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ひとこと通信欄

  • (2017/8/13朝)創作活動が進みません~。少しばかり夏休みをいただきます~。

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SF「夜景都市」(未完)

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2014年11月

大道芸人の賭け(01)

 治安のよい、にぎやかな街だ。天気もいい。遊びに出るなというほうが無理な話で、金髪の王子は例によって、ルークと名乗って見物に出かけることにした。
「ぼくも行く」
と、セレンが、月色の長い髪を束ねながら付いて来る。どうせ、美女を見つけるまでの間だけに決まっているのだが。
 ふたりで大通りを歩いていくと、やがて噴水のある大きな広場に出た。何か見世物をしているらしく、人だかりがしている。
「何だろう?」
と、ルークが言うと、彼より少し背の高いセレンには何かが見えたらしく、
「ナイフ投げ、かな?」
「へえ!」
 ルークの青い瞳がきらめいた。ナイフ投げなら、ルークにも心得がある。実のところ、専用の小ぶりのナイフを常に10本持ち歩いているくらい、お気に入りの趣味なのだ。
「俺より上手かどうか、見て来る」
「はいはい、ご随意に。ぼくは興味ないから」
と、セレンは早くも別行動になった。
 ルークが、するりと人ごみに潜りこんでみると、ナイフ投げの芸人は、最後の見世物を始めたところだった。見たところ、ルークより一回り年上で、髭を短く刈り込んだ、栗色の髪の男だ。パン、パン、と手を叩き、男は良く通る声で口上を述べた。
「さあさ、お立合い! はやぶさテッドの最後の出し物だよ! これなる女性は、我が最愛の妻、メリーアン。彼女が、なんと! ナイフの的に、はりつけになってしまうのだ! 10本のナイフが少しでも逸れれば、愛しい妻を傷つけてしまう。どうする、テッド! もちろん、髪一筋だって傷つけやしないさ! とくとご覧あれ!」
 愛らしい顔立ちの、小柄な女性が、観衆に向けてお辞儀をしてから、ナイフの的に向かって歩いて行った。的となっている板は、ちょうど人ひとりくらいの大きさだ。女性は、自分で目隠しの布をつけ、ぴったりと板に背中を合わせて、はりつけの姿勢になった。
「いつでもいいわ、テッド!」
「よし。では、1本目!」
 ひゅん、と風を切って飛んだナイフは、タンッと小気味よい音を立てて、メリーアンの左耳の横に突き立った。おお、と観衆がどよめいた。
「2本目! 3本目! 4本目! 5本目!」
 タンッ、タンッ、タンッ、タンッ。メリーアンの肩、手首、腰、膝をかすめるように、ナイフは正確に板に突き刺さり、ビーンと震えている。観衆は息をのんで見守った。
「あと5本! 6本目、7本目、8本目、9本目、――さあ、これで10本目だ!」
 タンッ、タンッ、タンッ、タンッ、タンッ! メリーアンの反対側をかすめるように、膝、腰、手首、肩、最後は右耳の横! 口上通り、ナイフ使いは、髪一筋として妻を傷つけることはなかった。
 はやぶさテッドは、ナイフに囲まれた妻に向かって歩いて行き、10本のナイフを引き抜いてから、妻の目隠しを外した。メリーアンは嬉しそうに笑って、夫に抱きつき、髭だらけの頬にキスをした。それから二人は、観衆に向かって、深々と一礼した。
「以上、はやぶさテッドのナイフ投げでございました! お代はそちらの帽子の中へ!」
 観衆は、惜しみない拍手を送った。チャリン、チャリンと、帽子は見る間に硬貨でいっぱいになった。

読者アンケートは左サイドバーの上のほうで
引き続きご案内しております。

予告:「大道芸人の賭け」&コメント1000件ありがとうございます☆

予告です。

明るいお話を書こうと思って、フルート(ルーク)がメインのお話にしたのですが、
そうだった・・・。このひとは一番、容赦ない人でもあるんだった・・・。
もしかしたら、やや苦いお話になるかもしれませんsweat02
フルートの人となりを知っていただけるから、たまには、いいのかな。
セレンをおまけに付けようと思うので、後味悪い話にはならないと思います。
全3回か4回になります。

月初は仕事が忙しいので、更新ペースが遅くなるかもしれませんが、
間が空いたら「あー、忙しいのかなー」と、気長にお待ちいただけると幸いです。

***

そして。

このブログのコメント数が1000件を超えました。ご愛顧ありがとうございます!
単純に考えれば半分は私が書いているのだと思いますけれど、500件はいただいた計算。

サイト開設からほぼ4年。その間、他のサイトさんを見て回りながら気づいたのは、
うちのブログは、読者の方がコメントを書いてくださる率がずいぶん高い、ということ。
小説読者の方々の、たぶん半分以上が、何らかのコメントを残してくださってる。
それって、あんまりないことみたいなんです。嬉しいです。ありがとうございます。
これからも、いつでも、どの記事にでも、ご意見・ご感想、お寄せくださいねconfidentheart04

