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  • (2017/4/29朝) そして、3月に続いて4月もまた、溶けるようにして消え去って行くのであった…。

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聖なる森(08)

 ・・・白馬を引いて先に立ちながら、女王の娘たちは2人とも――勝ち気そうな1人はいつのまにか消えてしまっていた――、もうセレンに対して怯えてはいないようだった。
「残ればいいのに」
 と、道を行く途中、1人が残念そうに言った。セレンが自分の馬を引きながら、微笑しただけで答えずにいると、不満そうに続けて、
「だって、あの人。あなたのお友達って人。私たちが見えないような人よ?」
「だから?」
 セレンが聞くと、もう1人が、
「ただの人っていうことよ。あんな人のために、あなたが戻ることなんて、ないわ」
「あんな人? 聞き捨てならないね」
 セレンが穏やかにたしなめる。娘たちは納得がいかないようだったが、ともかくも口をつぐんだ。と、思いきや。
「あの人、何してたと思う!」
 ざざっ、と音を立てて、そばの木の上から、いなくなっていた3人目が軽やかに飛び降りて来た。一行は、さえぎられる形で、いったん立ち止まることになった。
「ねえってば。何してたと思う?」
 3人目の乙女は、興奮した様子でセレンの横に来ると、その顔をのぞきこんだ。
「さあ。ともかく、落ち着いて、お嬢さん」
「まじめに聞いてよ」
「聞いていますよ。で、あの人って、ぼくの友達のこと?」
「もちろんだわ」
「わざわざ何を見に行ったの」
「様子を見にじゃない!」
 乙女は、じれったそうな顔をして、声を高くした。一行は立ち止まったままだ。
「あの人ね。いいこと、あなたはお母さまに、友達を待たせているからって言っていたけど、あの人のほうはね・・・」
 セレンは予想がついて、くすりと笑ったが、乙女のほうは勢い込んで、
「あの人・・・寝てたのよ! ねえったら。私、見たんだから。ほんとよ!」
「そう」
「そう、って・・・、なのに、あなた帰るの? 友達の心配もせずに、のんきに昼寝してるような、あんな人のために?」
「ねえ、君たち」
 セレンは多少、うんざりし始めた。
「その『あんな人』っていうの、やめてくれないかな。あまり、良い気分のするものではないから」
「だって」
「それにね、彼、ここのところ少し疲れているんだ。半分くらいは、ぼくのせいでもあるし。眠るのくらい、何も言わずに寝かせておいてあげたいんだけどな」

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