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夢のような(03)

 果たして、翌日になると、ゼラルドの言ったとおり、空は徐々に明るくなって雨足を弱め、昼頃、とうとう雨が止んだ。というより、まるで、朝から部屋にこもっていたゼラルドが、何かを為して雨をやませたかのように、セレンには思われた。どことなく疲れた様子で部屋から出て来た黒髪の若者は、しかし、「大丈夫なのか」と思わず尋ねたセレンに冷ややかな一瞥を投げ、何を説明することもなく、フルートと一緒に出かけて行った。
 そして、日の暮れる頃に帰って来た二人は、フィリシアを連れてはいなかった。
「ぼくたちだけでは手が出ない」
と、フルートが苦々しげに言ったのを、セレンは聞きとがめた。
「だけでは、って。他の誰なら、沼の底まで手が届くというんだ?」
「もう何日かすると、月が――」
と、フルートは言いかけたが、一瞬だけゼラルドと視線を交差させたあと、
「――なんでもない」
と言って、のみこんでしまった。
「なんでもない」とは、癇に障る言い様だ。が、ともかく、姫君は無事でいて、救い出すあてがあるらしい。
 それからの数日間、フルートは、その何かを待つことに決めたらしく、フィリシアのことをいったんおいて、最近の異常な天候による作物の被害等について、土地の有力者と話すことで気を紛らわせているようだった。都合で身分を明かし、迎賓館に泊まり替えもした。ただ、外から戻るとゼラルドの部屋に行っては、二人で何か相談しているのだった。
 セレンは、フィリシアが無事で帰って来るように祈っていたが、それとは別に、あまり心穏やかではいられなかった。いちいち気に障るゼラルドが、フルートにとっては「歓迎すべき新しい友人」だ、というのは、知っていたことだが、あまり面白いことではない。
 ある日、ゼラルドの部屋から出て来たフルートは、右手に包帯を巻いていた。たまたま廊下にいたセレンは、それを見て、また自分で切ったのだろうかと呆れたように思いかけてから、すうっと血の気の引く思いがした。では、国を発つときセレンに言ったように、再び「わが命を預ける」と誓ったのだろうか。血を流してまで。でも、今度は誰に?
 フルートが、こちらを見た。その身にまとう空気は数日ぶりに和らいでいるが、なぜ?
「セレン? どうかしたのか?」
 尋ねられて、セレンはただ、フルートの手の包帯だけを見つめて、無言だった。
「この傷か? 気にせずとも、これは自分で切っ――」
「ああ、そう!」
 セレンはくるりと踵を返した。むかむかする。フルートにも自分にも腹が立つ。
 フルートは、やっと気づいたようだった。あわてた声が追って来た。
「違う。これはミルガレーテを呼び出すために」
 それはセレンの聞いたことのない名前。いや、どこかで聞いたことのある名前・・・。
 古い言い伝えに出て来る、古代レティカ王国の最後の姫君の名前・・・?

のびてます。あと1回?2回?

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