そしてそして。
コメント1000件超えた企画で、「夜景都市」の続きを、うっかり載せようと思います。
未完なのは以前にも述べたとおりですが、前回はプロローグ、今回は本編です。
「大道芸人の賭け」終了後に、掲載予定です。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

光り姫(トーナメント参加用)

 幼いころに、静養のための城で、一度だけ妖精の姿を見たことを、フィリシア姫はその後もちゃんと覚えていた。
 妖精たちが、月の光で作った首飾りを自分にかけてくれたことも、その結果、自分の病が瞬時に癒えたことも、とうてい忘れることのできない強烈な体験だった。
 城には、静養の必要がなくなったあともよく訪れたが、あれ以来、妖精の姿を見ることはなく、月日は流れ、青い髪の姫君は幼さを残しながらも、次第に娘らしく成長していた。

 その夏も、フィリシアは静養の城に滞在していた。
 ある夜、夢の中で、妖精たちの声を聞いたように思った。
「お久しぶりです、フィリシアさま」
「時が満ちました、フィリシアさま」
「明日の午後、お迎えにあがります」
「ミルクをひと匙、はちみつをひと匙、ワインをひと匙用意してお待ちくださいね」
 翌朝、目を覚ましたフィリシアは、言われたとおり、ミルクをひと匙、はちみつをひと匙、ワインをひと匙用意した。これがただの夢ではないと信じて。
 いよいよ午後になった。
 突然、ぱたりと周りの時間が止まったかのように、特別に静かな時間が訪れた。
 フィリシアがどきどきしながら待っていると、部屋の中で、小さな声がした。
「フィリシアさま、私達の姿が見えますか」
 声のするあたりを眺めてから、ぐるりと部屋を見回して、もう一度よくよく見たあとに、フィリシアは悲しそうに言った。
「いいえ、見えないわ」
「悲しまないで。もうそういうお年なのです」
「でも」
「大丈夫。ほんの少しの間、魔法の力で見えるようにします。このミルクとはちみつとワインに・・・」
 その言葉とともに、何かの滴が垂らされたように、それぞれの液体が揺れた。
「・・・さあ、これで良し。全部舐めてくださいな」
 フィリシアは言われたとおりに、ミルクとはちみつとワインを舐めた。すると、部屋の中にぼんやりと漂う、いくつかの小さな人影を見分けられるようになった。透き通った羽を震わせ、ふわふわと浮いている。
「ああ、妖精さん! 見えるわ!」
「よかった、魔法が効きましたね。では、参りましょう」
「どこへ?」
「まずは、湖へ」
 城を取り巻く緑を抜けると、さほど遠くないところに丘があり、丘を下ると湖がある。
 以前、ばあやと一緒に遠足に来たことのある道を、フィリシアは妖精たちに導かれて歩いた。なぜか誰にも出会わない。
 道すがら、妖精たちはフィリシアに話した。
「私たち、フィリシアさまにお願いがあるのです」
「フィリシアさまのお年を数えて待っていました」
「光り姫さまのご友人になって差し上げてほしいのです」
 光り姫さま。たしか、小さい頃にもらった光の首飾りは、本当はそのひとのためのものだった。
「光り姫さまって、どんな方?」
 訊くと、妖精たちは口々に答えた。
「お優しい方」「お可愛らしい方」「お淋しい方」
 それなら友達になれるかもしれない、とフィリシアは思った。妖精たちは補足して、
「元は人間でいらしたのに、人間のお友達がいらっしゃらないのです」
「人間の目に触れてはならないきまりがあるのです」
「選ばれた人間とだけ、お会いできるのです」
「私、選ばれたの?」
 フィリシアは尋ねた。妖精たちは、少し緊張した声で答えた。
「いいえ、まだ」
「でも、私たち、フィリシアさまが選ばれると信じています」
「選ぶのは、剣なのです。これからご案内します」
 話しているうちに、湖についた。岸には、小舟が一艘、夏の風に揺れていた。
「どうぞお乗りください」
 言われて乗り込むと、ひとりでに動き出す。
 湖の真ん中の浮島で、小舟は止まった。
「どうぞお降りください」
 言われて降りると、浮島には、小さな石造りの祠があった。きっと、この中に。
 果たして、フィリシアが祠を開けると、中の台の上には、燦然と輝く黄金の剣が、鞘に収まった状態で乗っていた。柄の部分には、深い青色をした宝石が嵌め込まれている。
「どうぞ剣を抜いてください」
 妖精たちが、さやさやと囁きかける。フィリシアは剣を持ち上げた。見た目よりも、ずっと軽くて、少女にも容易に扱えた。装飾用の剣なのかもしれない。
 鞘と柄を持って、思い切って引き抜くと、剣はすらりと抜けた。刀身も金色だった。
 妖精たちは、わっと喜びに沸いた。
「抜けたわ! ああ、やっぱり!」
「フィリシアさまは、剣に選ばれました!」
「光り姫さまに会って差し上げてください。どんなにお喜びになるでしょう!」
 フィリシアは、導かれるまま、剣を鞘に収めて手に持ち、小舟に戻った。
 小舟は再び、ひとりでに動き出し、さっきとは違う岸辺に寄りついた。
 岸辺には白い花がたくさん咲いていて、そこに、編みかけの花冠が置いてあるのがフィリシアの目に止まった。
 そっと拾い上げたフィリシアに、妖精たちは微笑んだ。
「光り姫さまが編んでいたのだと思います」
「新しいご友人のために。初めてのご友人のために」
「剣を抜いて、ここに置いてください、フィリシアさま」
 フィリシアが言われたとおりにすると、妖精たちは呼ばわった。
「光り姫さま。光り姫さま!」
「どうぞおいでください」
「フィリシアさまがお待ちですよ」
 すると、背後でさらさらと時の砂が流れるような感覚があって、フィリシアははっとして振り向いた。
 が、誰もいなかった。ぐるりと見回したが、やっぱり誰もいなかった。
 妖精たちを見ると、困ったような顔をしていた。
「いま、一瞬おいでになったのですが」
「緊張して逃げてしまわれました」
「どうしましょう、きっと近くにいらっしゃると思うのですが」
「・・・探しましょう!」
 フィリシアは言った。光り姫に会ってみたい気持ちが強くなっていた。妖精たちから慕われている、やさしい光り姫。緊張して逃げてしまった光り姫。花冠を編んでくれていた光り姫に。
 フィリシアと妖精たちは、呼ばわりながら岸辺を歩いた。
