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大道芸人の賭け(03)

 そして、翌日。
 街は朝から、はやぶさテッドの話題で持ち切りだった。望むなら誰でも、街外れにある領主の館を訪れて、テッドの素晴らしいナイフさばきを見物して良いと、おふれが出されていた。前日にテッドの技を見た者たちが、口をそろえてテッドの腕前を誉めそやし、お祭り気分を盛り上げたから、たいていの者は「ちょっと見に行ってみようか」という気持ちになっていた。
 昼になり、テッドとその妻のメリーアンが迎えの馬車に乗って館に到着したときには、すでに、広い庭は準備万端だった。しかるべき場所にナイフ投げの的がしつらえられ、見晴らしの良い場所には領主の席が設けられ、その反対側にはロープが張られて、見物客がわらわらと詰めかけていた。警備の役人も動員されている。
 テッドとメリーアンが姿を現すと、観衆は喜んで、思い思いに、「がんばれよ」「しっかりね」などと声をかけた。テッドは緊張していたが、歓声に力づけられ、ふと、ルークの応援が聞こえた気がして、観客席を振り返った。思い思いに手を振っている観衆の中にルークを見分けることは出来なかったが、心強く感じて、テッドは観衆に手を振り返し、「よしっ」と自分に気合いを入れた。
 そうして、はやぶさテッドの公演は、とてもうまく行った。ナイフ5本を次々に投げあげては受け止めるジャグリング。遠くで燃えているロウソクにナイフを投げつけ、火を消してみせる技。後ろ向きにナイフを投げる技、ジャンプしながらナイフを投げる技、同時に3本を投げて的に当てる技・・・。
 最後に、メリーアンを的の前に立たせ、体すれすれに10本のナイフを投げつける大技が、今日も見事に決まった。領主も役人も観衆も、ナイフ使いとその妻に、惜しみない拍手と喝采を贈った。
 領主は拍手しながら立ち上がった。芸人夫婦が頬を上気させてお辞儀をすると、
「すばらしい技だった、はやぶさテッド! 約束の褒美を取らせよう。だが、その前に」
と、領主は言って、役人に合図した。役人は、ナイフ投げの的となった板を片付け、それよりも距離の遠い場所に、人の頭ひとつぶんほどの大きさの的を設置した。領主はうなずいて、言葉を続けた。
「さて、テッド。あの的は、さきほどの的より、小さく、遠い。ナイフ10本を投げ、全て当てることが出来たなら、約束の金貨10枚に加え、さらに100枚を褒美に取らせよう。ただし、1本でも的を外したら、100枚はもとより、始めの金貨10枚も、なかったことにする。どうだ、挑戦するかね?」
 観衆がざわざわした。金貨100枚あれば、1年間、遊んで暮らせる。テッドは新しい的の大きさと距離を、真剣に目で測った。・・・いける。
「喜んで、挑戦させていただきます」
 観衆の中から、聞き覚えのある声が「がんばれよ!」と声をかけてくれた。テッドはうなずいて、ナイフを構えた。集中して、狙いを定め、投げた。
 タンッ、タンッ、タンッ、タンッ、タンッ、
 タンッ、タンッ、タンッ、タンッ、タンッ!
「ほう、これは見事、見事!」
 領主は手を叩いた。観衆もどよめいて、手を叩いた。口々にテッドの技を褒め称える人々は、少しばかりテッドのことをうらやんでいる様子でもあったが、褒賞が金貨100枚とあっては仕方のないことだろう。
「では、約束どおり、金貨100枚を追加しよう。だが、その前に」
と、領主は言った。合図された役人たちは、ナイフの的を撤収し、さらに離れた場所に、人のてのひらほどに小さな的を設置した。まさか――。

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コメント

えーっ(>_<)・・ドキドキドキ・・

うさパンさん、コメントありがとうございます♪
あと1回で終わるかな、どうかな・・・。

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