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聖なる森(11)

 乙女たちは、びくっとしてセレンを見上げた。3人とも、一瞬のうちに我に返っていた。
「あのとおり、って。それじゃ、あれは、あなたのお友達が?」
 驚いた顔をして、1人が言った。
「そうだよ」
「まあ」
 乙女たちは顔を見あわせた。その驚きは、しかし、響き続ける笛の音の中で、少しずつ和らいでいった。乙女たちは旋律に耳を傾け、再び夢を見始めた瞳で互いにうなずきあうと、セレンに向きなおり、代表として、勝ち気な乙女が口を開いた。
「お友達のこと、悪く言って、ごめんなさい」
 さきほどとは打って変わった、おとなしい口調だった。セレンを見上げて、
「本当にごめんなさい。あなたの言ったこと、今ならわかるわ。優れているとか劣っているとかじゃなくて、私たちは、ただ種類が違うんだっていうこと。生きている世界が違うだけなんだっていうこと。私、とても愚かだったわ。許してくださる?」
「もちろん」
 セレンはにっこりして身をかがめ、乙女の手をとってキスをした。乙女はどぎまぎした様子をした。そうしていると、彼女は人間の娘とたいして違わなかった。
「私・・・私ね」
と、乙女は口ごもりながら言った。
「本当に、でも、あなたにここにいてほしいと思うわ」
「ありがとう」
 セレンは答え、しかし、彼に残るつもりがないことは、乙女たちにもわかりきったことだった。
 セレンは自分の馬を連れて、リーデアのそばに近づいた。白馬は、笛の音に落ち着かない様子をしていた。
「では、リーデア、帰ろうか」
 首をたたいてやって、振り返る。勝ち気な乙女は、一瞬の間をおいて、
「あなたに祝福がありますように」
と言った。あとの2人も唱和した。
「あなたに祝福がありますように」
「ありがとう。さようなら、お姫さま方」
 セレンは軽くお辞儀をして、2頭の馬を連れ、きびすを返した。そして――乙女たちは笛の音を聞きながらずっと彼の後ろ姿を見送っていたのだが――2度と振り返りはしなかったのだった。

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