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にじむ闇(01)

 どこかで、フクロウが鳴いている。
 黒い影と化した木々が、ザワザワと梢を揺らしている。
 深い夜の底で、焚き火が燃えている。
 火のそばで、金髪の王子は、長剣を抱いて地面に座り、寝ずの番をしている。

 同行の友人が、眠る前にさりげなく焚き火にまじないをかけ、火が消えぬようにしてくれたらしいことには気がついていた。妖魔や獣が襲って来ないよう、目には見えない結界らしきものを張ってくれたようだ、とも。
 だが、友人が友人にできることをしてくれたように、彼は彼で、自らにできることをする。だから、まぶたを半分閉じて休みながらも、眠りこむことはせず、彼は火を見つめて番をしている。

 黒髪の友は、火を挟んだ反対側で、毛布にくるまって眠っている。旅を始めた頃は、野営をすると、どこへともなく姿を消してしまったものだが、最近は近くにいてくれるようになった。少しは信用してくれるようになったのだろうか? 近くにいるからといって、火の番を代わってくれるわけではないが、それはそれでかまわない、と、彼は思う。
 今ここにいない、別の友人と野に休むときは、交代で番をしたり、二人で話をしたりして、退屈せずに夜を明かすことができる代わり、翌日、寝不足で機嫌が悪くなった友が並べる不平を、はいはいと聞いてやらなければならない。どちらの友人と野宿するのがいいかは、さて、どちらとも言えないが、はっきりしているのは、どちらも大切な友だということだ。

 不意に、火のパチパチとはぜる音だけを残して、周りの音という音が、ぴたりと止んで聞こえなくなった。目を上げると、さきほどまで焚き火の明かりでうっすら見えていた森の木々が、黒く塗りつぶしたように闇に溶け、あたり一面、漆黒の闇と化している。火は変わらずに燃えているのに、映し出されるものは何もない。
 ちり、と焦げ付くような違和感があった。この危険な感覚には、覚えがある。
「ゼル、何か来るぞ」
 低く静かに声をかけると、焚き火の向こうで、黒髪の友も体を起こした。あたりを見回してから、フルートのほうに物憂げな視線を投げ、
「・・・これは、もしや」
と言う。フルートはうなずいた。
「ああ。あのときの<闇姫>が、来る」
 二人は立ち上がり、油断なく長剣に手をかけて、待った。

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