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聖なる森(09)

 乙女は、気を悪くしたようだった。
「何よ・・・お母さまと話していたときと、ずいぶん態度が違うじゃないの」
「姫君方のお相手は慣れていますからね、お姫様」
 セレンはおどけて、多少の皮肉もこめて一礼したが、この姫君の機嫌は一向に直らなかった。
「いいえ、そんなんじゃないわ。あなたは私たちのこと、ばかにしてるんだわ。私たちには、お母さまほど力がないと思って。それで、私たちより、私たちの姿を見ることのできない人なんかをかばうのよ」
「そうじゃないさ。君たちこそ、どうして君たちが見えない者のことを、そう悪く言うんだい」
「だって、ただのヒトだもの!」
 それこそ、ばかにしきった答えが返って来た。セレンは辛抱強く、
「生きている世界が違うだけだよ。どちらが優れているとか、劣っているとか、そういうことじゃないんだ」
「いいえ、そういうことなのよ。だって、あなたには見えるじゃないの。あなたが特別な、私たちに近い人だからよ。そうでしょう」
「血筋のことなら、彼のほうが、ぼくより由緒正しい血を引いているんだけど」
「そういうことじゃないわ」
 勝ち気そうな乙女は、いらいらしたように言った。
「そうじゃなくて・・・あなたはとても優しくて、穏やかで、ものに感じやすいってことよ。私たちが見えない人は、きっと違うわ。粗野で、鈍感で、愚かな人。たとえ血筋や容貌が少しくらい良くたって、魂が卑しいに違いないわ」
 セレンは溜息をついた。
「これ以上、話すのはよそう。お互い、気分が悪くなるだけだ」
「どうして分からないの。目を覚まして。このままでは、あなたの魂まで汚されてしまう」
「口をつぐんでくれ」
 セレンはきっぱりと言った。乙女は、信じられないという顔をした。あとの2人は、おろおろと成り行きを見守っている。
「・・・何よ。あなた、私が何もできないと思ってるわね・・・」
 しばらく間があってから、勝ち気な乙女は低く言った。何かが、変化しつつあった。
「私だって・・・その気になれば、出来るんだから・・・」
 そして、あらわれようとする、人ならぬものの気配。
 おびえ始めた残りの2人は、手を口にあてて、なすすべもなく仲間とセレンを見比べ、1人がかろうじて、たしなめようとしていた。
「ね、だめよ・・・お母さまに怒られるわよ・・・ねえ・・・」

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