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滝遊び(01)

 空気が冷たく感じられる季節を迎えていたが、旅の一行は、解呪の聖泉を目指し、北へと向かっていた。
 ある日、山をひとつ越えなければならず、朝から馬を連ねて登った。木々は燃えるような赤や黄に色づいており、旅人たちの目を楽しませた。また、山道を登る途中、見晴らしの良い場所に出ると、切り立った崖を流れる大きな滝を望むことができ、素晴らしい眺めだった。自分たち以外に人通りのないことが、もったいないと思われるほどだった。
 昼近くには、その滝の、てっぺん近くに辿り着いていた。目の前をさらさらと流れる水が、崖淵から落ちて行く。
「このあたりで食事にしよう」
と、フルートが言った。馬をつなぎながら、
「滝を覗き込むのは危ないぞ」
と言ったのは、青い髪の姫君が、そろそろと崖近くのほうへ歩いて行こうとしたからだ。フィリシアは、ちょっぴり残念そうな顔で引き返し、おとなしく食事を広げた。
 話題は、それぞれの知っている滝のことになった。フィリシアの故国クルシュタインにある、冬場は見事に凍結する大きな滝の話。フルートとセレンの故国リーデベルクにある、5本に分かれて注ぐ優美な滝の話。
 ローレインには山が少ないから、滝らしい滝も無いように思う、と、ゼラルドが言った。このように大きな滝を、間近に見たり、源まで登ったりするのは、今日が初めてだ、と。
 食事のあと、フルートとセレンが何か相談しているのを良いことに、黒髪の若者はすたすたと崖の端まで歩いて行った。心配したフィリシアが追いかけて、数歩後ろから、
「危ないわ」
と声をかけると、ちらと振り向いて、
「大丈夫だよ」
と言い、崖の向こうへ踏み出した。フィリシアは悲鳴をあげそうになって、呑み込んだ。黒髪の若者は、何事もないように立っており、つまり、宙に浮いていた。そうだった、このひとは、こういう不思議な術を使えるのだった。
 ゼラルドは、フィリシアのほうに向きなおって、首を傾げた。
「君も、滝を近くで見たいのだろう」
「ええ・・・」
「では、一緒においで」
 ゼラルドは、ほのかに笑って、手を差し伸べた。めったに見られる光景ではなかったので、フィリシアは少しばかり驚いたが、戸惑いよりも喜びのほうが大きかったので、素直に手を伸ばして、差し伸べられた手を取った。
「こちらに来て、踏み出してごらん。落ちることはないから」
 言われて、崖のふちに立ち、ぎゅっとゼラルドの手を握った。足元に何もないと思うと、落ちないと思っていても、緊張する!

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