「光り姫さま。光り姫さま」
「どうか出て来てください」
「フィリシアさまがお待ちですよ」
「そうよ。私に花冠、編んでくださいな」
 歩いているうちに、小さな洞窟があった。その陰から、白いドレスの裾がのぞいているのを、フィリシアが見つけた。
 妖精たちに、シーッと言って、フィリシアは話しかけた。
「こんにちは、光り姫さま。フィリシアと申します。私」
 どきどきしながら、息を吸って、相手に届けと想いをこめて言った。
「私、あなたのお友達になりに来ました!」
 白いドレスの裾が、ふわっと揺れた。それから・・・おずおずと、本当におずおずと、岩陰から、その人が出て来た。白い肌、金色の髪、金色の瞳、薔薇色の唇。光り姫の名の通り、輝くような美しさだった。フィリシアよりいくつか年上に見えるが、ひどく緊張しているようだ。その唇が開いて、かすかに震える声が告げた。
「こんにちは。私の名はミルガレーテ。お会いできて嬉しいです」
 それが、フィリシアと、<光り姫>ミルガレーテとの出会いだった。
 今度は逃げませんように、と思いながら、フィリシアはにっこり笑って手を差し出した。
「手、つないで行きましょう、ミルガレーテ」
 ミルガレーテはそうっと岩陰から離れて、フィリシアの手を取った。夏だというのに、指先のひんやりと冷えた手だった。
「さっき見たわ。私に花冠、編んでくださるの?」
 尋ねてみると、こくんとうなずく。見た目はフィリシアより大人で背も高いのに、まるでフィリシアのほうが年上であるかのようだ。二人は手をつないだまま、白い花の咲く岸辺まで戻って来た。妖精たちも一緒だ。
 ミルガレーテはフィリシアの手を離して、ふわりと座った。編みかけの花冠を手にとって、続きを編み始める。
 フィリシアも、隣に座って、新しい花冠を編み始めた。ミルガレーテのために。
「できたわ、フィリシア」
「ちょっと待って・・・うん、私もできたわ」
 二人はお互いに花冠をかぶせあった。目が合って、ミルガレーテは恥ずかしそうに微笑んだ。ああ良かった、笑ってくれた、とフィリシアは思う。なんて可愛らしく笑うお姫さまなのかしら。
「よく似合っているわ、フィリシア」
「あなたもね、ミルガレーテ」
 二人は少し打ちとけた気持ちになって、ぽつりぽつりとおしゃべりをした。それでフィリシアは、この新しい友人について、いくつかのことを知ることができた。
 ミルガレーテが、古代レティカ王国の、最後の王の一人娘だったこと。
 東方の反乱によって王が亡くなる直前に、妖精王のもとに預けられたこと。
 その際、13本の宝剣に魔法がかけられ、世界中に散らばったこと。
 13本の宝剣が再び一堂に会するとき、ミルガレーテも人の身に戻ること。
 フィリシアが手に入れた剣は、その宝剣のうちの一本であること。
「宝剣は、私の友達を選んでくれるの。これが最初の一本目」
と、ミルガレーテは黄金の剣の鞘を撫でながら言った。すでに剣は鞘の中に収められている。
「この柄の青い宝石の意味は、誓いと友情。私を呼び出せるのは、この最初の剣だけよ」
「呼び出すって?」
「もし・・・もし、フィリシアが私に会いたいと思ってくれることがあったらね。そうしたら、この剣を抜いて、私の名を呼んでくれればいいの。月が満ちて行く時期なら、それで私、あなたのもとに現れることができるわ」
「月が満ちて行く時期って?」
「新月を過ぎてから、満月までの間。それ以外のときは私、何もわからずに眠っていて、動くことができないから」
「勝手に呼び出したら、迷惑したりしない?」
「ぜんぜん迷惑なんかじゃないわ。うれしい・・・と思う」
「それなら、呼ぶわ。明日も、あさっても。また一緒に遊びましょう」
「ありがとう。待ってるわ」
 ミルガレーテはにっこりと笑った。ああ良かった、また笑ってくれた。
 妖精たちが、遠慮がちに声をかけて来た。
「光り姫さま、光り姫さま」
「なあに?」
「フィリシアさまの呪い、見てあげてください」
「呪い・・・」
 ミルガレーテは真剣な顔つきになってフィリシアに向き直った。フィリシアは少しの間おののいた。呪われた身で、友達になってはいけなかっただろうか。しかし、とがめられる気配はなかった。
「妖精たちから聞いているわ。強力な呪いがかけられているとか」
「私、よくわからないの。お父様もお母様も、教えてくださらなくって」
「見てみるわ。私、少し解呪の呪文が使えるの。両手を出して」
 フィリシアが両手を出すと、ミルガレーテはその手を取った。
「しばらく、静かにしていてね」
 そう言うと、柔らかな声で、魔法の呪文を唱えだす。フィリシアの周りに、ポウッと白い輪が浮かび上がり、複雑な模様を刻んでいく。
 ミルガレーテの声が、少し緊張して来た。フィリシアの周りに、二重目の輪が浮かび上がり、複雑な模様を刻んでいく。
 ミルガレーテの声が、苦しげになって来た。フィリシアの周りに、三重目の輪が浮かび上がったが、
「あっ」
 短い悲鳴とともに、三つの輪はカッと光ってかき消えてしまった。
 ミルガレーテは荒い息をしている。顔色が真っ青だ。
「大丈夫、ミルガレーテ」
「ごめんなさい、解呪できなかった!」
 ミルガレーテの目には、みるみるうちに涙が盛り上がって来た。
「ごめんなさい、フィリシア。せっかくお友達になってもらったのに、私、何もしてあげられなくて」
「呪いは解けなくても、やってみてくれたことだけで、私、すごくうれしいわ」
 フィリシアは本心から言った。
「呪いの中身はわかるの、ミルガレーテ」
「ええ、わかったわ。自分の国に・・・いられなくなるのよ」
 ミルガレーテは口ごもりながら、そう言った。それから、はっきりした口調で、
「たぶん、フィリシアはそのうち、旅に出ることになると思うわ」
「旅に?」
 そう聞いて、フィリシアの胸のうちに湧きあがったのは、しかし、おそれや不安ではなく、何かもっと、未知への期待に近いものだった。
「フィリシアがいやでなければ、私も一緒に行くわ」
「ありがとう。きっと一緒よ」
 話しながら、気がつけば、日が傾きかけている。
「今日はもう帰りましょう、ミルガレーテ。ちゃんと休んでね。明日、きっと呼ぶから」
「きっとよ、フィリシア」
 二人の姫君は、すでに友情で結ばれていた。

