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聖なる森(02)

 きらめく水のほとり。二人のいる場所から少し離れた所に、三人の乙女が座り、親しげに語らっていた――彼女らは人間ではなかった。どこがどうというのではないが、明らかに人間とは違った様子だった。ちょっと風が吹いたら飛ばされてしまいそうに頼りない体つきで、透けてしまいそうな肌の上に、これもまた透けてしまいそうな服をまとって、ほっそりした足を水の中に遊ばせ、話の内容はこちらにまで聞こえてこないが、いかにも楽しそうにおしゃべりに興じていた。そして、二人には見向きもしないのだった。
「セレン?」
 フルートが怪訝そうにセレンを呼んだ。セレンははっとして、そのとき初めて、フルートには彼女たちが見えていないらしいことに気づいた。事実、王子のほうは、先に馬を下りていたのだが、セレンの視線を目で追ってみたものの、友達が何に心を奪われているのか、さっぱりわからなかった。セレンが馬を下りて、それでもどうしても向こうに目をやってしまうのにつられ、もう一度そちらに視線をさまよわせながら、聞いた。
「何を見ているんだい?」
 そのとき、ふと、なにげなく、乙女の一人がこちらを向いた。セレンと目が合うと不思議そうな顔をして、その隣のフルートを眺め、再びセレンに視線を戻し、やっぱり彼が自分を見ているのだと知ると、驚いた表情を浮かべて、そのまま金縛りにあったように動かなくなってしまった。残りの二人は、それに気づくと不安そうな様子になり、仲間の乙女とセレンとを見比べた。
 最初の乙女は、その細い手をあげ、セレンのほうを指さして何か言った。仲間の乙女たちは、信じられないというふうに首を振りながら、おびえた顔でセレンを見つめている。しばし、緊迫した時間が過ぎ、やがて、三人の中て一番勝ち気そうな容貌の乙女が、緊張した声で、思い切ったようにこちらに呼びかけて来た。
「わたしたちが見えるの?」
 心なしか、声が震えていた。セレンは、どうすれば怖がらせないですむものか見当のつかないまま、黙ってうなずいた。とたん――
「あっ、待って、逃げないで!」
 乙女たちは、信じられないほどの素早さで、さっと立ち上がって駆け出した。セレンはあわてて後を追おうとしたが、すでに遅く。乙女たちはあっというまに、森の中へと姿を消してしまっていた。
「セレン」
 呼ばれて我に返ってみると、傍らではフルートが、仕方ないなという顔をしてこちらを見ていた。まだ半ば呆然としているセレンに向かって、
「つまり、誰かいたのか?」
「うん。すごい美人が三人」
「どこかに行ってしまった?」
「うん・・・」
「では」
 残念だったね、というふうに、フルートは眉をちょっと上げて見せた。
「もう気にしても仕方ないだろう。このあたりで、少し休もう」

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