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聖なる森(03)

「うん・・・そうだね」
 セレンは休憩に同意した。最近起こったあれこれの出来事を考えれば、セレン以上に、フルートも疲れているはずだった。
 二人は馬に水を飲ませ、自分たちも飲み、また、近くの木からいくつかの果実をもいで来て、簡単な食事を済ませた。草の上に寝そべったフルートが気持ちよさそうに眠り込んでしまった横で、セレンはしばらく考え事をしていたが、そのうちに自分も眠くなり、横になって、いつとはなしに、うとうととまどろみの中に落ちて行った。

 ――おそらく、彼のほうが眠りが浅かったのだろう。その微かな気配がしたとき、セレンはフルートよりも早く目覚めて、さっと身を起こした。
「・・・待て!」
 何者かが、フルートの馬――非の打ちどころのない名馬で、リーデアという――を連れて、森の中に入って行くところだった。セレンはとっさに自分の馬に飛び乗った。
「セレン!」
 その頃にはフルートも目が覚めていて、声が背中から追って来る。半分だけ振り返り、肩越しに、
「ここで待っていて」
 言い置いて、かまわずに白馬を負った。急がないと見失ってしまう。
 幸い、馬の進みづらい狭い道だったので、リーデアが並外れた俊足を発揮する機会はなく、その白い姿を追うのは、それほど難しいことではなかった。もっとも、進みにくいのはこちらも同じことで、前方との距離は一向に縮まらない。セレンは栗毛を操りながら、なぜリーデアが連れて行かれたのか考えた。連れて行ったのは人間ではないな、と思う。でなければ、気の強いリーデアが、おとなしく付いて行きはしないだろう。けれどそれなら、盗みの禁じられたこの森で、よりにもよって森の住人が、いったいどうして盗みを働かなければならないのだろう?
 前を行くリーデアの白い影が、ふいに見えなくなった。セレンははっと緊張したが、すぐにその理由に気づくことになった。つまり、そこまで来ると、木々が異様なほど密集しており、ぎっしりと絡み合っていたのだ。果たして、再び白馬を見つけられるだろうかと訝りながら、セレンはやむを得ず下りて馬を引き、枝をかき分けるようにして前に進んだ――そしてすぐにわかったのは、そのあたりの枝に、若干の魔法がかかっているらしいということだった。木々は、自然の森にはありえないほど互いに枝を絡ませ合っていたが、そこをあえて進もうとする者を、人であれ馬であれ、決して傷つけはしなかったのだ。
 ふと、向こうのほうが明るく見えたので、セレンはそちらに進んだ。神々しい空気がこの辺りではいっそう強く、道を間違えていないことを教えてくれた。行く手を阻もうとする枝をかき分けかき分け――背後で枝は再び絡み合うのだった――、セレンは馬と共に歩んで行った。最後の枝をどけると、そこは燦燦と光あふれる広場だった。

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