 幾年かののち、解呪の聖泉へと旅立つとき、フィリシア姫の荷物の中には、金色の宝剣がしっかりと収められることになる。

(完)

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独立して読めそうな作品を選び、元は連載記事だったものを1つにまとめてみました。
約4,900字。

宝物:フィリシアを描いていただきました!

素敵な絵をたくさん描いていらっしゃる、なぎさんが、フィリシアの絵を描いてくださいました!
なぎさんの絵、大好きなんです。描いていただけるなんて、夢みたい…heart
載せてくださっている元の記事はこちらです → 「青い髪のお姫様

お許しをいただいたので、フィリシアの絵、ここに飾らせていただきます。どーん。

「青い髪のお姫様」 by なぎさん
これ、マウスで描いていらっしゃるんですよ~。すごい~shine
綺麗で、優しくて、お茶目なフィリシア。本当にそのとおりの絵で、感激です。
どうもありがとうございます!

・・・と、思っていたら、アナログでこんな絵も描いてくださいましたlovely
元の記事はこちらです → 「アナログらくがきつめつめ。

フィリシア-1

フィリシア-2
フィリシア-3

か、かわいい・・・っheart04
フィリシアは果物大好きだから、高い所にあっても、よじ登って取っちゃうよね、きっと。
どこかの台所を借りて、みんなのおやつにバナナケーキが出て来るかもdelicious
なぎさん、本当にありがとうございますsign01

***

次回の更新は、新作の予告記事になります。
あと、読者アンケートの回答がまだの方は→こちらからご協力いただけたら嬉しいですconfident
個人情報の入力は一切ありません。回答数10を目標にしています。
「途中まで読んだ」方も、「途中から読んでいる」方も、ぜひぜひご参加ください。
所要時間は5分くらいだと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしますclover 

ひとやすみ:東京メトロ 地下謎への招待状

2014年11月。
東京メトロの電車に乗ると、時々、こんなものを持っている人がいます。

Photo

これは、地下鉄を使った謎解きイベントのキットです。
東京メトロの、銀座、上野、池袋、新宿、渋谷駅で購入できます。
東京メトロの一日乗車券がセットになっていて、お値段は2,160円。
イベントのホームページは→こちらです。

