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誕生日の姫君(02)

 日の沈む頃、戻って来たセレンが馬から下りると、外にいたフィリシアが駆け寄って来た。
「おかえりなさい、セレン!」
「ただいま、お姫様」
 セレンは、にこ、と笑って、
「おみやげがあるよ。いや、これといって特別なものは無かったのだけれど・・・、でも、本当に何も無いよりはマシかと思って」
 荷袋から、大きめのビン詰めをふたつ取り出した。青い髪の姫君は、セレンが差し出したビンを、代わる代わる覗き込み、ぱあっと明るい表情になった。
「干した果物と、木の実の蜂蜜漬け。ありがとう! わたし、両方とも大好き!」
「良かった。たいしたものではないけれど、ぼくたちからの、誕生日のお祝い」
「ありがとう! 明日、みんなでいただきましょう。それに、これだけあるなら、たぶん・・・、わたし、おかみさんに相談してみる」
 ビンを受け取ろうとするフィリシアに、セレンは笑って、重いから自分が運ぼうと言った。フィリシアは素直に受け入れて、嬉しそうに、先に立って宿の台所へと向かった。
 もちろん、セレンとしては、贈りものをこれだけしか用意できなかったのは、不本意きわまりなかったのだ。だが、喜んでもらえたのだから、まあいいか、と、言われるまま台所にビンを置いて引き上げ、もう一度外に出て友人の姿を探して歩き回ってみると、フルートとゼラルドは村はずれにいて、牛たちが草をはむのを眺めながら、何事か話していた。セレンは少し呆れながら、歩み寄った。
「君たちは、姫君を放りだして、のんびり何をしているんだい」
「おかえり。それは違うぞ。さっきまでフィリシアもここにいた。君が帰って来るのが見えたから走って行った。置いていかれたのは、ぼくたちのほうだ」
 フルートは弁明してから、いたずらっぽく笑った。
「ぼくたちの親愛なるフィリシア姫は、明朝は早起きして、牛の世話を手伝うそうだよ」
 セレンは、聞き違えたのかと思って、聞き返した。
「・・・牛の世話?」
「乳絞りが得意だと言っていた。不思議なお姫様だ」
 聞き違いではなかった。そうだね、と曖昧に同意して、セレンは自分の任務の首尾を報告した。ひとまず、姫君への贈りものは完了だ。
「明日、何も起こらなければいいけれど」
 心配するセレンに、フルートも、真面目な顔で応じた。
「フィリシアは日の出とともに起床すると言っていたから、ぼくたちとしては見張りやすい。無事に過ぎることを祈ろう」
 若者たちの胸は、おのずと似通った祈りを抱いた。願わくば、姫君が心穏やかに、明日という日を一日楽しく過ごせますように。

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