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辻占い(02)

 二階建ての民家を二軒合わせたくらいの、こざっぱりした、食堂を兼ねた宿屋に戻ってみると、どうやら、フルートとセレンは出かけており、黒髪の若者ひとりが部屋にこもっている様子だった。
 それなら、買って来たお茶を入れるのは夕食後、みんなが揃っているときに――と、いったん思いかけながら、フィリシアはすぐに考え直した。茶葉は数回分を買ってあるから、夜は夜でまた別のこととして、今、ゼラルドと二人で時間を過ごせるなら、それもいい考えだ。なぜって、心の中で、「もし私にお兄さまがいたら、このような感じかしら」と、空想を楽しむことができるから!
 そうは言っても、ゼラルドのほうは、一人の時間を邪魔されたら迷惑に思うかもしれない。フィリシアが部屋の外で、声を掛けるか掛けないか逡巡していると、内側からドアが開いて、彼が姿を見せた。
 いつもと変わらない、謎めいた黒い瞳で、ゼラルドはじっとフィリシアを見つめた。それから、小さく首をかしげ、冷淡な穏やかさで口を開いた。
「ずっと部屋の前に立たれていては、術に集中できない。用向きは何だろう」
「ごめんなさい、あのね。お茶を買って来たの。フルートもセレンもいないけれど、よかったら、一緒に。いかが?」
 ゼラルドは首をかしげたまま、さらにフィリシアを見つめてから、ふ、と微かに笑った。
「君がそう言うなら、いただこうか」
 二人は、昼下がりで空いている食堂に行って、隅の席を使わせてもらった。テーブルを挟んで、向かい合って椅子に掛け、入れたての、湯気の立つお茶を口に運んだ。飲みものの温もりと、花の香りが体に沁みて、フィリシアの顔がほころんだ。
「おいしい!」
「そうだね」
 ゼラルドは静かに同意した。それ以上は何も言わないが、伏せた視線は和らいでおり、口元にはほのかな笑みが浮かんでいる。気に入ってくれたのなら嬉しい、と、姫君は満足する。
 そのまま、居心地のよい沈黙を楽しんでいたいとフィリシアは思ったが、器が空になり次第、このささやかなお茶の時間は終わってしまうだろう。常日頃、話したいと思いながら言い出せなかったことを、話してみようか。フィリシアはそっと聞いてみた。
「ねえ、ゼラルド。あなたは、私の呪いが解けるまで、一緒に来てくださるの?」
「・・・迷惑でなければ。可能である限りは、そうしようと思っている」
「よかった! そうしたら、そのあとは、どうするの?」
「・・・」
「いなくなってしまう・・・?」

のびました。あと1回あります。

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