私も、この週末に、友達と二人で、謎、解きに行ってきました!
以下、ネタバレなしで、ご報告です。

友達とは午前10時に駅で待ち合わせ。キットを購入して、謎解きスタート。
キットの中には、路線図や、問題の書かれたカード等、色々なものが入っています。
うんうん、こういうのは、最初に段取りを決めるのが大事なんだよね!
喫茶店に行って、中身を順番に確認し、二人で作戦会議。
制限時間は特にないので、のんびりアイスクリームなど食べながら。

Photo_2
すぐ解ける謎もあれば、しばらく考える謎もあり、1時間くらい相談しました。
1問、ホームページでヒントを見ちゃった問題もありました。(あれを自力で解けた人って、いるのかなあ…。)
どこをどういう順番で回るか、だいたい決めてから、出発。

移動手段は当然のように地下鉄ですが、地上も歩くように作られています。
途中、同じキットを持った人たちを、たくさん見かけました。人気あるのね~。

キットの指令に従って目的地を調べている最中、女性二人組から声をかけられたことも。
「あのう、これって、みなさん何をやっているんですか?」
「地下鉄を使った謎解きなんですよ~。楽しいですよ♪」
説明すると、非常に興味を示していたので、あのあと、きっと参加したのではないかしら。

お昼は、通りかかったお店で、うどんを食べました。作戦会議しつつ。
午後は、通りかかったお店で、お茶休憩を取りました。作戦会議しつつ。
1問まちがえて時間ロスしたけど、制限時間のないイベントだから、気にしなーい。

16時過ぎ、最終目的地に到達。最後の謎にチャレンジ。
この時点で、解けてない謎が1問あったので、けっこう考えました。15分くらい?
周りでも、キットを持った人たちが、みんな考えている…。
そのうち、あちこちのグループから、「あっ、わかった」という声が聞こえ始めて、
私たちも、「ねえ、きっと、これが答だよね?」

友達がスマホでホームページにアクセスして、答を入力。
☆☆☆ 正解でした! ☆☆☆
…ただ、結局1個、最後まで解けなかった謎が残ってしまい、不完全燃焼。
イベント期間終了後、解答を調べてみよう…。

というわけで、最後がちょっとキレイに〆られなかった私たちですが。
全体の感想としては、楽しかったですよ!
12月25日まで開催しているので、東京メトロに親しみを覚える圏内にお住まいの方は、気が向いたら参加してみるといいと思います。
ちなみに、謎解きイベントに慣れていなければ、2人以上で行くのがおすすめ。1人だと行き詰る謎も、2人なら解けることが多いから。
中学生以上のお子さんなら、親子で行くのも楽しいかもしれませんね♪

以上、ご報告でした~shine

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お知らせ:読者アンケートを作ってみたよ~☆

「アンケートツクレール」なるサイトを発見したので、アンケート、作ってみましたflair 
どのお話が好きか、誰がお気に入りか、私に教えてくださいheart 
期限等は設けておりませんので、お時間よろしいときに(5分くらい?)ご回答くださいませpencilshine
(お話ぜんぶ読んでなくても、いいんですよ! 面倒な設問があったら飛ばしてください!)

回答は こちら ←クリック!

選択肢の数に制限があったので、選択肢に最近のお話が入りきらなかったりしていますsweat01
けど、けっこう簡単に、綺麗にアンケートが作れたよ~happy01

いえ、もともと少人数のコミュニティゆえ、回答数は相当少ないものと思いますけれども…、
(10人くらい答えていただけたら嬉しいなあ…、)
それでも、こういう試みは初めてなので、結果を楽しみにしていますheart04
1台のPCから複数の方がご覧の場合、一人ずつ別々にご回答くださいねnote

よろしくお願いしまーすclover

進捗状況報告(2014/11/19)

そろそろ、明るくて、動きのあるお話を読みたいな。 
ということは、次作はきっと、フルートのお話になるだろうと思います。 
王子様モードではなく、おしのびで「ルーク」を名乗っているお話になりそう。
たぶん、単独行動時のお話。それか、ちょこっとセレンがおまけで付いて来るかも。
(もし、読み始めたばかりで旅の一行の顔ぶれがわからない方がいらしたら、
少し地味ですが、「黄昏色の旋律」全1ページなどお試しくださいませ。)

ええと、今日が水曜日、ということは。
金曜日に何か雑談して、日曜日に「東京メトロの謎解き」感想を書いて、
その次くらいの更新で、新作のお話ができたらいいな、と思います。

よろしくお願いいたします♪

こぼれ話:星座

誰が何月生まれであろうと、かまわないといえば、かまわないのです。
ただ、それぞれの誕生日イベントは、書いていく予定なので。
つまり、誰がおおよそ何月生まれなのかについては、公式設定が存在する、というわけです。

その公式設定に基づいて、冒険譚の主人公たちに、私たちの十二ヶ月と十二星座を当てはめると、こんな感じになります(年齢順)。
セレンは、12月生まれ、射手座。
フルートは、8月生まれ、獅子座。
ゼラルドは、1月生まれ、山羊座。
フィリシアは、6月生まれ、双子座。
おまけで、年齢不詳なミルガレーテは、2月生まれ、水瓶座です。

