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夢のような(02)

 それでも、フルートは客人たちに、仲間の安否を知らせてくれたことの礼を言った。客人たちは肩の荷が下りた様子で、別の宿に泊まると言って引きあげて行った。
 フルートと共に階下に降りていたセレンは、その一部始終を見ており、このあとフルートがどうするかということくらい、もちろん分かっていたが、念のために確認した。
「沼までの道は分かるのか?」
「分かる。フィリシアと別れた場所を覚えている」
「この雨では、道など見えないと思うけれど」
「それでも、行くしかないだろう!」
 怒られた。セレンは落ち着いて申し出た。
「では、ぼくも行く。ゼラルドに話してくるから、少しだけ待っていて」
 フルートがうなずくのを確認して、セレンは急いでゼラルドの部屋に行き、簡単に事情を話した。万一、フィリシアが無事で行き違ったときに備えて、留守番を頼もうとすると、黒髪の若者は、物憂げなまなざしでセレンを見上げた。
「さらわれたとは知らなかったが、フィリシアなら元気にしている。とくに危険はない。むしろ、この雨の中を出かけたら、君たちのほうが危険だろうと思う。雨がやむまで待てないだろうか」
「何を言って・・・そうか、フィリシアの安否を占ったのか。でも、それでフルートを説得できると思うなら、やってみればいいさ」
「そうだね、やってみよう」
 ゼラルドはセレンの脇をすり抜けて、階下に降りた。
 しばらく、フルートとゼラルドは、戸口近くで静かに言い争っていた。ときどき語気を強めるフルートに対して、ゼラルドのほうも一歩も引かない。そこはなかなか感心だ、と、セレンは少し離れた場所で、長い月色の髪を三つ編みにしながら思った。何を話しているのかは雨音に消されて聞こえないが、機嫌の悪いときのフルートに異議を唱えるのは、なかなか度胸がいることだ。
 まもなく、話がついたようで、フルートはセレンのほうをちらりと見て、うなずいた。呼ばれていると気づいたセレンが近づくと、フルートは、機嫌の悪いままの声で言った。
「明日の昼までに雨が止むと、ゼラルドが言う。それが本当なら、そのほうが早く捜索が進むだろう。今日は待機して、雨が止んでも止まなくとも、明日の昼に出る」
「わかった」
 セレンがうなずくと、フルートは続けて、
「捜索には、ゼラルドとぼくが行く。セレンは残ってくれ」
「えっ」
 セレンは耳を疑った。黒髪の若者が、淡々と補足した。
「沼に引き込まれても、フィリシアは生きている。人智を超えた力が働いているのなら、君よりも、ぼくのほうが役に立つだろう」

「竜王の館(後編)(10)」を少し修正しました。

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