルガレーテは、先端に近い突起部分にナイフを当て、思い切って力をこめた。ガリッと乾いた音がして、ひとかけらが取れた。
≪もっとお持ちなさい、光り姫≫
「えっ・・・、でも」
≪このような機会は、他にありませんから≫
「・・・ありがとう」
 ミルガレーテは、もう一度、刃を当てて、ひとかけらを削り取った。
「これで十分です」
 一角獣は、ゆっくりと頭を上げた。そして、驚いて言った。
≪なぜ、泣いているのですか、光り姫≫
「初めて会う者に、体の一部を削り取られて、あなたの心の痛まぬわけがありませんもの」
 ミルガレーテの両の頬に、涙が流れていた。一角獣は、藍色の瞳を和ませた。
≪話に聞いていたとおりの、心優しいかただ≫
「いいえ・・・」
≪闇を封じるためには光を滅すればよいと、わかっていても、とてもできません≫
「え・・・?」
≪お互い、仲間のもとに戻ることにしましょう。会えて良かった。さようなら、光り姫≫
 一角獣は、向きを変えて森の中へと去って行った。

はみ出て、もう1回あります。

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コメント

美しいもの・・感じています。
美しい・・静謐・・清らか・・真っすぐ・・
いろんな言葉が湧きます・・。

うさパンさん、
コメントありがとうございます♪

特に何がどうといったことのないお話ですが、美しいものや優しいもののイメージを助けることで、なにがしかの癒しの力を宿せたらいいなあと、願いながら書いています。
静かに安らいで読み終えられるようなお話にしたいですconfident

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