春に始まり、春に終わる旅の物語なので、最初に誕生日を迎えるのはフィリシアです。
季節が進み、冬、ゼラルドの誕生日を過ぎてから、解呪の聖泉に辿りつく予定です。

さて、星座占いの好きな方から見て、みんなは星座のイメージと合っているでしょうか。
まあまあ合っているかな・・・と、私には思えるのですが。
星座に興味のない方には、つまらないこぼれ話で、ごめんなさいsweat02

作者より:「一角獣の角」

ここから読み始めた方には、あまり親切でないお話になっちゃった気がします。
目次」ページで、初見でも読みやすいものを青字にしていますが、青字でないお話が続いています…sweat02

それはそれとして。

ゼラルドとミルガレーテの取り合わせは、かなり珍しいので、楽しんで書きました。
この二人をメインにすると、こんな雰囲気のお話ができるのか、と思いました。
二人の打ち解け具合から推測するに、今回のお話は、旅の後半に入るようです。
またいずれ、組み合わせて書いてみたいと思います。

次回は誰のお話にしようかな。
明るいお話がいいな。

→ 目次に戻る

一角獣の角(04)

 ミルガレーテは、対岸から見えないようにして涙をぬぐったあと、来たときと同じように湖を渡った。頼まれたことは終わったのだから、ほかの人間に見つからないように、すみやかに報告して立ち去らねばならない。
 湖のこちら側では、少しずつ明るくなる朝の空の下で、仲間たちが心配そうに彼女を待っていた。ミルガレーテは、声を励まし、笑顔を作って、報告した。
「戻りました。削らせてもらえたわ。ゼラルド、これで足りる?」
「十分だ。こんなに多く・・・」
「優しい一角獣が、削らせてくれたの」
 黒髪の若者は、うなずいて、薄い紙を2片取り出した。それぞれの紙の上に、角の欠片を1つずつ受け取って、包むように紙を折りたたみ、指で押さえて何かを唱えたあと、そっと包みを開くと、欠片だったものは、どちらも、さらさらと滑らかな細かい粉になっていた。
 ゼラルドは、粉が風に吹き飛ばされないように、急いで再び紙を折りたたんでから、
「では、この片方は、聖なる生きものに恩返しをするために使おう」
 ひとりごとのように言って、岸辺にかがむと、片方の紙包みを水面に浮かべた。包みは湖の中央に向かって水面を滑って行き、くるくると回ったあと、沈んで行った。
「あれは?」
と、フルートが尋ねると、
「この湖水がいつまでも清くあるために、人のできることだ」
と、ゼラルドは答えて、立ち上がった。ミルガレーテが曖昧な表情で彼を見つめていると、ちらと視線を返し、かすかに笑った。
「大丈夫だ。術者の死後も、効力は続く。いま生きている人々の、子の代になっても、孫の代になっても、さらにその先も・・・、いつか天のいたずらにより、この湖が干上がったり埋められたりしない限り、この水はいつまでも、聖なる生きものが口にすることのできる、清い水であり続けるだろう」
「ありがとう!」
 ミルガレーテは晴れやかな笑顔になった。そして、胸の前で手を組み合わせ、目を閉じて祈った。
「どうか私たちの感謝が、あの一角獣と仲間たちに届きますように」
「君にも感謝している、ミルガレーテ」
「え?」
 姫君が目を開けると、ゼラルドは、珍しいほど和らいだ眼差しを彼女に向けていた。
「もう片方の包みは、調合して、必ず有効に使わせてもらう。ありがとう」
「いえ、私は別に・・・。私、そろそろ行かなくちゃ」
 ミルガレーテがそわそわするのを、フィリシアが微笑みながら肯定した。
「そうね。そろそろ、人が起きて動き出す時間ね」
 光り姫は、うなずいて、ふわりと空気に溶けるように消えて行った。
 旅の仲間たちは、もう一度、湖を眺めやった。
 対岸に、すでに一角獣の姿はなかったが。
 湖は、祝福を喜ぶかのように、蒼く、蒼く、輝いていた。

(完)

一角獣の角(03)

「こちらこそ、お会いできて嬉しく思います、美しく猛き方」
と、ミルガレーテは微笑んだ。
「でも、どうして、わたくしが<光り姫>だとお分かりになったの」
≪人として生まれながら、聖域にて育まれ、光り輝くばかりの清らな方と、聞き及んでおりましたゆえ。人の身にて水を渡る、かほどに清らな乙女がどれくらいおりましょう≫
 一角獣は、まじめに答えて、目をそらさない。ミルガレーテは言葉に迷いながら、
「・・・わたくし、今日は、お願いがあって参りました」
≪何なりと≫
 一角獣の藍色の瞳を、ミルガレーテは、自らも金色の瞳で真剣に見つめ返した。
「わたくしは、あなたの一族が、光の眷属の中でも特に勇敢な戦い手であることを知っています。その見事な角が、戦においては優れた武器であることも。でも、どうか、ほんのひとかけらだけ。人にとっては霊薬となる、その角を削らせていただけないでしょうか」
≪二言はありません。どうぞ削ればよろしい≫
 一角獣は、首を下げ、ミルガレーテの目の前に角を差し出した。ミルガレーテは、傍らに寄り添って、ナイフを取り出した。
≪先端に近いところを、お好きなだけお持ちください、光り姫≫
「削ったら、痛くはありませんか」
≪ありませんよ≫
 間近で見ると、角には螺旋状の凹凸があった。ミルガレーテは、先端に近い突起部分にナイフを当て、思い切って力をこめた。ガリッと乾いた音がして、ひとかけらが取れた。
≪もっとお持ちなさい、光り姫≫
「えっ・・・、でも」
≪このような機会は、他にありませんから≫
「・・・ありがとう」
 ミルガレーテは、もう一度、刃を当てて、ひとかけらを削り取った。
「これで十分です」
 一角獣は、ゆっくりと頭を上げた。そして、驚いて言った。
≪なぜ、泣いているのですか、光り姫≫
「初めて会う者に、体の一部を削り取られて、あなたの心の痛まぬわけがありませんもの」
 ミルガレーテの両の頬に、涙が流れていた。一角獣は、藍色の瞳を和ませた。
≪話に聞いていたとおりの、心優しいかただ≫
「いいえ・・・」
≪闇を封じるためには光を滅すればよいと、わかっていても、とてもできません≫
「え・・・?」
≪お互い、仲間のもとに戻ることにしましょう。会えて良かった。さようなら、光り姫≫
 一角獣は、向きを変えて森の中へと去って行った。

はみ出て、もう1回あります。

一角獣の角(02)

 翌朝、朝日の昇るころ、一行は湖のほとりに立った。空は東のほうから明るくなりつつあり、うっすらと一つ二つ浮かぶ雲のふちが、いちはやく陽光を受けて金色に輝いている。
 やがて、湖の向こうの森の上に、朝日が顔を出した。静かな湖面に、陽光と、森の色、空の色、雲の色が、鮮やかに映りこんでいる――。
 最初に気づいたのは、フルートだった。ひそひそと、
「ほら、あそこに」
 指さした対岸で、一頭の、馬に似た生き物が、首を下げて水を飲んでいた。馬とは違う証に、その全身は白く光り輝いており、額からは真っすぐに長い角が生えていた。
 ゼラルドは辺りを見回して、自分たちの他にも物好きな誰かが、この幻想的な光景を見ているのではないかと確認した。が、おそらく地元の人間にとっては珍しい光景ではないのだろうし、旅行客は彼らしかいないようで、他の人影は見当たらなかった。
 フィリシアは、持って来ていた黄金の宝剣を、そっと鞘から抜いて、ささやいた。
「ミルガレーテ。ゆうべお願いしたことを、やってもらえる?」
 すると、何もない空中に、さらさらと光の砂が流れるような感覚があって、まるで空気から溶け出すかのようにふわりと、波打つ金色の髪をした姫君が姿を現し、地に降り立った。
 柔らかな白いドレスを着たミルガレーテは、小さな声で「おはよう」を言い、迷うような表情で順番に友人たちの顔を見比べたあと、少しの間うつむいて、それから、そっと顔を上げて、黒髪の若者を見つめた。
「ゼラルド、あのね。本当は私、あまり気が進まないの。考えてみて。あなただって、知らないひとには、髪1本、爪ひとかけら、渡したくはないでしょう?」
「・・・なるほど、そうかもしれない」
と、ゼラルドは応じて、姫君の不安そうな視線を受け止めながら、静かに続けた。
「君の言うことは理解できる。だが、多少なりとも医術を心得る者として、ぼくにはあの聖なる生きものの角のひとかけらが必要だ。可能ならば自分で交渉しただろうけれども、それは叶わない。いやな役目を負わせて申し訳ないが、頼まれてくれないか」
 彼なりに、誠意を表そうと努力しているのだと、仲間たちには分かった。もちろん、ミルガレーテにも伝わった。姫君は、いくぶん悲しそうな顔をしたものの、
「・・・わかりました。やってみます」
 そう言って、手のひらを差し出した。ゼラルドは、その手の上に、小さなナイフを乗せた。言うまでもなく、特別な儀式によって清められた小刀なのだった。
 ミルガレーテは、湖の上に足を踏み出し、そのまま、沈むことなく、軽やかに向こう岸へと渡って行った。姫君の素足の触れたところには、小さな水の輪が広がった。
 一角獣は、水の動きで、何者かの訪れを知ったようだった。しかし、首を上げて姫君を見つけた<彼>は、警戒を解いて、姫君の近づくままに任せた。
 姫君が、角の届くほど近くまでやって来ると、一角獣は、藍色の瞳で姫君を見つめた。
≪もしや、貴女は<光り姫>ではないのか。お目にかかれて、光栄だ≫

一角獣の角(01)

 身分を隠して、旅の4人は湖畔の町に宿を取った。ここに来るまでの道すがら、美しい湖があるとの噂を聞いていたが、既に日は暮れており、湖面は半月を映しながら黒々と広がっているばかりだ。
 宿の女主人が、食事を用意しながら、おおらかな笑顔で助言してくれた。
「お客さんたちもね、せっかく、こんな辺鄙な場所まで来なすったんだから。明日は早起きして、朝日の昇る頃に湖を見てみるといいよ。景色も綺麗だし、うまくしたら、向こう岸で一角獣が水を飲むところを見られるかもしれないからね」
「一角獣。本当に?」
 名前は知っていても見たことはない獣の名に、セレンが驚いて聞き返すと、女主人は自信たっぷりに大きくうなずいた。
「ああ、そうだよ。天気のいい日は、朝早くに、よく水を飲みに来るんだ。それだけ、この湖が神様と精霊様のお恵みを受けているということだからね、あたしたちはとても誇りに思っているよ。騒いだり近づいたりすると逃げてしまうから、見つけたら、遠くからそっと見守っておくれね」
 しかし、女主人がテーブルを離れると、黒髪の若者が静かに切り出した。
「相談がある。実は、解毒薬の材料を探しているのだが、一角獣の角を砕くと万能の解毒薬になる。手を貸してもらえないだろうか」
 物騒な言葉を聞いて、フルートは、周りに聞こえないように声をひそめた。
「まさか、伝説の聖なる獣を、捕まえろと言うのか?」
 ゼラルドは首を横に振った。
「いや。一角獣は気性が荒いと聞くから、とらえようとすれば向かって来るだろうし、戦えば、誤って殺してしまうかもしれない。ぼくが欲しいのは、ほんのひとかけらの角だ。無益な争いを避けるためには、言い伝えにあるとおり、心身の清らかな乙女が、一角獣に頼んで削らせてもらうのが良いのではないかと思う」
 若者たちの視線は、自然に、この場にいる唯一の乙女であるフィリシアに向けられた。青い髪の姫君は、慌てたように首を振った。
「待って、私は呪いを受けている身だから、清らかとは・・・」
 言いかけて、はたと思いついて、言葉を変えた。
「そうか、宝剣でミルガレーテを呼び出せばいいのね・・・わかったわ。今日のうちに部屋で説明をしておいて、明日の朝、誰にも見つからないようなら、手伝ってもらいましょう」
「ミルガレーテは<心身の清らかな乙女>に間違いないのか? ――ないよな」
 フルートが自分で自分の問いに答えたのは、テーブルの下でセレンに足を蹴られたからだ。
 フィリシアは、にこにこと笑った。
「そうね。明日お天気が良ければ、きっと何もかも上手く行くわよ」
 彼らが部屋に引き上げて、それぞれの窓から夜空を見上げてみれば、星の散らばる中にくっきりと浮かぶ上弦の月が、明日の晴天を約束してくれていた。

予告:一角獣の角

もっと華のあるお話を書きたいと思っていたところだったのですが。
どちらかというと静かなお話を思いついてしまいましたsweat02

でも、「黄昏色の旋律」「野に休む」に比べたら、あそこまで地味ではないと思うのです。
久しぶりにミルガレーテの出番が多いお話でもあり、まあいいか、という気持ちになりました。
そういう意味では、ミルガレーテを知らない読者様は、先に「(光り姫)」(全5回)をどうぞ。

あさって水曜日の夜からスタートします。全3回の予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。

ひとやすみ:玉砕した?けど、負けてない。

友達と二人で、ミステリー・ザ・サード2014に参加してきました。

「ミステリー・ザ・サード」とは、簡単に言うと、観客参加型の推理劇
目の前で起こる事件の謎を推理して、頭脳フル回転の数時間を楽しむことができます。

友達とは、少し早めの時間に待ち合わせて、まずカフェでお茶。
イベント集合場所から近い「金魚カフェ」で、クリームぜんざい(小豆とアイスを混ぜたもの)を食べました。
混んでいる日もあるという金魚カフェ、雨のせいか席があって良かった。美味しかったdeliciousheart04

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時間になって、集合場所へ。その後、会場に移動して、イベント開始。
推理劇(事件発生編)を2時間ほど鑑賞して、一所懸命にメモ、メモ、メモ。
事前の案内どおり、軽食が出たので、それも食べつつ。
食事内容は、結構しっかりしてて、美味しかったですよ~☆

推理時間は1時間。むむう…、今年のミステリー・ザ・サードは難しかった!
友達と二人で、ああでもない、こうでもない。
なんとか犯人と犯行手順を回答用紙に書いて、締切間際に提出。

続いて、事件解明編の劇を鑑賞。
「うん、そこは気づいてたよ」という部分もあれば、「ええっ、わっ、本当だ!」と、目からウロコの驚きも。
すごく良く出来たミステリーで、いつものとおり、主催のイーピン企画さんらしい細部の気配りに好感が持てる、満足できるイベントでした。
推理成績としては、私たちの推理は見事玉砕でした…coldsweats01

帰り道、友達と二人、道を歩きながら反省会をして、私たちの推理は「事件の前提を一つ間違えて、違う犯人に辿りついちゃったね」と。
あれにもこれにも気が付いていたから、かなり惜しかったよ、ということになりました。
負け惜しみなんだけれども、そんなに負けた気はしない!
来年も、リベンジしに行きます!

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